SearchSearch

日本人初!王谷晶『ババヤガの夜』英ダガー賞翻訳部門を受賞 世界最高峰のミステリー文学賞

2025.07.04 Vol.Web Original

 英国推理作家協会(CWA)は7月3日夜(日本時間4日朝)、世界で最も権威あるミステリー文学賞の一つであるダガー賞の翻訳部門(Dagger for Crime Fiction in Translation、サム・ベット訳) に、王谷晶の『ババヤガの夜』の英訳版(The Night of Baba Yaga)が選ばれたことを発表した。日本人として史上初、アジアの作家としても史上2人目の快挙。

『ババヤガの夜』は暴力が唯一の趣味という女性が、暴力団の組長の一人娘の護衛を任され、裏社会の闇と娘の秘密に迫っていく物語。鮮烈なバイレンス描写と共に女性同士の “名づけようのない関係” が描かれる。2020年、文芸誌「文藝」秋季号(河出書房新社)の特集「覚醒するシスターフッド」にて全文発表。同年10月に単行本化、2023年5月に文庫化された。

 米エドガー賞と並び、世界的に権威のあるミステリー文学賞として知られるダガー賞。これまでに東野圭吾『新参者』、横山秀夫『64』、伊坂幸太郎『マリアビートル』などが最終候補作に選ばれながら、いずれも受賞には至っていなかった。今年は柚木麻子の『BUTTER』(ポリー・バートン訳)と2作が同時にノミネートされ、注目を集めていた。

 王谷は授賞式で「今はとにかく驚いています。完全に混乱しています。『モンティ・パイソン』のスケッチに出ている気分です」と切り出し「リアルの暴力があふれている世界では、フィクションの暴力は生きていけません。これからも首なし死体やパーティーでの毒殺を楽しむために、今回いただいた栄誉を、世界の平和のために少しでも役立てたいと思います」などとスピーチした。

空前の編み物ブーム!話題の手編みハンカチ「ニッタオル」を不器用記者が編んでみた

2025.06.28 Vol.Web Original

 今年に入ってから若者の間で編み物が大流行している。きっかけは韓国のアイドルグループのメンバーだといい、冬のイメージがある編み物だが、今や暑くなっても毛糸の売れ行きは衰えないとか。そんなある日、手芸店以外の場所で編み物キットを見つけた記者が、初めての編み物に挑戦しつつブームの背景を探った。

◆ ◆ ◆

映画【明日何を観る?】『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』

2025.06.26 Vol.762

 20年前、日本で初めて教師による児童への虐めが認定された体罰事件。福田ますみのルポルタージュ『でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相』を、鬼才・三池崇史監督が、綾野剛、柴咲コウ、亀梨和也、木村文乃、光石研、北村一輝、小林薫ら豪華キャストをそろえ映画化。

「死に方教えてやろうか」と教え子を恫喝した男は史上最悪の「殺人教師」なのか、それとも…。日常の延長線にある極限状況の中、見る者もまた“真実”に翻弄される必見の一本。

タブレット純、浅草でリサイタル開催!昭和歌謡に声帯模写、アリス矢沢透&元スクールメイツも

2025.06.16 Vol.Web Original

「和田弘とマヒナスターズ」元メンバーで、“ムード歌謡の貴公子” こと歌手でムード歌謡漫談家のタブレット純が6月9日、浅草公会堂にて「タブレット純リサイタル2025」を開催した。自身初の自伝『ムクの祈り』(リトルモア)出版時にインタビューした記者が、全24曲、怒涛の約3時間をリポートする。

◆ ◆ ◆

今すぐ読みたい話題の本!直木賞作家・門井慶喜が “札幌” の成り立ちに迫る『札幌誕生』

2025.06.15 Vol.762

 2003年に「キッドナッパーズ」でオール讀物新人賞を受賞してデビューし、2018年に『銀河鉄道の父』で第158回直木賞を受賞した門井慶喜の最新作『札幌誕生』が刊行された。

 幕末から昭和にかけて北海道に渡り、札幌を近代都市として発展させた5人の男女。北海道開拓の父として知られる初代開拓判官の島義勇をはじめ、内村鑑三、バチラー八重子、有島武郎、そして石狩川の治水計画の礎を築いた岡崎文吉。それぞれの人物に視点を置いた物語から、知られざる近代・札幌の成り立ちに迫る。

 北海道新聞、中日新聞、東京新聞、西日本新聞、河北新報にて2023年7月から今年1月にかけて連載され、話題を呼んだ連作短編の書籍化。購入者特典として、地図サイト「れきちず」とのコラボによるオリジナル歴史地図を用意。

映画【明日何を観る?】『フロントライン』

2025.06.12 Vol.762

 乗客乗員56カ国3711名。治療法不明。感染者数不明。加熱する報道。あの日、あの時、俺たちはどうすべきだったか。あなたならどうしたか…。2020年2月、豪華客船ダイヤモンド・プリンセスで発生した、日本初の新型コロナウイルスの集団感染の対応に当たることになった災害派遣医療チームDMAT(ディーマット)の実話を、小栗旬、松坂桃李、池松壮亮、窪塚洋介という豪華キャストをそろえて映画化。

映画【明日何を観る?】『テルマがゆく! 93歳のやさしいリベンジ』

2025.06.05 Vol.762

『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』でアカデミー賞助演女優賞ノミネートを果たしたジューン・スキッブが、キャリア70年、93歳にして初主演! 2024年サンダンス映画祭で上映されるや話題を呼び映画批評サイトでも軒並み高評価を受けている注目作。

映画【明日何を観る?】『MaXXXine マキシーン』

2025.06.05 Vol.762

 映画スタジオA24製作の⼤ヒットシリーズ『X エックス』、『Pearl パール』に続く最新作にして完結編!

 1985年のハリウッドを舞台に、ハリウッドスターを夢みる主⼈公・マキシーンが、謎の連続殺⼈⻤や、彼⼥の過去を知る私⽴探偵、FBIら、⽴ちはだかる敵たちと戦いながらスター街道を突き進む異色のエンターテイメント。主人公のマキシーンと、映画史上最も無垢なシリアルキラー・パールの両方を演じてきた、ミア・ゴスが今回も主演を務め大躍動!『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズのエリザベス・デビッキや「エミリー、パリへ行く」シリーズのリリー・コリンズ、名優ケヴィン・ベーコンら「本シリーズの大ファン!」と表明する豪華キャストの出演も見どころ。

蔦重プロデュース、幻の喜多川歌麿作品が約43年ぶりに再発見 特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」

2025.05.29 Vol.762

 現在放送中のNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」でもおなじみ「蔦重」こと蔦屋重三郎(1750~97)。貸本業から身を起こし、社会状況の変化をつぶさにとらえ、まさに江戸のメディア王となったその軌跡とともに、喜多川歌麿や東洲斎写楽など、彼が発掘した数々の才能を紹介する展覧会。

 会場では、彼が出版した「吉原細見」をはじめ洒落本、黄表紙などの他、名絵師たちの作品、蔦重ともゆかりが深い平賀源内作「エレキテル」などを展示。さらに「べらぼう」との連携で蔦重が活躍した頃の江戸の街へタイムトリップしたような空間も登場する。

 また今回、本展覧会に関連する調査の中で、蔦屋重三郎がプロデュースした喜多川歌麿作品の中でも特に重要と思われる作品「婦人相学十躰 ポッピンを吹く娘」が約43年ぶりに再発見され、5月20日から同展で特別公開することが決定。歌麿の「婦人相学十躰」は、その最初期のシリーズであり、中でも「ポッピンを吹く娘」は「十躰」「十品」両シリーズ名で出版された貴重な作例。貴重な機会をお見逃しなく。

東出昌大、山小屋生活で得た学び「自然や生きものをないがしろにしていいなんて思えない」

2025.05.27 Vol.Web Original

 俳優の東出昌大が、5月29日発売の「FRaU SDGs MOOK」最新号(講談社)に登場することが分かった。

音楽の聖地のキオク 日比谷野音、建替え&再整備で 9月にクローズ

2025.05.25 Vol.762

 日比谷野音こと日比谷野外大音楽堂が建て替えと再整備のために10月1日から使用休止になる。さまざまなアーティストやバンドのあこがれのステージで、数々の伝説も生まれた音楽の聖地は、誰にでも開かれた扉をいったんクローズする。

 使用休止期間に入るまで約4カ月。スターダストレビュー、DEPAPEPE、OKAMOTO’S、UA、ハンバートハンバート……例に挙げただけでも、音楽を愛し、音楽に愛されるアーティストたちが、野音のステージにしみ込んだ歴史や記憶を感じながら音楽を届ける。9月にはロックの聖地、フォークの殿堂とされ、歴史を刻んできた野音にゆかりのあるアーティストたちによるファイナルコンサートが行われる計画。また、野音に愛着のあるファンを対象に、館内を解放し、自由に見学できる日比谷野音オープンデーも開催する予定だという。

 以前は、関東大震災によって娯楽施設が壊滅した市内で、市民生活に健全な娯楽を与える場として音楽会や舞踏会、野外劇などが開かれていたという日比谷野音。この夏、野音を体感してみてはいかがだろうか?

Copyrighted Image