カリスマ書店員3人が日比谷でトークイベント“マジ絶望”な世の中を生き抜くヒントとは?〈後篇〉

2019.08.11 Vol.Web Original
 盛岡市のさわや書店を退職し、現在は出版取次会社に勤務する長江貴士が2作目の著書『このままなんとなく、あとウン十年も生きるなんてマジ絶望』(以下、『マジ絶望』)を上梓。刊行を記念したトークイベントが中央区のHMV&BOOKS HIBIYA COTTAGEにて行われた。聞き手は同店店長の花田菜々子と元三省堂書店で現在同店勤務の新井見枝香。Vol.721に掲載しきれなかったエピソードを含め、前篇・後篇に分けてお届けする。

カリスマ書店員3人が日比谷でトークイベント“マジ絶望”な世の中を生き抜くヒントとは?〈前篇〉

2019.08.11 Vol.Web Original
 盛岡市のさわや書店を退職し、現在は出版取次会社に勤務する長江貴士が2作目の著書『このままなんとなく、あとウン十年も生きるなんてマジ絶望』(以下、『マジ絶望』)を上梓。刊行を記念したトークイベントが中央区のHMV&BOOKS HIBIYA COTTAGEにて行われた。聞き手は同店店長の花田菜々子と元三省堂書店で現在同店勤務の新井見枝香。Vol.721に掲載しきれなかったエピソードを含め、前篇・後篇に分けてお届けする。

イケメンって、なにかね?『くさらないイケメン図鑑 現代ニッポン半世紀を彩った265人』

2019.07.12 Vol.720

 前著『産まないことは「逃げ」ですか?』で、妊娠・出産問題を赤裸々に綴り話題を呼んだ著者の最新刊。「週刊新潮」誌にて長年イラストも手掛けるテレビ評「TVふうーん録」を連載する著者の鋭い観察眼で、現代日本を代表するイケメン265人を分類・リスト化し、うち100人をイラスト入りで解説している。  しかし、通常のイケメン図鑑の枠には到底収まらないところが著者の真骨頂。まず表紙からして、各イケメンのパーツを組み合わせたモンタージュイケメンである。美女の顔を集めて平均化したからといって絶世の美女になるわけではないのは割と知られた話だが、このイケメンらしき架空の人物をどう評価すればいいのか。本書への向き合い方を揺さぶられる。  そしてイケメンジャンルも「すっぽこ系」という、およそイケメンを論じようとしているとは思えないカテゴリーからスタート。掟破りではあるが、巻末から読み進めるのが従来のイケメン図鑑ではないのか。  目次を兼用したイケメンリストには、イラストで描ききれなかったイケメンたちをひと言で表現。名前しか分からないイケメンは想像するほかない。制作期間2年半を経て産み落とされた本書は、全力でイケメンとはなにかを問いかけてくる。寄藤文平氏が手掛けた一見の価値ありの装丁は、本書を開いてのお楽しみに。

サラリーマンは辛苦な稼業と来たもんだ『セミ』【著者】ショーン・タン

2019.07.11 Vol.Web Original

 セミ おはなし する。  よい おはなし。  かんたんな おはなし。  ニンゲンにも  わかる おはなし。(帯文より)  どんよりした灰色の壁と床が囲む、まるで要塞のようなオフィス。そこら中に散らばった書類の間隙を縫うように、しわだらけのスーツ姿で一匹の「セミ」が立ち尽くしている。言い知れぬ不穏な気持ちを抑え読み進めると、どうやら彼はある会社で、勤続年数17年を数えるサラリーマンだという。どんなに理不尽な目に遭おうとも、不平不満を言わず真面目にコツコツと、ニンゲンの分まで仕事をこなす。時折「トゥクトゥクトゥク!」と声にならない声をあげながら……。

芸術は爆笑だ!?『永田町絵画館』【著者】福本ヒデ

2019.07.05 Vol.Web Original

 この度は「永田町絵画館」に、ご来場いただきありがとうございます。  当館は、「日本の中心で起きている出来事」を描いた絵画を主に扱っております。(「ごあいさつ」より)  ここは日本の政界を司る「永田町」の名を冠した絵画館。「おや、こんなとこにおかしいね。しかしとにかく何か絵画が見られるんだろう」と、『注文の多い料理店』のような台詞をつぶやきながら、絵画館の白い扉をうやうやしく開けてみる。すると、どこかで見たことのある有名作品がところ狭しと並んでいるではないか。いったいどうやってこんなにたくさんの作品を集めたのだろう。「文句の叫び」や「火に油を注ぐ女」……あれ?

孤独をまとう不思議な鳥『ハシビロコウのすべて』

2019.06.29 Vol.Web Original

 皆さんはハシビロコウという鳥をご存知だろうか。鋭い眼光、哀愁を漂わせる立ち姿、「動かざること山の如し」といった風情で微動だにしない。アフリカに生息し、ペリカン目ハシビロコウ科ハシビロコウ属を単独で構成する大型の鳥である。このハシビロコウが、アニメ「けものフレンズ」で擬人化されるなどした影響か、近年つとに人気を博しているという。上野動物園のスーベニアショップでは、パンダに次ぐ人気グッズとの話もある。

「令和」へと拓く遺言「平成の死 追悼は生きる糧」

2019.06.23 Vol.719

 平成に亡くなった200人超を取り上げた『平成の死』には、その時代を彩った多くの人生のリアルが描かれている。第一章「昭和の残照」では、「平成は女王と神様の死で始まった」とし、昭和の終わりと平成という時代の幕開けを予感させる美空ひばりと手塚治虫(ともに平成元年没)の死を取り上げている。第二章「ガンとの戦死」では逸見政孝や松田優作、中村勘三郎、小林麻央ら現在も死因のトップであるガンに倒れた著名人を。そして第三章では「自らを殺すという生き方」とし、自死を選んだ人の死を振り返る。その他、突然死や事件・事故など、我々は平成の間、さまざまな人たちの死に遭遇してきたのだと実感させられる。この世において平等なことは“人は必ず死ぬ”という事だ。生まれた時から人は死に向かってカウントダウンをスタートしている。“死”を思うことは“生”を考える事。同書に収録されている死にゆく者が残した言葉から浮き彫りになる“生きる”という事は、非常に尊く、とても重い。
【著者】宝泉薫【発行】KKベストセラーズ【定価】本体1600円(税別)

劇団EXILE 秋山真太郎が小説家デビュー! 3年書き溜めた掌篇小説集 EXILE TAKAHIROがほれ込む

2019.06.14 Vol.Web Original

 劇団EXILE 秋山真太郎が、小説集『一年で、一番君に遠い日。』(キノブックス、1700円+税)で小説デビューを果たすことが分かった。キノブックスが発表した。  同作は、秋山が3年にわたり、書き続けきた小説をまとめたもので、掌篇20篇を収録。それぞれが現実世界から知らない間に異世界に迷い込んでしまったような、不思議な作品だという。    秋山は「寝る前、出勤前、疲れた時、楽しい時、ふとした休憩のお時間などに気になる作品から読んで頂けるようになっています。日常に潜む、潜んでいるかもしれないファンタジーを楽しんで頂けたら幸いです」と、コメントしている。  収録されている作品のひとつ「風をさがしてる」では、作品の中に出てくる手紙の一部を、作品にほれ込んだEXILE TAKAHIROが、直筆で書き起こしている。  7月7日にはカリスマ書店員新井見枝香さんとの対談イベント、同14日には橘ケンチとの対談イベントを行う予定。 ■秋山真太郎 コメント この度、掌編小説集を出版する運びとなりました。 三年かけて書き溜めていた思い入れの強い二十本の掌編作品集です。第一回ショートショート大賞のアンバサダーを務めさせて頂いたのをきっかけに、自身でも書き始め、その中から今回二十本を選びました。寝る前、出勤前、疲れた時、楽しい時、ふとした休憩のお時間などに気になる作品から読んで頂けるようになっています。日常に潜む、潜んでいるかもしれないファンタジーを楽しんで頂けたら幸いです。

学びたい人も休みたい人も。春の新刊からおススメ本を2冊『SDGsの実践』『自由ネコ』

2019.05.28 Vol.718

『SDGsの実践 〜自治体・地域活性化編〜』  Amazonの「地方自治」「社会と文化」の新着ランキングで1位を獲得した(社会と文化 3月13日調べ)SDGs書籍シリーズの第2弾。2018年9月発売した「SDGsの基礎」に続き、新刊では自治体職員や地域活性に取り組む地域企業の人々を念頭に、持続可能な地域社会の実現に向けてSDGs(持続可能な開発目標)をどのように理解し、取り組めばよいかについて整理し「地方自治体としてSDGsを理解・活用したい」「地域課題を解決する人材を育成したい」といったさまざまな課題に対して解決策を示すことを目指す内容となっている。「自治体SDGsガイドライン」を編集した村上周三氏(建築環境・省エネルギー機構・理事長)をはじめ、地域におけるSDGsの第一人者による共著。地域に根差したSDGsの実践を意識するなら必携の書。
【著者】村上周三(建築環境・省エネルギー機構・理事長)他【編集/発行】事業構想大学院大学 出版部【販売】株式会社宣伝会議【定価】1800円(税別)

たった一人になった。でも、ひとりきりじゃなかった。『ひと』【著者】小野寺史宜

2019.04.29 Vol.717
 全国の書店員が一番売りたい本を選ぶ「本屋大賞」の2019年ノミネート作品。  交通事故で父親を亡くし、女手ひとつで育てられた柏木聖輔。母は学食で働きながら、聖輔を東京の私大に進ませてくれたが、ある日急死したという知らせが入る。20歳で両親を亡くした聖輔は大学を辞め、仕事を探そうと思うが、なかなか積極的に動く気持ちになれない。ある日、商店街を歩いていると、どこからともなくいい匂いが。その匂いに吸い寄せられ立ち止まった1軒の惣菜店。手元の現金は55円。ギリギリ買える50円のコロッケを買おうと思ったが、見知らぬお婆さんにそれを譲る羽目に。  結局、コロッケを譲った事をきっかけに、聖輔はその惣菜店・田野倉で働く事になった。そこから、店主、同僚、仲間、同郷の友人と“ひと”との縁が少しずつつながっていく。ひとりぼっちで、未来に夢も希望も見いだせなかった聖輔だが、人と関りを持つたびに、夢が生まれ、喜びを知り、感謝の気持ちを持つ事ができるようになっていく。時には人に傷つけられる事もあるが、周りには守ってくれる人もいる。天涯孤独でも、貧乏でも、先が見えなくても、大丈夫。人が人とつながる事で、絆が生まれ、その絆から未来が開ける事もあると信じられる気がする。聖輔の成長とともに、その周りにいる人たちの大げさではない無償の行いに、胸がほっこりと温かくなる青春小説。

格闘技雑誌の老舗「ゴング格闘技」が2年の休刊期間を経て奇跡の復刊

2019.04.13 Vol.717

 2019年3月に老舗の格闘技雑誌「ゴング格闘技」が2年の休刊を経て復活した。  出版業界ではよっぽどのことがない限り「廃刊」という言葉は使わない。商標登録や雑誌コードといった細かい問題はここではさておくが、その言葉はその雑誌を再び発行することをギブアップしたことを世間に意思表示することになるからだ。ゆえに多くの場合「休刊」という言葉を使うのだが、復刊する雑誌は少ない。そのまま「事実上の廃刊」という結果となる。  2014年秋に新生K-1が立ち上がり、2015年の年末にRIZINが格闘技界恒例の年末のビッグイベントを再開させると徐々に日本の格闘技界に熱が戻ってきた。  格闘技冬の時代といわれ、ライバル誌が次々と休刊する中、孤軍奮闘を続けていた同誌が2017年3月に休刊となった時は「これだけ大きなイベントが開催されるようになってきたのになぜ?」と業界内に衝撃が走った。どのジャンルもウェブメディアに押され、次々と紙媒体が消えていくご時世ではあったが、「1誌くらいは大丈夫だろう」と思っていた関係者は多かった。  当時、そして現在も編集長を務める松山郷氏は「格闘技の多様な魅力を伝えるのに媒体側も変化する必要があった」と休刊当時を振り返る。その後、松山氏は格闘技関係の書籍の発刊、ゴング格闘技名義でのSNSでの発信を続ける中、虎視眈々と復刊のチャンスを模索。今回の復刊に至った。  松山氏は「ウェブ版の立ち上げと復刊の告知に読者の大きな期待を感じた。ウェブの時事記事と雑誌の深読みを連動させたい」と復刊後の編集方針を語る。  試合結果や会見といった速報はウェブで得る時代だが、その試合の前後の物語はじっくり本で読みたいというファンはまだまだ多い。また専門誌に掲載されることは選手の大きな励みにもなるだけに復刊した同誌への期待は大きい。
「ゴング格闘技」 【発行】アプリスタイル【価格】1200円(税込)

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