立場の違う広報担当者同士の本音トーク 鹿写真家・石井陽子とリトルモア広報が語る「広報力」をアップするには?

2019.10.14 Vol.723
 鹿写真家の石井陽子が、馬喰町のギャラリーKKAGでの写真展「鹿の惑星」(〜9月28日)で、自身の写真集『しかしか』を発行するリトルモアで広報を担当する福桜麻依子とトークイベント「写真家のための広報力アップ戦略会議」を行った。会場には同社の営業や郷土芸能の鹿踊りの踊り手、バス停専門のカメラマンなど多彩な人が集まった。  仕事で奈良に出張した際に撮影したことがきっかけで鹿写真家として活動する石井だが、普段は外資系メーカーの広報。対する福桜は出版社の広報で、その仕事は宣伝費を使い広告を出すのではなく、パブリシティという形で無償で媒体に取り上げてもらうもの。  もともとは演劇を志し、ひょんなことから出版社に入社した福桜は「私はすごく台詞覚えがよかったんですよ(笑)。それがなぜ生きるかというとリリースの内容を覚えていて、たとえば鹿のことはまったく知らなくても、一度石井さんの取材に立ち会って話を聞くと覚えられる」と、意外な能力が広報に役立ったと言及。石井も「広報は専門家ではない言葉で伝わるように話して、メディアに取材してもらうまでが仕事で、その後は黒子だから前に出ない。写真家になって取材されて話す立場にすごく戸惑うんですけど(笑)、自分で話すのは難しいですね」とうなずく。

いつまでも消えないクリームソーダ『空色のクリームソーダRecipe』

2019.09.23 Vol.722

 本から「素敵」さがあふれ出ている。なにせ「空色」で「クリームソーダ」で「旅する喫茶」の店主なのだ。これでときめかない乙女はいるまい、というくらいの「素敵」のロイヤルストレートフラッシュだ。  普段は洋服デザイナーをしている著者。友人と作り始めたクリームソーダをきっかけに、オリジナルのクリームソーダを作っては撮影した写真をSNSに投稿し、現在では旅先でクリームソーダを作って振る舞う一期一会の活動も行っているのだという。  そうしてできた35のクリームソーダをレシピにまとめたのが本書だ。空の色や季節、旅先の思い出などが閉じ込められたクリームソーダは、味わいやそこに込められた物語まで想像させて文字通り「ずっと眺めていたい」気分になる。  食べ物や飲み物というのは作って食べてしまえば跡形もなく消えてなくなってしまい、それがどんな姿や味だったのかはもはや記憶に頼るしかない儚いものだ。著者のクリームソーダには、そうした儚いものをなんとかこの世につなぎとめておきたいという願いが感じられる。  もちろん想像の味を現実にするためにも有効なレシピなのだが、いつまでも消えない記憶のように、繰り返し眺められるクリームソーダがあってもいい。

季節の不調に摂り入れたい『食薬習慣』

2019.09.17 Vol.722
腕利き宣伝マンが猛プッシュ「コレよ、コレ!」

【オススメ書店イベント】『必死すぎるネコ ~前後不覚篇~』刊行記念イベント

2019.09.15 Vol.722
 5万部のベストセラーとなった写真集『必死すぎるネコ』。待望の第2弾『必死すぎるネコ ~前後不覚 篇~』(辰巳出版)の刊行を記念して猫写真家・沖昌之が登場するイベントが2カ月連続で行われる。前作にも増して一生懸命なのになぜかおかしいネコたちをとらえた写真集とともに、著者の人柄にも触れてみよう。

偉人たちの驚愕泥酔エピソード27連発!『人生で大切なことは泥酔に学んだ』

2019.08.30 Vol.721

 見た瞬間に「これは仕方がない」と自分に言い聞かせて本書を手に取った。「泥酔」に覚えがある人間には避けて通れないタイトルだったからだ。  本書は作家、政治家、スポーツ選手、俳優から歴史上の人物まで27人の泥酔エピソードを紹介している。ツケで呑み食いしまくった揚げ句「菊池寛の処に行ってくる」と言い残し、その場に檀一雄を置き去りにした太宰治から始まり、登場人物たちは真剣で素振りするわ、プラットホームから落ちるわ、二階から飛び降りるわ、ビール壜で殴るわ、全裸になるわ、大砲を誤射するわ。それでも金があれば呑む、なくてももちろん呑む、朝から呑む、休みの日も呑む、電車に乗れないといっては呑む。  コンセプトは“偉人の泥酔ぶりから、処世術を学ぼう”とあるけれど、人のことは言えないがなぜこんな思いをしてまで酒を呑むのだろうか。  ところどころ著者の泥酔エピソードも挟み込まれ、日々正体をなくし、眼鏡をなくし、スマートフォンをなくしていることがわかる。  ちなみに筆者は一度だけ著者と酒席を共にしたが、いつの間にかテーブルに頭をゴンゴン打ちつけている愛すべき好男子であった。お互いかなり酔っていたため、なにを話したかは覚えていないが。

カリスマ書店員3人が日比谷でトークイベント“マジ絶望”な世の中を生き抜くヒントとは?〈後篇〉

2019.08.11 Vol.Web Original
 盛岡市のさわや書店を退職し、現在は出版取次会社に勤務する長江貴士が2作目の著書『このままなんとなく、あとウン十年も生きるなんてマジ絶望』(以下、『マジ絶望』)を上梓。刊行を記念したトークイベントが中央区のHMV&BOOKS HIBIYA COTTAGEにて行われた。聞き手は同店店長の花田菜々子と元三省堂書店で現在同店勤務の新井見枝香。Vol.721に掲載しきれなかったエピソードを含め、前篇・後篇に分けてお届けする。

カリスマ書店員3人が日比谷でトークイベント“マジ絶望”な世の中を生き抜くヒントとは?〈前篇〉

2019.08.11 Vol.Web Original
 盛岡市のさわや書店を退職し、現在は出版取次会社に勤務する長江貴士が2作目の著書『このままなんとなく、あとウン十年も生きるなんてマジ絶望』(以下、『マジ絶望』)を上梓。刊行を記念したトークイベントが中央区のHMV&BOOKS HIBIYA COTTAGEにて行われた。聞き手は同店店長の花田菜々子と元三省堂書店で現在同店勤務の新井見枝香。Vol.721に掲載しきれなかったエピソードを含め、前篇・後篇に分けてお届けする。

イケメンって、なにかね?『くさらないイケメン図鑑 現代ニッポン半世紀を彩った265人』

2019.07.12 Vol.720

 前著『産まないことは「逃げ」ですか?』で、妊娠・出産問題を赤裸々に綴り話題を呼んだ著者の最新刊。「週刊新潮」誌にて長年イラストも手掛けるテレビ評「TVふうーん録」を連載する著者の鋭い観察眼で、現代日本を代表するイケメン265人を分類・リスト化し、うち100人をイラスト入りで解説している。  しかし、通常のイケメン図鑑の枠には到底収まらないところが著者の真骨頂。まず表紙からして、各イケメンのパーツを組み合わせたモンタージュイケメンである。美女の顔を集めて平均化したからといって絶世の美女になるわけではないのは割と知られた話だが、このイケメンらしき架空の人物をどう評価すればいいのか。本書への向き合い方を揺さぶられる。  そしてイケメンジャンルも「すっぽこ系」という、およそイケメンを論じようとしているとは思えないカテゴリーからスタート。掟破りではあるが、巻末から読み進めるのが従来のイケメン図鑑ではないのか。  目次を兼用したイケメンリストには、イラストで描ききれなかったイケメンたちをひと言で表現。名前しか分からないイケメンは想像するほかない。制作期間2年半を経て産み落とされた本書は、全力でイケメンとはなにかを問いかけてくる。寄藤文平氏が手掛けた一見の価値ありの装丁は、本書を開いてのお楽しみに。

サラリーマンは辛苦な稼業と来たもんだ『セミ』【著者】ショーン・タン

2019.07.11 Vol.Web Original

 セミ おはなし する。  よい おはなし。  かんたんな おはなし。  ニンゲンにも  わかる おはなし。(帯文より)  どんよりした灰色の壁と床が囲む、まるで要塞のようなオフィス。そこら中に散らばった書類の間隙を縫うように、しわだらけのスーツ姿で一匹の「セミ」が立ち尽くしている。言い知れぬ不穏な気持ちを抑え読み進めると、どうやら彼はある会社で、勤続年数17年を数えるサラリーマンだという。どんなに理不尽な目に遭おうとも、不平不満を言わず真面目にコツコツと、ニンゲンの分まで仕事をこなす。時折「トゥクトゥクトゥク!」と声にならない声をあげながら……。

芸術は爆笑だ!?『永田町絵画館』【著者】福本ヒデ

2019.07.05 Vol.Web Original

 この度は「永田町絵画館」に、ご来場いただきありがとうございます。  当館は、「日本の中心で起きている出来事」を描いた絵画を主に扱っております。(「ごあいさつ」より)  ここは日本の政界を司る「永田町」の名を冠した絵画館。「おや、こんなとこにおかしいね。しかしとにかく何か絵画が見られるんだろう」と、『注文の多い料理店』のような台詞をつぶやきながら、絵画館の白い扉をうやうやしく開けてみる。すると、どこかで見たことのある有名作品がところ狭しと並んでいるではないか。いったいどうやってこんなにたくさんの作品を集めたのだろう。「文句の叫び」や「火に油を注ぐ女」……あれ?

孤独をまとう不思議な鳥『ハシビロコウのすべて』

2019.06.29 Vol.Web Original

 皆さんはハシビロコウという鳥をご存知だろうか。鋭い眼光、哀愁を漂わせる立ち姿、「動かざること山の如し」といった風情で微動だにしない。アフリカに生息し、ペリカン目ハシビロコウ科ハシビロコウ属を単独で構成する大型の鳥である。このハシビロコウが、アニメ「けものフレンズ」で擬人化されるなどした影響か、近年つとに人気を博しているという。上野動物園のスーベニアショップでは、パンダに次ぐ人気グッズとの話もある。

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