新型コロナとインフルエンザ同時流行への備えは? 都医師会に聞いた

 新型コロナウイルス感染拡大「第2波」は全国的に徐々に減少に転じているが、今後「第3波」や季節性インフルエンザとの同時流行が懸念される中、医療機関の対策はどうなっているのだろうか。また、私たち一人ひとりが備えることは? 公益社団法人東京都医師会の角田徹副会長に聞いた。
新型コロナ感染拡大「第3波」やインフルエンザとの同時流行に備えることは?(写真はイメージです)
 「第2波」の流行は7月末にピークを超えたと言われますが、今後「第3波」やインフルエンザとの同時流行が考えられます。都医師会としての対策を教えてください。

角田徹(以下、角田)「改めて医療機関へのかかり方を説明すると、新型コロナウイルス感染症の疑いで受診を希望する人は、まず電話でかかりつけ医に相談してください。かかりつけ医がいない場合は、新型コロナ受診相談窓口か、地域の医師会ホームページから近隣の医療機関を検索して電話してください。受診の必要がある場合は医師の指示に従い、必ずマスク着用と手洗いをしたうえで来院をお願いします。受診が必要だけれどかかりつけ医で診察が困難な場合は、近隣で可能な他院を紹介します。

 医療機関では新型コロナかそれ以外の疾患か、また、現在の状態が重症かどうかを診断します。新型コロナの可能性が高ければ、自院で唾液によるPCR検査を行うかPCRセンターへ紹介します。都内で唾液PCR検査等を行える医療機関は1700件を超えました。必要な検査をして重症と診断された場合は入院医療機関へ紹介し、新型コロナの可能性が低い場合はその他疾患の治療を行います。

 また、文献では3〜4%は新型コロナとインフルエンザの同時感染の可能性があると言われています。インフルエンザを治療して、抗ウイルス薬を投与しても2日間症状の改善がない場合は、新型コロナの疑いがあるので改めてPCR検査を行います。PCR検査の結果が陽性の場合は保健所に届け出て自宅またはホテル療養か入院、陰性の場合はその他疾患の治療を行うという流れになっています。

 現在まで、都内には2万6000人近い陽性者があり、全国の陽性者数のおよそ30%が東京都です。かかりつけ医には、常に新型コロナの患者さんを診察していると意識して、マスクと手洗いをしたうえで通常の診療体制で診察するよう伝えています。休日診療所にも発熱者に通常の医療体制での対応をお願いしています。都医師会では、新型コロナとインフルエンザの発生状況を把握する流行レベルのマップの作成も検討している段階です」

 東京版CDC(疾病対策予防センター)とコロナ専門病院の開設に向けた動きはいかがですか。

角田「東京都では、1日に感染症に特化したCDC(東京 i CDC)を立ち上げました。専門家ボードを設置し、都知事の決定のもとに都の感染症対策を一体的に行えるような取り組みです。コロナ専門病院は、東海大学医学部付属東京病院と旧都立府中療育センター施設の2カ所、それぞれ100床規模の病院で準備を進めています。ただし、今後の流行を考えるともう少し規模の大きな病院を設置してもらいたいですね」
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