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鈴木寛の「2020年への篤行録」 第21回 今こそ中小企業から「バイパス型キャリアアップ」

2015.06.07Vol.644COLUMN
 この原稿が掲載される頃には東京は梅雨に入っている頃でしょうか。学生の就職活動もいよいよ佳境を迎えていますが、就職情報会社の調査では、7月までに実質的な内定を出す企業が6割を超える見通しだそうです。  今年は空前の「売り手市場」とあって、企業側は優秀な人材確保に懸命です。特に中小ベンチャー企業は、大手企業に人材を取られまいと囲い込みに入り、あとで内定を辞退されることも覚悟の上であえて早めに内々定を出す動きが報じられています。先日、経済誌系のウェブメディアの連載で、こういう状況だからこそ中小ベンチャー企業は、たとえば浪人や留年等の累計年数が2年を超えるような学生であっても能力本位で見定めるべき、工夫を凝らした採用戦略を採るべきだと提言させてもらいました。  さて一方の学生のほうはどうでしょうか。一時期、「意識高い系」という言葉がネット上で流行し、起業志向やベンチャー企業を目指すような若者を揶揄する言説もありましたが、昨今の就活市場に目を向けると、知名度もブランドもあり、待遇もいい大手企業が採用枠を増やしてしまえば、学生の大手志向がますます固まっていくのではないでしょうか。今春発表された人気就職ランキングの記事の類を見ていると、上位10社には銀行や証券会社、最大手の旅行会社等が名前を連ねており、よく言えば「堅実」、悪く言えば「安住」志向が変わらないと感じます。  手前味噌ながら、私の歴代の教え子たちは、そうした学生たちとは一線を画して就活に臨んでいました。おかげさまで日本を代表する社会起業家、大手ネット企業の経営陣として活躍し、有名雑誌の特集「日本を元気にする若者100人」で名を連ねるような卒業生も多数います。彼らの中には、卒業前後から学生ベンチャー、スタートアップ、NPOを起業する人もいましたが、マスコミを始めとする大企業に入るにしても将来的にはリーダー型人材として力を発揮するため、戦略的にキャリアアップをしています。  30代でリーダー型人材として活躍する教え子たちの多くは、20代から「非定型業務」つまり決まりきっていない仕事に全力で取り組んでいます。リーダーになる人材は①新しい仕事や仕組みをクリエイトする ②既存の仕組みでパターン認識できないことを判断しなければならない ③リスクマネジメント(想想定外のトラブル等に対応する)——の3点に対応しなければなりません。社会人としての基礎を学んだ上でのことや、クリエイティビティーが必要とされる業界や職種に関してではありますが、20代後半になっても、与えられた仕事(定型業務)をこなすだけでは、マネジメントする側に回る時の素養が身につきません。  私の教え子で大手広告代理店に入社したA君は、当初、地方支社に配属されました。東京の華やかな舞台で活躍する同期に焦りを感じたこともあるようですが、支社長の「かばん持ち」として上に立つ人間の一挙手一投足を、仕事を通じて学び、支社の小さい所帯にあって業務の全体を見通す知見を得ました。早いうちに部下を持つことも人の動かし方、コミュニケーションの術を学ぶ機会にもなりました。その後、着実に実績を積んだ彼は、後年、会社が新規事業の子会社を設立する際、社内公募に合格して同社の社長を30代前半で任されるまでになりました。また別の教え子は中小企業でプロジェクトのマネジャー経験を積んで大手企業に転職。転職先の生え抜きの同世代よりも早く役員に抜擢されるという「バイパス型キャリアアップ」を果たしました。  同世代の多くが人気のある大手企業に目を向けている中、綿密な企業分析・情報分析を行って、あえて逆張りで、有望な中小ベンチャー企業に飛び込み、将来を見据えたキャリアアップをする選択肢もあっていいのではないでしょうか。イノベーションは、型破り、非定型の発想から生まれるのだと思います。 (東大・慶応大教授、文部科学大臣補佐官)

ツルツル素肌は夏の常識! 私たち、今年はムダ毛ケアを自宅でします!

2015.06.07Vol.644未分類
薄着になるこれからの季節、女性にとってムダ毛ケアは深刻な問題。サロンに通う時間もないし、自己流ケアではなかなか綺麗にできないという人も。そんな悩みを解消してくれる商品が誕生。実際に読者がその「レイボーテ スピーディ」を体験した。

AKIRA、小林直己、青柳翔が島根と”縁結び”

2015.06.07Vol.644未分類
 島根県の観光PRプロモーション『ご縁の国しまね』プレス発表会が3日、都内にて行われ、イメージキャラクターに就任したEXILE AKIRA、小林直己(EXILE・三代目 J Soul Brothers)、青柳翔(劇団EXILE)、溝口善兵衛島根県知事が登壇した。  冒頭、溝口知事は「EXILEのみなさんと島根県の間に、どうしてこういうご縁ができたのかといいますと、島根県の隠岐の島に伝わる古典相撲を題材とした映画『渾身 KON-SHIN』という映画が制作されまして、青柳さんが主演を務められました。その映画をご覧になったHIROさんが、隠岐の大ファンになってくださって、そこから不思議なご縁が始まりました」と明かした。  きっかけを作った青柳だけでなく、AKIRAや小林もすっかり島根の魅力にハマっている様子。今回のプロモーションでは、AKIRAが石見地域、小林が出雲地域、青柳が隠岐地域をそれぞれ担当してPRを行う。  隠岐で主演映画の撮影を経験している青柳は「撮影当時、島に長期間滞在したんですが、地元の方が快く撮影に協力してくださって、温かく迎えていただきました」と振り返り、GENERATIONS from EXILE TRIBE がMVを隠岐で撮影した際に「島の人から“EXILEがいま島に来てるの?”というメールが来た」と、今も島の人々との縁が続いていることを明かした。昨年のツアーで石見神楽を取り入れたパフォーマンスを行ったAKIRAは「ダンスは自己表現で踊ることが多いが、舞は人々の幸せを願ったり神様のために踊る。僕たちEXILEもエンターテインメントに携わる者として“舞う集団”になれたらと思いました」と語った。担当する出雲で一人旅を楽しんだという小林は「島根はいろいろな日本文化の発祥の地だということを知って驚きました。歌舞伎や日本酒、和歌といった、多くの日本文化の発祥の地であるので、日本人のルーツを感じることができる場所だと感じた」と語った。  またこの日は、『渾身 KON-SHIN』に続き、島根県出身の錦織良成監督と青柳が再タッグを組み、AKIRA、小林と共演する映画『たたら侍』の制作も改めて紹介。同作は、出雲に伝わる、日本刀の素材となる玉鋼を作る伝統的な製鉄技法“たたら吹き”を題材に、一人の青年の成長を描く時代劇。  青柳は「本当に信頼している監督なので、前作を超える作品を作りたい。今回はHIROさんがプロデュースしていて責任も感じますが、先輩2人の力を借りて、日本が誇れるような作品を目指したいと思います」と意気込みを見せた。  映画『たたら侍』はまもなくクランクイン、公開は2016年の予定。

芸術家の創造意欲をかきたてるもの 星野美智子展

2015.06.07Vol.644ART
 主にモノクロームながら、黒と白の濃淡による表現で、幽玄でイマジネーションあふれるリトグラフを手掛ける版画家・星野美智子の個展。  星野は長年、『伝奇集』『砂の本』などで知られるアルゼンチンの作家、ホルヘ・ルイス・ボルヘスからインスピレーションを得た作品を手掛けてきた。人の深層意識を具現化したような、星野独自の表現世界はボルヘスの作品と見事に共鳴する。  本展では「闇は新しい神話が立ち上がる空間であり、幽明はイメージの創造空間である」というボルヘスの詩にちなんでの新シリーズ『闇の礼賛』を発表。一般的には老いや死といったイメージが浮かぶ“闇”を、ボルヘスはどうとらえ、それに星野はどう共鳴するのか。新シリーズをMフロアで展示する。  また星野はこれまで同ギャラリーの前身・ストライプハウス美術館において、3回にわたり計約300点のボルヘス・シリーズの新作版画を発表しており、今回はそのなかから選んだ代表作も約30点、展示。  星野はボルヘスの夫人であるマリア・コダマとも親交を持っており、会期中の6月13日には夫人を招へいしてのイベント『ボルヘス会15周年記念・迷宮忌の集い』も開催する予定。

芸術家の創造意欲をかきたてるもの 岡本太郎の『樹』

2015.06.07Vol.644ART
 岡本太郎の作品には、頻繁に“樹”が登場する。さまざまな“いのち”を描き続けた太郎だが、中でも“樹”に対して大きな共感を持っており、天に向かって伸び行くその姿に、太郎は生命力のダイナミズムを見ていた。若々しく広がっていくさまに人間のあるべき姿を重ね、人が天と交流する回路であるとも考えていたのだ。単細胞からヒトまでが一本の樹に宿るさまを表した、太陽の塔の胎内に内蔵されている作品『生命の樹』。いきいきと躍動する不思議な生命体『樹人』。こどもの城(青山)のシンボルとして制作された、子供たちの多彩な表情が四方八方に伸びていくさまが印象的な『こどもの樹』。原始の呪力が生々しく投影された『樹霊』。生と死が対峙し戦うさまを描いた絵画作品『石と樹』。  樹というモチーフを使って、太郎は何を表現したかったのか。本展では、樹をモチーフとした作品の数々を紹介。さまざまな太郎の“樹”を見ながら、彼が感じた生命のダイナミズムを感じよう。

舞鶴の夏の食材が味わえるフェア開催

メタボほどお得?!

LA発のコーヒーチェーン日本初上陸

2015.06.07Vol.644未分類
 米国カリフォルニア州ロサンゼルスに本拠を置く米国最古のスペシャルティコーヒーチェーン「The Coffee Bean&Tea Leaf」の日本国内における1号店が東京・日本橋にオープン。同店は直接契約した農園から調達する、主にシングルオリジンの最高級アラビカ種100%のコーヒー豆を、熟練の焙煎工がそれぞれのコーヒー豆に合わせて自社焙煎。  また、ティーも直接契約した農園から、上から2枚のみの“トップ2リーフ”を手積みした高品質茶葉を調達し、自社でブレンドしている。日本初出店にあたり、人気メニューであるカプチーノのラインアップとして、日本人の味覚に合わせた「抹茶カプチーノ」を開発、日本オリジナル限定ドリンクとして発売する。また、フードもすべて日本で開発したオリジナル商品を提供する。

KEYWORDでみるニュース

12万6720人

 新年恒例の一般参賀が1月2日、皇居で行われ、天皇、皇后両陛下や皇太子ご夫妻をはじめとする成年皇族方が宮殿「長和殿」のベランダに計5回立ち、手を振って応えられた。宮内庁によると、平成で最多だった6年(計8回で11万1700人)を上回る12万6720人の参賀者が訪れた。天皇陛下の譲位日が31年4月30日と決まってから初めての新年一般参賀で、国民の関心の高まりが要因とみられる。

39.4%

 平成29年の大みそかに放送された「第68回NHK紅白歌合戦」の第2部(午後9時から11時間45分)の関東地区平均視聴率が39.4%にとどまった。前年と比べて0.8ポイント減。二部制になった平成元年以降では3番目に低い数字。テレビ東京の「第50回!大晦日恒例 年忘れにっぽんの歌」が8.4%と大健闘。民放では日本テレビ系「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで! 大晦日年越しスペシャル!」が17.3%でトップ。

2万2764円

 平成29年最後の取引となる大納会を迎えた12月29日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は2万2764円94銭と、年末の終値としては3年末(2万2983円77銭)以来26年ぶりの高値水準となった。前年末の終値(1万9114円37戦)を3650円57戦(19.1%)上回っており、年間ベースでは6年連続の上昇。昭和53年~平成元年に12年連続で上昇して以来の長さで、バブル経済が崩壊して以降では最長となった。

口座維持手数料

 銀行口座の維持にかかる費用。海外の商業銀行はほぼ全て導入しており、「無料」は日本のみ。三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の3メガバンクが、日銀のマイナス金利政策で利益を出しにくくなったことから、この口座維持手数料を預金者から徴収できるか検討を始めた。平成30年度中にも結論を出すもよう。三井住友銀行子会社のSMBC信託銀行は、米国系シティバンク銀行が日本で手掛けていた個人向け事業を買収したのに伴い、27年から残高が一定額を下回ると、月2000円の口座維持手数料を徴収している。

世田谷一家殺害事件

 東京都世田谷区の住宅で平成12年12月、会社員、宮沢みきおさん=当時(44)=ら一家4人が殺害された事件の発生から昨年の12月30日で丸17年となった。事件は12年12月30日深夜に発生。宮沢さんと妻の泰子さん=当時(41)、長女のにいなちゃん=同(8)、長男の礼君=同(6)=の4人が自宅で殺害された。現場からは多くの遺留品が見つかり、犯人の指紋やDNA型も判明している。殺人事件の時効が廃止されたことから事件の捜査は継続中。情報提供は成城署捜査本部(TEL:03-3482-0110)まで。

オリジナル酵母エキスを新たに配合

2015.06.07Vol.644未分類
 エイジング・スキンケアブランド『F.A.G.E.(エファージュ)』は全7アイテムをリニューアルし、通信販売限定で新発売する。同ブランドは、「老化を、科学する。」をテーマに「セサミンEX」などの健康食品のほか、スキンケアについての研究を重ねているサントリーウエルネスが2010年に発売を開始。サントリーが長年取り組んできた酵母研究の知見を生かし、50代以降の「たるみ」や「くすみ」などが気になる女性に向けて開発した。今回、サントリーが保有する数千種類の酵母の中から選ばれた時間の経過や紫外線に強い醸造用酵母「ラビス」からこだわりの製法で抽出したオリジナル酵母エキスを全アイテムに配合。また、各アイテムの美容成分も見直すことで、より“ふっくら”としたみずみずしい弾力のあるハリ肌へ導いてくれる。

アイドルになりたかった。ただそれだけだったのに。

2015.06.07Vol.644【TOKYO HEADLINEの本棚】
 こんなに女性アイドルグループがいる時代は珍しい。モーニング娘。辺りから大人数の女性アイドルグループが増えてきたが、なんといっても、会いに行けるアイドルとしてAKB48がデビューしたのが現在のアイドル戦国時代を作っているような気がする。なぜなら、テレビの向こうにいるアイドルは、会えないからこそアイドル。普通の女の子が簡単になれないから、あこがれの存在だったのだ。  高校生ぐらいの若い登場人物の描写には定評がある朝井リョウの現代のアイドルを主役にした『武道館』。今のアイドルに課せられた、恋愛禁止、スルースキル、炎上、特典商法、握手会、卒業…など題材に、ただ歌って踊るのが大好きだった女の子が、悩み傷つき、何が一番大切なのかを考え、成長していく様子を描く。  いつかは武道館ライブを目標に活動しているアイドルグループ「NEXT YOU」。そのセンターの杏佳がグループを卒業するとメンバーに打ち明けた。寝耳に水のメンバー真由、碧、波奈、るりか、そして愛子。言葉にならない子、泣きじゃくる子、引き止める子がいる中、その様子を撮影しているカメラのように、レンズを通し冷静に見ている子がいる。この様子ですら、撮影され何かの特典映像かファンサイトのネットへあげられ、商売に使われるのだ。ただアイドルになりたかった。それだけだったのに、人気が出て目標の武道館が近づくにつれ、自分が望むものが分からなくなってくる。アイドル側からアイドルを見つめた意欲作。

ミライを聴く。「Happy Umbrella」シナリオアート

2015.06.07Vol.644CD/MUSIC
 ロックとエレクトロニカ、シューゲイズをポップで包むドラマティックミュージック。公式ウェブサイト上のプロフィルに書かれた説明は見事だ。男女ツインボーカルのスリーピースバンドが放つファーストアルバムを一聴すれば誰もがそう思うはずだ。男女のボーカルの連なりやドリーミーなメロディーラインの楽曲の組み合わせは童話的になってしまいそうなところを、疾走感あふれるギターがきりっと引き締める。そのバランスがとてつもなく心地よいだけでなく、リスナーを彼らの音楽が織りなす世界へ連れて行く。本作は「降り注ぐ悲しみの雨から 幸せの傘であなたを守る」ということを考えて作ったという。

ミライを聴く。「Wonder Future」ASIAN KUNG-FU GENERATION

2015.06.07Vol.644CD/MUSIC
 真っ白なジャケットは手にした人それぞれが自分自身の『Wonder Future』を描くため。アジカンはいろんな形で粋なことをする。ソリッドでシンプルな楽曲&アルバムに込められた熱を感じながら全11曲を聴いていると、描きたい『Wonder Future』がクリアになったりぼやけたり……。頭のなかも考えがぐるぐると巡って真っ白になったり、本作はそんなアルバムだ。  米ロックバンドのフーファイターズのスタジオで制作されたそうで、若さゆえの前のめりではなく、前傾姿勢で前進していく強さを感じる。踊れるロックとは一線を画すロックの王道を示す力強いアルバム。何度でも聞いて味わい尽くし考え尽くしたい作品だ。
今週のひとこと One-Word-Header 一覧へ
日本相撲協会評議員会の池坊保子議長が理事を解任した貴乃花について「上司であり先輩でもある八角理事長が何度も携帯に電話してもまったく応答なく折り返しの電話をしなかった。著しく礼を欠いていたのではないか」(1月4日、臨時評議員会後の記者会見で)
→横綱の格は貴乃花のほうが北勝海より断然上だったけどな。

ミライを聴く。「Wonder Future」ASIAN KUNG-FU GENERATION

2015.06.07Vol.644CD/MUSIC
 真っ白なジャケットは手にした人それぞれが自分自身の『Wonder Future』を描くため。アジカンはいろんな形で粋なことをする。ソリッドでシンプルな楽曲&アルバムに込められた熱を感じながら全11曲を聴いていると、描きたい『Wonder Future』がクリアになったりぼやけたり……。頭のなかも考えがぐるぐると巡って真っ白になったり、本作はそんなアルバムだ。  米ロックバンドのフーファイターズのスタジオで制作されたそうで、若さゆえの前のめりではなく、前傾姿勢で前進していく強さを感じる。踊れるロックとは一線を画すロックの王道を示す力強いアルバム。何度でも聞いて味わい尽くし考え尽くしたい作品だ。

ミライを聴く。「カブラモ!」ASH

2015.06.07Vol.644CD/MUSIC
 北アイルランド出身のスリーピースバンドが放つ最新作。90年代からパワーポップのキラーチューンを多く発表し、現在第一線で活躍する日本のロックバンドにも多大な影響を与えた彼ら。前作から8年のインターバルを経て完成させた本作には、往年のファンをガッツポーズさせ、初めて出会ったリスナーをジャンプさせるメロディックでポップな楽曲が詰まっている。  ファーストシングルで、メンバーが「バンドの最高の状態」という『コクーン』が良い例。この本作までアルバムの概念から離れていたバンド。本作で再びアルバムを念頭に音楽について考えられるようになったという。スペシャルなアルバム、必聴。

ミライを聴く。「ドローンズ 」MUSE

2015.06.07Vol.644CD/MUSIC
 力強く分厚いロックサウンド、そしてそのカリスマ。史上最強のスリーピースと称されて久しい、英ロックバンドの最新作。常に作品の聴き心地やアルバム・楽曲の持つ世界観やメッセージを通じて、思考させ議論させる彼ら。  本作もまた新たな問題提起をする。本作のタイトルは「頼るものもない精神病的な行動を可能にする、比喩的な意味での精神異常者」を示すといい、人類が希望を失い自身を放棄し、ヒューマン・ドローンに追い込むシステムに洗脳されるが、最後にはそこから離反していく、その人類の物語を探求する作品だと説明する。フジロックで来日決定。

ミライを聴く。「空からの力:20周年記念エディション」キング・ギドラ

デンマークの名優が孤高のガンマンに! マッツ・ミケルセン インタビュー

2015.06.07Vol.644映画
 母国デンマークはもちろん、ヨーロッパでもハリウッドでも、その才能を認められている実力派俳優マッツ・ミケルセン。 『007 カジノ・ロワイヤル』では印象的な悪役ル・シッフルを演じてダニエル・クレイグの向こうを張る存在感を放ち、『偽りなき者』では第86回カンヌ国際映画祭主演男優賞を受賞。さらに最近では、ハリウッドのテレビドラマシリーズ『ハンニバル』で、あの“レクター博士”を演じ、注目を集めている。そんな彼の最新主演作『悪党に粛清を』はすべての映画ファンの心を酔わせる王道かつ磨き抜かれた西部劇。ミケルセンは、妻子の命を無残に奪った悪党たちに1人立ち向かう元兵士・ジョンを演じる。 「ジョンはとても寡黙な男です。でもセリフが少なくても感情を表現できるのが映画の醍醐味だと思う。広大な大地にポツンと人が映っているという映像でも、心情を伝えることができる。西部劇というのはまさに、映像で語るジャンルではないかな。日本の映画にも通じるものがありますよね。特に黒澤映画などでは20分もセリフが無いシーンもあるからね」  それにしてもカンヌの主演男優賞後、本作で西部劇の寡黙なガンマンを、テレビシリーズで有名な猟奇殺人鬼を演じるというチョイスは、なかなかユニーク。 「確かにそうですね(笑)。でも戦略があるわけではないんですよ。欧州のファンを獲得したいならシネフィル系作品に出るだろうし、アメリカのファンにアピールしたければロマコメに出るだろうけど(笑)。僕にはそういうのはなくて、やってみたいと思った作品に出演しているだけなんです。もちろん今回の西部劇も本当に楽しみました。拷問されるシーンは辛かったけど(笑)。誰もが愛する西部劇の醍醐味がつまった作品なので楽しんでください」

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