日菜太がアラゾフへの挑戦権獲得 椿原がkrush王者破る【12・27 K-1】

日菜太の左ミドルが炸裂(撮影・小黒冴夏)

「K-1 SURVIVAL WARS」(12月27日、東京・後楽園ホール)のメーンで「K-1 WORLD GP スーパー・ウェルター級次期挑戦者決定戦」が行われた。日菜太が廣野祐を2ー0の判定で破り、来年3月の「K’FESTA.1」でチンギス・アラゾフに挑戦することとなった。

 試合は左のミドル、ローといった蹴り技を得意とする日菜太と、ローから接近してパンチを放ちたい廣野の2人の中で激しい主導権争いが繰り広げられる。

 1R、日菜太は左のロー、ミドル、ハイ。そしてストレートと手数で上回る。廣野も右ローからパンチで前に出るが、日菜太のローは止まらない。2Rも日菜太のローが冴え渡るが、廣野は距離を潰すべく前へ。右のパンチが日菜太をとらえる場面もあったが、距離が詰まってしまいブレイクがかかり連打でたたみ掛けることができない。しかし接近してのパンチで日菜太にダメージを与えていく。

 ジャッジが微妙なラウンドが続くなか迎えた最終ラウンド。日菜太は変わらず左のキックで攻め立てるが、廣野はこれまで以上に強烈なプレッシャーをかけ前に出る。日菜太はプッシングで距離を作ってはキックを放つが廣野は下がらない。ラウンド終盤は日菜太もパンチで応戦。左アッパーが廣野をとらえるが、廣野も左のフックを返しところでゴング。

 判定は1人が29-29としたが、残る2人が30-29、30-28の2-0で日菜太が勝利を収めた。

 判定後、廣野は日菜太の右手を挙げ勝利を称えた。

 日菜太は「来年3月には“K-1チャンピオンの日菜太です”と言えるように死ぬほど努力します。僕の最後の挑戦を見にきてください」とアラゾフ戦の勝利を誓った。

 試合後の会見では「倒すことができなかったのは反省するポイント。ジャッジは割れたが僕の中ではフルマークで完封したつもりだった。ジャッジが割れたのは僕の攻撃が説得力がなかったということなのかと思うので、もっと誰が見てもフルマークというような試合、KOが一番いいんですけど、そういう試合をすれば良かったんじゃないかと思います」と試合を振り返った。そして「次のタイトルマッチがラストチャンスかもしれないし、そこで俺のキック人生が終わってしまうかもしれないけど、唯一取ってないのがK-1のベルト。それに向けて最大の努力をしたい」と話した。

椿原は判定が出るや雄叫びを上げる(撮影・小黒冴夏)

 第6試合にはKrushの10月大会で小澤海斗を破り、19歳にして−58kg王者となった西京春馬が登場。

 2015年のK-1甲子園決勝で破った椿原龍矢と対戦し、2-0の判定で敗れた。

 試合は西京の攻撃に椿原がカウンターを合わせる展開に。椿原はカウンターから連打につなげるなど、互角の展開ながらジャッジに好印象を与える。
判定は29-29、30-29、30-29の2-0で椿原がK-1甲子園のリベンジを果たした。
 
 椿原は5月のKHAOSではK-1甲子園で1勝1敗だった軍司泰斗にも勝利を収めている。軍司は9月にKrush−53kg王者となった。王者クラスに連勝した椿原、2018年はK-1、Krushで台風の目となりそうだ。

軍司(右)が右ストレート(撮影・小黒冴夏)

 第5試合にはKrush−53kg王者の軍司泰斗が大岩翔大と対戦し、3-0の判定で勝利を収めた。

 1R、軍司は打ち合いからガードのすき間から右ストレートを叩き込みダウンを奪う。立ち上がった大岩に軍司は連打で畳み掛け、最後は右ストレートで2度目のダウンを奪う。

 大の字にダウンした大岩だが立ち上がるとファイティングポーズを取る前から軍司に向かっていくド根性を見せる。2Rも軍司の猛攻が続く。ガードを固めしのいだ大岩は「来い」とアピールしパンチの連打で前に出る。軍司も応じて打ち合うが、ここで大岩のひざ蹴りがローブローとなり中断。再開後も軍司の攻撃の手は緩まず、試合は完全に軍司のもの。3Rも序盤は軍司が攻め込むが、大岩が左フックをクリーンヒットさせるとロープに詰めて連打を見舞いあわやの場面を作る。しかし軍司はそこをしのいで試合は判定に。初回の2つのダウンがモノを言い軍司が30-27、29-26、30-26の3-0で勝利を収めた。

村越(右)の右ストレートに芦澤の顔がゆがむ(撮影・小黒冴夏)

 第4試合にはK-1初参戦となる村越優汰と芦澤竜誠が対戦。村越が2-0の判定でK-1初陣を飾った。

 村越は第5代RISEバンタム級王者。その初戦にK-1が用意したのは今年、KHAOSで頭角を現した芦澤。

 1R、芦澤は“ペガサスの核弾頭”の異名通りの積極的な攻撃を見せる。しかし村越は2Rに入るとカウンターで右フックを当てると徐々にペースを握る。強烈な左ミドルに左フックで芦澤を下がらせる。村越のヒザをボディーに食らい追い込まれた芦澤だが、意地でもダウンはしない。3Rも村越は開始早々のカウンターの右フックを皮切りに面白いようにカウンターを決めていく。後がない芦澤はカウンターを食らいながらもとにかく前へ。村越をコーナーに詰め連打を放ち会場を沸かすが、村越は決してクリーンヒットを許さず、ここでもカウンターを当て続けた。

 判定は1人が29-29をつけたが、残る2人が30-29で村越が勝利を収めた。

 村越は試合後のマイクで「しっかり自分の強さを見せるために倒して勝つつもりだったが、狙いすぎて情けない判定になった。次はしっかり倒せるところを見せたい」と話した。