【平昌オリンピック開幕】寒い!北朝鮮問題で危ない!ロシアが出るとか出ないとか…でも…始まっちゃえば結局盛り上がる!

ソチに続いての金メダルに期待がかかる羽生だが、ケガの回復具合が気になる(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

 平昌オリンピックが2月9日に開幕した。昨年からの北朝鮮のミサイル問題で安全面が不安視されたことからフランスが選手の派遣の見送りを示唆するなど、一時はヨーロッパ各国で参加を懸念する声も上がったが、直前になって北朝鮮が選手を派遣することに合意し、安全面は一応担保された。

 また当地からは最低気温が−23度というニュースも伝わり、ボランティアのボイコット騒動も勃発するなど運営面でも不安の声があがった。しかし開幕日が来れば何があっても始まるのがオリンピックで、始まってしまえば盛り上がるのがオリンピック。特に日本では…。

 今大会の日本は多くのメダルの獲得が予想されている。

 中でも注目を集めるのが男子フィギュアスケートの羽生結弦。

 羽生は昨年11月のNHK杯の前日練習で「右足関節外側靱帯損傷」のケガを負い、NHK杯を欠場。グランプリ(GP)ファイナル出場を逃し、12月の全日本選手権出場を目指したがケガの回復に手間取り、こちらも欠場。当初はすぐに練習を再開できると思われていたのだが、結局本格的に氷上練習を始めたのが1月上旬に入ってから。つい最近の話だ。そんなわけで、9日から始まる団体戦には出場せず、16日からの個人戦のみの出場となる見込み。

日本選手団の主将も務める小平奈緒。今度こそは金メダルを!(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 スピードスケート女子もメダルが有望視されている。小平奈緒は500mで昨季からW杯で15連勝中。1000mも4戦3勝で現世界記録保持者と2つの種目で金メダルが期待されている。

 またバンクーバーでは日本のスピードスケート史上最年少の15歳、中学3年生で五輪に出場した高木美帆も1000m、1500m、そして姉・菜那とともに出場する女子チームパシュートでもメダルの期待が高まっている。

 フィギュアスケート、スノーボードといった競技で10代の若い選手の活躍が頼もしいが、どっこいベテランも負けてはいない。40代の中年の希望の星ともいえるのが男子ジャンプの葛西紀明。現在45歳の葛西は今回、日本人選手で単独最多となる8回目の五輪出場。これまでの記録は現参議院議員の橋本聖子氏の7回。しかし橋本氏はスピードスケートと自転車という夏冬での記録。冬だけで8回という葛西の記録は前代未聞、空前絶後の記録なのだ。そしてなによりすごいのが、いまだにメダルを狙える実力をキープし続けているということ。とはいえ、葛西もいつまでも飛び続けられるわけもない。メダルへの期待はもちろんだが、いつ現役を退くかもしれないという刹那感も含め、葛西のジャンプは見逃し厳禁だ。

実に8度目の五輪となる葛西紀明(写真:ロイター/アフロ)

 フィギュア、ジャンプ、スピードスケートといった競技と比べると派手さはないものの、真のウィンタースポーツファンなら見逃せないのが複合。今大会に出場する渡部暁斗はソチ五輪のノーマルヒルで銀メダル、W杯でも上位の常連で、今回こそは金メダルを狙う。

 氷上のチェストもいえるカーリングも楽しみ。日本の女子は本橋麻里を中心とした「L S北見」が出場。2010年のチーム創設以来、着々と実績をあげ、2016年の世界選手権では準優勝。今回は十分メダルの狙える位置にいる。男子は長野五輪以来、20年ぶり2度目の出場。つまり初めて実力で勝ち取った出場権。世界の列強相手にどこまで戦えるのか。歴史の一歩を刻む戦いとなる。