世界初のジョージ・ルーカス アワードに輝いたのは? 国際短編映画祭『SSFF & ASIA 2018』グランプリ発表

 国際短編映画祭『ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(SSFF & ASIA)2018』のアワードセレモニーが17日、都内にて行われ、グランプリ「ジョージ・ルーカス アワード」にシンガポールのイーウェイ・チャイ監督作『カトンプールでの最後の日』が輝いた。

 今年で20周年を迎える、米国アカデミー賞公認、アジア最大級の国際短編映画祭。オフィシャルコンペティションのグランプリは次年度の米国アカデミー賞短編部門ノミネート選考対象となる。さらに今年から「ジョージ・ルーカス アワード」と称することになり、世界で初めて巨匠ルーカスの名を冠するアワードとしてその行方にも注目が集まっていた。

 グランプリは、オフィシャルコンペティションのインターナショナル部門、アジア インターナショナル部門、ジャパン部門の各優秀賞受賞作から選出。初のジョージ・ルーカス アワードに輝いたのは、少年の性の目覚めを描いた、アジア インターナショナル部門優秀賞受賞作『カトンプールでの最後の日』だった。「ありがとう東京! ありがとうSSFF & ASIA! スタッフたちにも、ここに来ることができなかった家族にも、ここにいらっしゃる皆さんにも…」と感激と感謝の気持ちをあふれさせるチャイ監督。「とにかく圧倒されてしまって…」と言葉を詰まらせながらも「私の国(シンガポール)ではセンシティブなテーマなんですが、最後までこの作品の力を信じてついてきてくれた人たちに感謝しています」と、受賞の喜びを語った。

 アワードには、千葉真一、本仮屋ユイカ、三池崇史、中川翔子、菊川怜ら各部門の審査員をはじめ、森崎ウィンや小池百合子東京都知事ら、各界の著名人が多数登場。さらに、セレモニーの最後に、来年開催に向けた女性応援プロジェクト「Ladies for Cinema Project」が発表され、参加する女優の木村佳乃が登壇。「日本の映画の現場でも、まだまだ女性クルーが少ないと感じていました。どんな才能と出会うことができるか、とてもワクワクしています」と意気込みを語った。

『SSFF & ASIA 2018』は6月24日まで開催中。一部イベントを除き上映は無料で鑑賞できる。

【SSFF & ASIA 2018主な受賞結果】
ジョージ・ルーカス アワード:イーウェイ・チャイ監督『カトンプールでの最後の日』
インターナショナル部門優秀賞:アンドレーア・ブルーザ監督/マルコ・スコトゥッツィ監督『不思議なヤギ』
ジャパン部門優秀賞/東京都知事賞:小原正至監督『THE ANCESTOR』
アジアインターナショナル部門優秀賞/東京都知事賞:イーウェイ・チャイ監督『カトンプールでの最後の日』
Cinematic Tokyo 部門:洞内広樹監督『東京彗星』
ひかりTVアワード:倉田健次監督『ノヴェラ ピカレスカ』
学生部門supported by フェローズ:金賢奎監督『COCKROACH』
VR SHORTS優秀賞:クレモン・レオタール、フィリップ・コラン監督『Kinoscope』
LEXUS VR FILM AWARD:エマニュエル・ヴォーン=リー、アダム・ロフトン監督『Sanctuaries of Silence』
CGアニメーション部門:ジャンナ・ベクマンベトヴァ監督『コトリのさえずり』
ノンフィクション部門supported by ヤフー株式会社:ラベー・ドスキー監督『Meryem』