「猫しか見てない」「猫しかほめない」柴咲コウ、立川志の輔が動物写真家・岩合光昭監督にクレーム!?

 映画『ねことじいちゃん』写真展のレセプションが8日、日本橋三越本店にて行われ、女優の柴咲コウ、岩合光昭監督、猫のベーコンが登壇した。

 同作は累計発行部数35万部を超える大人気コミックを、動物写真家・岩合光昭が初めてメガホンを取り実写映画化した作品。のどかな島を舞台に、70歳の大吉と猫のタマの日常を描く。大吉役には落語家の立川志の輔。共演は柴咲コウ、小林薫、田中裕子ら。

 オーディションで100匹以上の候補猫から選ばれたというタマ役のベーコン。イベントの冒頭にはベーコンによる“くす玉開き”が行われることになっていたが、ベーコンがなかなかくす玉のヒモにじゃれてくれず、柴咲と岩合監督も大苦戦。トレーナーの協力を得てベーコンにヒモを抑えてもらい、ようやくくす玉開きが成功。岩合監督も「ベーコンは役者としては本当に素晴らしい猫なんです。今日はちょっと緊張していたんじゃないですかね」と苦笑した。

「小さいころから猫が好きだったので、タイトルに“ねこ”とついた作品、しかも岩合さんの初監督作品ということで二つ返事で役を受けさせていただきました」という柴咲。ところが岩合監督は「最初のシーンで柴咲さんから“監督、猫しか見ていなかったですね”とお叱りを受けまして(笑)。私のことも見て、と」と明かし反省しきり。柴咲は「私のことというより、人間の芝居も見てくださいね、と(笑)。図星だったということですか?」と茶目っ気たっぷりに追及していた。

 岩合監督はそんな柴咲の現場での姿勢を絶賛。「猫といるときの表情が本当に柔和で、大河ドラマの直虎を演じた人とは思えないくらい優しい顔をする」と監督が語ると「直虎も優しい人なんですよ(笑)」と柴咲。さらに、スタッフが他の猫たちにかかりきりになっている間、柴咲が待機している猫たちのトイレを率先して変えていたというエピソードを明かし「柴咲さんは撮影現場で猫のことを考えていた人ナンバー1だと思います」と感服。柴咲は「猫たちにはこちらの都合で待機してもらっているので、そういうことで少しは気が晴れるかな、と思って」と答え「ずっと猫セラピーを受けているような気持ちで島暮らしをさせてもらいました」と、笑顔を見せた。

「猫の素晴らしいシーンは全部使ってしまったので、いわゆるディレクターズカットを作ることはできないと思います」と胸を張った監督。猫の動きにアドリブを入れながら演じた役者たちにも感銘を受けたと語ったが「ベーコンが食卓のものに手を出してそれを師匠がアドリブで受けてくれ、素晴らしいシーンが撮れた。カットをかけた後に僕は“おまえ、よくやったね”とベーコンを抱いてほめたんですが、先日、志の輔師匠が高座で“岩合監督は猫しかほめなかった”と…。師匠も抱けばよかったかな(笑)」と初監督を振り返った。

 岩合光昭写真展「ねことじいちゃん」は9日から21日まで日本橋三越本店にて開催。映画『ねことじいちゃん』は2月22日より全国公開。