5年でダニ・カビの温床に!?意外と知らない枕の衛生状態

 毎日ジメジメ、むしむしした気候が続く高温多湿な日本の夏。そうした梅雨の時期から夏にかけては、ダニやカビが繁殖する条件が揃っている。書籍『スタンフォード式 最高の睡眠』の西野精治教授が、“脳(頭)を冷やし、質の高い睡眠を”をコンセプトに開発した枕「ブレインスリープピロー」を販売する株式会社ブレインスリープの調査で、ダニやカビに関する衝撃の実態が浮かび上がったという。同社の道端孝助代表取締役に聞いた。
株式会社ブレインスリープの道端孝助代表取締役(撮影:上岸卓史)
 ダニ、カビとも気温20〜30℃、湿度60〜80%以上が最も繁殖しやすい条件だと言われています。国立感染症研究所のダイヤモンドプリンセス号の船内環境調査では、浴室内トイレ床に次いで多くのコロナウイルスが枕から検出されたという結果も明らかになりました。枕は私たちが考えているよりも汚れているのでしょうか。

道端孝助(以下、道端)「新型コロナウイルスの影響で衛生意識が高まっている今、改めて枕の衛生状態について調べてみようということになりました。私どもが全国1万人超を対象に行った『日本の睡眠偏差値』調査によると、40%以上の方が5年以上同じ枕を使用しているという結果でした。そこでお客様が過去に使用していた枕を回収させてもらい、外部の検査機関に依頼して調査したのです。すると、使用年数が経つにつれてダニやカビが増えていることと、一般的に枕の中材として使用される羽毛素材ではダニが、低反発枕などに使用されるポリウレタン素材ではカビが繁殖しやすい傾向が分かりました。

 具体的にはポリウレタンでは6万株以上のカビが、羽毛では2万匹以上のダニと10万株以上のカビが検出されています。ある程度の予想はしていましたが、こうした実態は私どもも初めて知りました。生きているダニとその糞や死骸、カビの胞子などは皮膚疾患や喘息、アレルギーの原因ともなります。また、ダニやカビと同様にウイルスも枕に付着している可能性があるとすると、衛生的な状態を保った清潔な枕を使用することをもっと啓発しなければならないと感じましたね」
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