ジャーナリストの堀潤氏が語る「睡眠と健康」。寝具もエビデンスにこだわりたい

 2020年以降の日本に必要なモノ、コトを作り出す芽を見つけイノベーションを起こす場の構築を目指す内閣府認証事業「BEYOND 2020 NEXT FORUM」では、これまでさまざまなテーマを掲げ有識者と意見交換を行ってきた。そのテーマの一つである「次世代ライフサイエンス」の中から「睡眠と健康」について、BEYOND 2020 NEXT FORUMボードメンバーでもあるジャーナリスト・堀潤氏に話を聞いた。(聞き手・一木広治=BEYOND 2020 NEXT FORUM代表幹事)

 

新型コロナ禍での体調管理は?

 ――「『BEYOND 2020 NEXT FORUM』はいくつかテーマを掲げてやってきていますが、今回は『次世代ライフサイエンス』というテーマでお話をうかがってみたいと思っています。まず新型コロナ禍での体調管理はどうされていましたか?」

 堀「これまで取材で毎日のようにあちこち飛び回っていてほとんど休みがなかったので、休みが取れたのは良かったんですが、逆に今度はずっと同じ場所に居続けたり、食事もしっかりとるようになって、体力もあり余っているから睡眠をとらずに仕事の時間が増えてしまったりしました。トータルでみるとバランスを崩したように思います。なので体重も増えるし、いろいろな意味で嫌でした(笑)」
 
 ――「僕はオンラインとかリモートが増えたので、体調の管理には気を付けるようになりました。相当歩きましたよ。会食も減ったので、社会人になって以来と同じくらいの体調に戻り、良くなりました」

 堀「僕は全く逆です。オンラインで取材も発信もできることになったので、一日のスケジュールで空いているところにいろいろものを詰め込んでしまいました。コロナ禍で国際状況も非常に不安定になったので、いきなり大きなクーデターが起きたり、飢餓が進んだりとかしました。オンラインだと24時間、取材もできてしまう。アジアが昼の時間帯にアジアの人のインタビューを取って、こちらが夜でアフリカが昼の時間帯にアフリカの人の取材をするとか。移動をするということは移動時間に休息が取れたりします。海外出張だったら行き帰りの飛行機の中ではさすがに睡眠が取れていた。なのでこのコロナ禍は割とずっと稼働していたなと思います」

堀潤氏とBEYOND 2020 NEXT FORUM代表幹事の一木広治

医学的エビデンスから生まれた“脳が眠る枕”

 ――「なるほど。今回はそんな体調管理がずさんになってしまった堀さんに、紹介したいものがあるんですよ。『BEYOND 2020 NEXT FORUM』にはいろいろなメンバーがいるんですが、そのメンバーからさまざまな情報をもらいました。それでいろいろ試しているんですが、スタンフォード大学で眠りについて研究されている西野精治先生という方と知り合う機会がありました。 西野先生は睡眠の質といったものを研究されていて、2017年にはそれに関する本を出されています。僕も眠りって自然なことだからあまり厳密に考えたことはなかったんですが、本を読むと睡眠の種類とか睡眠の質といったこと、そしてどうしたら健康になるのかということが書かれていました。その西野先生が開発した枕、これをぜひ今日は紹介させてほしくて、巷では“脳が眠る枕”なんて言われていましてね。ブレインスリープピローという商品なんですが、脳までしっかり眠れて、しかも使えば使うほど自分の頭の形にフィットして、さらには100%再生素材でできているらしいんです」

 堀「脳まで眠るって言う表現は、質の良い睡眠がとれるってことですよね? しかも頭の形状を記憶してフィットするなんて新しいですね。 僕も構造を見たんですが、透明な麵のようなものが重なり合っていて、説明してくださる方が“春雨枕って言われているんですよ”って言っていて“確かに”と思いました(笑)」

 ――「学術的に検証されているというのがポイントですし、SDGsの時代に100%再生素材。丸洗いもできるので、忙しい人でも枕を洗うことができるという優れものです」

 堀「簡単に洗えるのって確かにうれしいかも。僕はもともと喘息持ちでそばがらの枕なんかはちょっと好ましくないんですよ。 中にプラスチックのペレットみたいなものが入っている枕を長らく使っていたんですが、最近、ペレットって再生可能な素材である一方で石油精製製品でもあったりするので、もう少し持続可能なものがあればいいなと思っていたんです」

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