「もう?」パリ五輪開幕まであと2カ月 ギリギリで勝つからこそ盛り上がる

「第33回夏季オリンピック競技大会(パリ2024)」が7月26日から8月11日までの17日間にわたって、フランス・パリを中心に開催される。期間中は32競技329種目が行われる。

「あれ? もうオリンピック?」と思う人も多いだろう。なにせ一つ前の「東京2020」が新型コロナウイルスの世界的な蔓延で1年延期となり、2021年に開催。そこからまだ3年しか経っていないのだから…。

 その分タイトとなったスケジュールの中、各種目で日本人選手たちは順調に出場権を獲得。本番での活躍に向け、期待は高まる一方だ。果たして日本人選手たちはどれだけの活躍を見せてくれるのか!?

「2024 AFC U-23アジアカップ」で優勝を果たし歓喜のU-23日本代表(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

サッカー男子は56年ぶりのメダルを狙う

 圧倒的な強さを見せる選手や常勝チームが危なげなく勝ってメダルを獲る。それはそれでその競技に精通しているファンには面白いのかもしれない。しかしメダルを獲れるか獲れないかのギリギリの戦いをものにしての勝利は、大きな熱を呼び、それまでその競技に興味がなかった人をも振り向かせる。

 今回、サッカーは男女ともメダルの期待がかかる。

 男子はカタールで行われたパリ五輪アジア最終予選を兼ねた「U-23(23歳以下)アジア・カップ」で出場権を獲得した。5月3日に行われた決勝でウズベキスタンを破り優勝を果たしたことから五輪ではグループステージはD組となり、パラグアイ、マリ、イスラエルと決勝トーナメント進出を争う。

 U-23アジア杯は開催が1月から4月開幕にずれこんだことから久保建英、鈴木彩艶といった一部の海外組の選手を招集できない中での優勝。グループリーグから苦しい戦いを重ねる中でチームは大きく成長。五輪本番では今回招集できなかった選手たちに加え、3人まで認められるオーバーエイジ(OA)枠もある。ここで大岩剛監督の描く理想のチーム作りができればメキシコ以来、56年ぶりのメダル獲得は一気に近づくことになる。

 なでしこジャパン(日本女子代表)は2月に2大会連続6回目のオリンピック出場を決めた。日本はグループCでスペイン、ナイジェリア、ブラジルと対戦する。スペインは2023年女子W杯の優勝チーム、ブラジルとは昨年12月にサンパウロで行われた国際親善試合で1勝1敗と、一筋縄ではいかないグループとなった。またアメリカ、カナダ、ブラジル、日本の4カ国の参加で4月に行われた「2024 SheBelieves Cup」では初戦でアメリカに敗れ、3位決定戦ではブラジルにPK戦で敗れるなど、本番を前に暗雲が漂っている。日本は2012年ロンドンでは準優勝しており、当然それを上回る結果が目標。本番まで3試合ある国際親善試合でチーム、個人ともにどこまで状態を上げられるかが勝負の分かれ目となる。

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