体操 宮田笙子『新たな一歩』【アフロスポーツ プロの瞬撮】

 スポーツ専門フォトグラファーチーム『アフロスポーツ』のプロカメラマンが撮影した一瞬の世界を、本人が解説、紹介するコラム「アフロスポーツの『フォトインパクト』」。他では見られないスポーツの一面をお届けします。

(左)宮田笙子、(右)岡村真 撮影/文章:西村尚己(2025年7月24日~26日 ライン・ルール2025 FISUワールドユニバーシティゲームズ)
7月16日から27日までの12日間、ドイツのライン=ルール地方で夏季ワールドユニバーシティゲームズ(旧ユニバーシアード)が開催された。この大会は2年に一度開かれる、学生を対象とした国際総合大会で、“学生のオリンピック”とも称されている。
今大会には、日本代表としてパリ五輪のメダリストを含む18競技・約250名が参加。世界中から集まった同世代のアスリートたちと熱戦を繰り広げた。
 
大会期間中、私は多くの日本代表選手たちをカメラに収めたが、なかでも強く印象に残ったのが、女子体操の宮田笙子だ。競技にかける並々ならぬ情熱が、ファインダー越しにもひしひしと伝わってきたからだ。宮田といえば、昨年夏のパリ五輪を目前に控えながら、行動規範違反により日本代表を辞退した出来事が思い起こされる。
あれから一年。
舞台こそ違えど、日本代表として国際大会に臨んだ今大会。
宮田にとっては、特別な想いがあったはずだ。体操と真摯に向き合い、あの大きな挫折を乗り越えて懸命に立ち上がろうとする姿を目の当たりにし、私は深く心を打たれた。
そして宮田は、圧巻の演技を披露。
女子団体、個人総合、種目別(跳馬・ゆか)で金メダルを獲得し、見事に4冠を達成した。
ドイツの地で、宮田は“新たな一歩”を、静かに、しかし力強く踏み出した。
 
 
■カメラマンプロフィール
撮影:西村尚己
 
1969年、兵庫県生まれ。大阪大学大学院工学研究科修了。
人間味あふれるアスリートの姿に魅せられ、学生時代にスポーツ写真の世界と出会う。
大学卒業後は、国土交通省に勤務しながらアマチュアカメラマンとして活動するも
どうしてもプロの世界で挑戦したいという想いが募り、2016年にアフロスポーツに転職。
現在は国内外のスポーツを精力的に撮影し、人間の情熱や鼓動、匂いなど五感で感じとれる作品づくりに励む。
 
2007年 APAアワード写真作品部門 奨励賞
2013年、2015年 写真新世紀 佳作 ほか
 
★インスタグラム★
アフロスポーツ

1997年、現代表フォトグラファーである青木紘二のもと「クリエイティブなフォトグラファーチーム」をコンセプトに結成。1998年長野オリンピックでは大会組織委員会のオフィシャルフォトチーム、以降もJOC公式記録の撮影を担当。
各ジャンルに特化した個性的なスポーツフォトグラファーが在籍し、国内外、数々の競技を撮影。放送局や出版社・WEBなど多くの報道媒体にクオリティの高い写真を提供し、スポーツ報道、写真文化の発展に貢献している。

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