成宮寛貴、東出昌大らの『サド侯爵夫人』8日開幕! 12年ぶりの舞台の成宮「生々しく演じられたら」

写真前列左から、東出昌大、成宮寛貴、加藤雅也。後列左から、首藤康之、三浦涼介、大鶴佐助、宮本亞門

ーー 明日8日は初日。今の気持ちを。

成宮寛貴:ゲネプロをなんとか終えて、明日からお客さんが入って、この劇場でお芝居ができることを本当に楽しみにしています。台詞には、三島さんがこういう思いを伝えたかったんだろうなっていう思いが込められているので、ちょっとでも甘えて自分のやりやすいようにしたりすると立体的にならないというか、いい形になっていかない。本番が始まるとリズムができあがっていってしまうと思うので、そのリズムをなるべく作らずに、生々しく演じられたらいいなと思っています。

東出昌大:稀代の天才、三島由紀夫が書いた戯曲。6人の登場人物の台詞の応酬だけで構成されていて、役者にとっては腕が試されます。作品として大成すれば演劇史の金字塔に並ぶことができ得る作品になると思うので、明日から幕が開くんですけれども、考え続け、役者同士で高め合って、これが現代演劇の最高峰か!って思っていただけるような、実(じつ)のあるお芝居をしたいなと思います。

三浦涼介:
亞門さんとお仕事をさせていただける日がいつか来るといいなと思っていたので、よし絶対やろう!っていう思いで稽古場に入れたので、(稽古期間は)前向きに過ごさせていただきました。明日初日ですが、日々役と向き合い、追求し、亞門さんのご指導のもと、精一杯演じて参りたいと思います。

大鶴佐助:1カ月に及ぶ緊張感のある稽古をしてきたので、初日を迎えられることをとてもうれしく思うのと同時にお客さんにこの作品がどう映るのかとても気になります。役者それぞれが慣れずに新鮮味を持って、毎日新しいステージを重ねることが課題と話していたので、その新鮮味を感じながら千秋楽までやっていきたいと思います。

首藤康之:僕もこの曲が大好きで、お芝居に関われることをうれしく思っています。1 日 1日大切に、ちょっと長丁場ですけど、1 つずつ毎日精一杯務めていきたいと思っております。

加藤雅也:(演じている)モントルイユ夫人というのは本当に難しい……こういう仕事を受けてしまったという思いの中、毎日モントルイユ夫人のように戦っております。これからも戦っていかなければならない日々が続きますが、お客様に喜んでいただけるように全力でやっていきたいと思っています。

とにかく最後までやり切るということは絶対的な目標。本来ならば初日に完成させて……という話なんですけど、千秋楽に向かってできるだけ早い段階でこのモントルイユを完成させるように、まだまだ努力を続けていく気持ちです。

ーー 成宮さんと東出さんは初共演。お互いの印象や刺激を受けたことは?

成宮寛貴:東出君は最初に「僕、心配性なので」って言って、稽古初日からほぼほぼセリフが完璧でした!自分自身の考えをしっかり持っていて、どこか動物的、ちっちゃな動物的なところもあったり……とても大きいんだけど。とても優しいし素敵な方だと思います。

東出昌大:成宮さんの印象は柔和な方。裏に入ってみたらもっと柔らかい人で、成宮さんが居るところは必ず明るくなる。朗らかな、日向ぼっこというか、そういう暖かさ、太陽の黄色い光の暖かさみたいなのがある方という印象です。僕はもっともっと芝居の中でも絡みたかったんですけれども、一瞬すれ違うだけ。楽屋からモニターで姿を拝見しておりますが、毎日楽しいです。

ーー 成宮さんは12年ぶりの舞台。稽古で苦労したこと、大変だったことはありますか?

成宮寛貴:三島さんの台詞は、一つひとつ大切にしてしゃべっていかないと立体的にならないというか、相手にしっかり伝わっていかないので、そこを大切にして大きな声で伝えていくという本当に基本的なことなんですけども、そこが僕にとっては1番難しかったかなと思います。あとは解釈の仕方。いろんな形で試してやってきたんですけど、肉体的な脱皮、精神的な脱皮、そして次の世界に向けて進んでいくっていう姿が自分自身とはまって、この方向性なのかなっていうのが見えたような気がします。

ーー宮本さんとは2度目の舞台になるが。

成宮寛貴:亞門さんとは24 年ぶりにお仕事させてもらっています。舞台は12年ぶりということもあって、いろいろなことを思い出しながらやらせてもらっています。亞門さんの求めているところまで到達してないことがたくさんあって、ご迷惑もいっぱいおかけしてるんですけども、亞門さんは分かりやすい言葉で演出してくださるので、僕自身は本当に毎日毎日こうやったらいいのかな、ああやったらいいのかなって楽しみながらやらせてもらいました。

サド公爵夫人のキャラクターは言葉に力強さがあって、どういう立場で、どういうところに住んでいて、どんな経験をしたのかによって、受け取り方が違う作品になると思います。僕自身も毎日違うところに引っかかりを感じたり、発見もたくさんあるので、その発見をご指導いただきながらやってきました。

宮本亞門:『サド侯爵夫人』は深い。深すぎる! 最後の展開も含めて、こんなこと言ったら失礼かもしれないけれど、『サド侯爵夫人』を本当に分かる人いるのか?って気がします。こう解釈しようと思っても、実はこっちだとか、一言一言を紐解くパズルのような面白さもあるんです。

『金閣寺』の溝口と同じで、お客さんにスパーンと投げかけて、ご自身でお考えくださいという形。一体この結末はどういう意味なんだろう?どうしてここにあるんだろうというところを、みんなとよく話し合いながら作ってきました。深くて、謎深くて、自分たちの生き方までが変わってしまうような深さを持った戯曲。その深さを存分に楽しみながら、僕たちはもう少し稽古して初日を迎えられればと思っています。