THE RAMPAGE 浦川翔平、ガトーショコラで新しいチョコレート世界の扉を開く〈BUZZらないとイヤー! 第116回〉

手前から奥に、《生》の〈苺の生ガトーショコラ〉、《ソフト》バレンタイン限定の〈苺ガトーショコラ〉、《ベイクド》の〈フルーティ〉

 次に《ソフト》の〈苺ガトーショコラ〉でペアリング。バレンタイン限定のガトーショコラで、生地には苺のジャムが練りこんであり断面はマーブル風、その上下はマダガスカルのフルーティなカカオ豆を使ったチョコレートクッキー生地。外側はホワイトチョコレートでコーティングし、苺で飾っています。使っている苺は女峰、80年代後半から90年代前半ごろには関東エリアではよく食べられていた少しレトロな品種で、甘味が強い最近の品種に比べると酸味は強めですが、甘みと酸味のバランスがいい品種です。

「ホワイトチョコレートの甘さと苺の甘酸っぱさ……いろいろな美味しさが波になってくるのがいいですね。苺もダイレクトにバコン!苺!じゃなくて、みんなで一緒に歩いてくる感じ。ホワイトチョコレートや苺のマーブル生地、下のブラックな“マダガスカルさん”の部分、食べるほどに味わいにも食感にも変化があって楽しい……っていいながら、あ、マダガスカルさんサイドだけを全部食べちゃいましたね。作り手の方は、いろいろな部分を一緒に味わってほしいと思ってるだろうに……」

「みんなで一緒に歩いてくる感じ」……独特な表現に磨きがかかる

 ぺアリングは、カカオパルプというカカオの果実の中でカカオ豆(種子)を包むように守ってる果肉の部分を使って醸造したオリジナルクラフトビール「カカオパルプエール」。ペアリングには味わいの相乗効果を狙った組み合わせもありますが、同じチョコレート由来といった共通の原料で!というのもペアリングのやり方のひとつなんです。

 翔平さんは「……カカオ“三部”を使ったビールですね」と笑うと、グラスを手にとるとゴクリ。天王洲にある「T.Y.HARBOR Brewery」とコラボレーションして作ったと聞いて、少し表情が変わった翔平さんは、瓶に手を伸ばしてラベルもチェックします。「確かに、フルーティで、ライチとか、南国系……このトロピカルな感じは、カカオパルプもそうなのかもだけど、酵母とかホップかな」。昨年、クラフトビールを作った人のコメントです。

カカオパルプエールでペアリング!…泡がこんもりで……

 ガトーショコラと芋焼酎にビール。自然とおしゃべりが進みます。話題はなぜチョコレート専門店の「Minimal」さんが、新しい挑戦として選んだのがガトーショコラだったのかということ。チョコレートを使ったお菓子って他にもいろいろありますが……。

「味わいの幅が広がる、ペアリングの幅が広がりましたね。コーヒーとかお茶、お酒って。板チョコでも相性が悪いわけじゃないんですけど、チョコレートがカカオ豆と砂糖だけであるのに対して、小麦粉だったり他のものが加わることで、広がりが出ますね。それに、火入れとか製法の部分でも変化を出せるし……だから、ペアリングもお店ができた時からしてるんですよ。今日みたいにお客さんとお話しながら、このお酒もペアリングにいいかもよ!なんてヒントをもらうこともあって。そうやってね、新しいチョコレートの楽しみ方を、ガトーショコラを通して、提案していきたいですよね」

 話題は大和桜を作る酒蔵の様子、月に2回開催されているという夜間の営業の話、ビールの話、そして長崎といえばの自転車の話題まで。話は弾みまくりました。

 閑話休題。再びペアリングに。

  最後は、《生》カテゴリー〈苺の生ガトーショコラ〉。ガーナ産のカカオを使ったチョコレート色の生地、上部には女峰の苺ジャムをたっぷり。中にはブランド卵「宝玉卵」を使ったカスタードが入っています。ちなみに、お店では、《ベイクド》《ソフト》《生》というカテゴリ分けを分かりやすくするために《生》としているそうで、火が入った生タイプのガトーショコラだそうです。

 フォークを入れて口に運ぶと翔平さんは「ジャムがもう……ジャムだあ」。季節もののガトーショコラで昨年も販売したそうですが、今年は昨年の1.6倍の苺を使っているんだそう。またジャムは“2度乗せ”。まず焼く前に乗せて、焼いた後にも乗せているそうです。火が入ったジャム、フレッシュなジャム、違う味わいで深みが出ます。

「ジャムがもう……ジャムだあ」

 ビールは京都醸造のホワイトIPA「冬の気まぐれ」を合わせました。「白ビールが好きでいろいろ飲むんですけど、フルーティで、スッと抜けて、IPAだけど白ビールのいいところも取ってる……そこが、このガトーショコラと合ってますね」と絶賛です。

 最後は、力武さんが「ストロベリーライクだから」と丁寧に入れてくれたエチオピア産の浅煎りの豆でいれたコーヒーを合わせて、しめくくり。「このコーヒーもすごいな……今ね、苺が神輿のようにもちあげられてますよ、わっしょい!わっしょい!って。最初はチョコレートの部分が賑やかなんですけど、コーヒーを飲むと苺が王様になる。苺の輪郭がぐわっと出てきますね……苺がめちゃ引き立ちますね……」

 ゆっくりとコーヒーを味わいながら、「……うまいなあ。このガトーショコラ、どのくらい持ちますか?」

 お買い上げ? それでは最後にまとめとまいりますか?