今、世界で最も活躍する写真家の一人であるダヤニータ・シンの、日本の美術館では初となる個展。
1961年にインド・ニューデリーに生まれたダヤニータ・シンは、国内のデザイン大学を経てニューヨークでドキュメンタリー写真を学び、欧米雑誌のカメラマンとしてキャリアをスタートさせた。しかし徐々に、外国人が望むエキゾチックで混沌とした貧しいインドのステレオタイプなイメージに疑問を持ち、1990年代後半にフォトジャーナリストを辞め、アーティストとしての活動を開始する。
さまざまな風景をとらえる彼女の作品は一見、日常的でありながらつい引き込まれる物語性をはらんでおり、ドキュメンタリーとフィクション、夢と現実、不在と実在がない交ぜとなったユニークな世界を展開。詩的な美しさを持ち合わせる一方で、現代社会におけるさまざまな問題も示唆されている。近年は〈インドの大きな家の美術館〉と名付け、作品全体を移動式の“美術館”として展示するスタイルを考案した。
本展では、初期の代表作から転機となった〈セント・ア・レター〉を展示する他、最新作を含めた彼女の“美術館”を日本初公開する。