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メゾン・デ・ミュゼ・ド・フランス企画展示 映画『ブリューゲルの動く絵』公開連動企画「AからZで紐解くブリューゲルの人生」

2011.12.19 Vol.535

銀座メゾン・デ・ミュゼ・ド・フランス 開催中〜2012年1月17日(火)

 現在渋谷ユーロスペース他にて公開中の映画『ブリューゲルの動く絵』(配給:ユーロスペース、ブロードメディア スタジオ)との連動企画として、16世紀フランドルの巨匠、ピーテル・ブリューゲルの魅力に迫るアート展を開催。フランス国立美術館連合(RMN)発行の絵本に基づき、AからZまでのアルファベットでブリューゲルの人生を紐解くというユニークな企画だ。

 映画のモチーフともなっている、ウィーン美術史美術館が所蔵する「十字架を担うキリスト」は、作品保護ののためにオーストリア国外へ出る事のない名作として知られている。本展では、それらをはじめとする代表作の数々を原寸で出力し、より実物に近い状態で鑑賞することができる。

 映画は、まるでブリューゲルの作品世界に入り込んだような映像体験ができる斬新なアートムービーとして日本でも大絶賛。展覧会と映画を合わせて楽しめば、より深くブリューゲルの秘密に迫ることができるかも。

【時間】11〜19時 【休】日・祝日、年末年始 【料金】入場料無料 【問い合わせ】03-3574-2380 【交通】地下鉄 銀座駅A2出口より徒歩5分 【URL】http://www.museesdefrance.org/top.html


オノ・ヨーコ 展 灯 あかり

2011.12.12 Vol.534

小山登美夫ギャラリー 開催中〜2012年1月28日(土)

 1950年代、ニューヨークの前衛活動の中心的存在となったオノ・ヨーコは、1960年代以降、世界中で展覧会やパフォーマンスを行い、アートシーンの展開に大きく貢献してきた。その創造的活動への原動力には、一貫して「平和と自由への祈り」 というテーマがある。今年7月、オノ・ヨーコは「美術の分野で人類の平和に貢献した作家」として第8回ヒロシマ賞を受賞。受賞記念展を広島市現代美術館で開催した。個展のタイトルは“希望への路”。そこには、広島と長崎の被爆からの復興、そして今、日本が直面している被災からの復興への強いメッセージが込められた。

 本展では「灯 あかり」と題して、観客が巨大な迷路の中を歩き、暗闇を抜けた先に光を見つける作品《灯への道》など、震災を受けた日本に明かりをもたらすような作品の数々を展示する。

 社会の規範や固定された価値観へ疑問を投げかけ、そして特に社会が変化を迫られる時に、人々それぞれの想像力に働きかけることで未来への力を与えてきたオノ・ヨーコの作品。本展でも、彼女のメッセージが見る者の心に明りを灯してくれるに違いない。

【時間】12〜19時 【休】日月祝 【料金】入場無料 【問い合わせ】03-3642-4090 【交通】地下鉄 清澄白河駅より徒歩7分 小山登美夫ギャラリー 7F, 6F 【URL】http://www.tomiokoyamagallery.com


滑川由夏 – A Place of Innocence

2011.12.05 Vol.533

アートフロントギャラリー 12月6日(火)〜12月25日(日)

 素朴ながら表情のある人物表現で知られている滑川由夏。顔のパーツのない人物がお辞儀をしていたりしゃがみこんでいたり、ごく普通の日常の動作をしている姿がなぜかユーモラスな作品を制作していた。その滑川が近年、使うようになったのが半透明などの樹脂キューブという素材。立体の粒で平面的な人物がいる風景などを描いたり、キューブを積み重ねて建物を思わせるような作品を作る。その1つが、2010年に制作された「I had my whole life ahead of me」。建物の外郭のように、キューブが積み重ねられているが、周囲には粒がちらばり、中央には空洞が残る。今の我々がまず浮かべるのは、あの震災で目にした光景だが、この作品が作られたのは昨年のこと。色のない、光が透けるキューブで作り出された、不完全な空間。そこから感じるのは、空虚さでも、懐かしさでも、解放でも、希望に満ちた可能性でもいいのだ。

【時間】11〜19時 【休】月曜 【料金】入場無料 【問い合わせ】03-3476-4869 【交通】東急東横線 代官山駅より徒歩5分 【URL】http://www.artfront.co.jp/


重森三玲 ― 北斗七星の庭 展

2011.11.28 Vol.532

ワタリウム美術館 12月4日(日)〜2012年3月25日(日)

 日本庭園研究の第一人者であり、さまざまな名庭を残した作庭家でもある重森三玲に焦点を当て、彼が求めた日本の美意識の真髄に迫る。

 10代から茶道や華道に親しんだ重森三玲が、本格的な作庭に取り組んだのは40代に入ってからだったという。36歳のとき、約2年半という驚異的なスピードで400庭以上の古庭園の実測を行い、日本庭園史を一気に体系化。その後、京都の東福寺方丈庭園を皮切りに、生涯に約200あまりの庭をデザインしている。

 本展では、近代の作庭家として最も重要かつ最もアヴァンギャルドな存在といわれる重森三玲の庭を、さまざまな角度から検証。会場内に、東福寺本坊の庭園「北斗七星の庭」と「小市松の庭」の一部原寸模型を展示。他、重森がデザインを手掛けたインテリアや、「日本庭園史図鑑」にまとめられた実測図面の一部なども紹介する。

【時間】11〜19時(毎週水曜は21時まで) 【休】月曜(12/5、12、19、26と1/9は開館)12/13〜1/3は休館 【料金】大人1000円 学生800円(会期中何度でも入場できるパスポート制チケット) 【問い合わせ】03-3402-3001 【交通】地下鉄 外苑前駅より徒歩8分 【URL】http://www.watarium.co.jp/


ディエゴ・シン Table for one.

2011.11.14 Vol.531

小山登美夫ギャラリー東京 7F 開催中〜11月30日(水)

 マイアミを拠点に活動するアーティスト、ディエゴ・シンの個展。小山登美夫ギャラリーでの個展は、2007年に開催された「The Indirect Man」に続き、2回目となる。

 ディエゴ・シンはアルゼンチンに生まれ、ケネディー大学で社会コミュニケーション学を学んだ後、同大学院美術科を修了。2003年から04年にかけて、マイアミのMiami Light Projectにてキュレーターとして活動し、Visual Arts Programをディレクションした経験を持つ。現在もマイアミを中心に個展・グループ展を開き、そのアートシーンで存在感を放っている。

 今回の個展について、ディエゴ・シンは“一人で外食をする時、携帯で誰かと話をするふりをしてしまう”ことについてのテキストを寄せている。社会コミュニケーション学を学んだ経験を持つだけに、孤独の不安についてを語っているのかと思えば、そういうわけでもないらしい。レストランで自分自身と会話して、一人で部屋に帰宅した画家が、選んだ答えとは。それを見る時、鑑賞者もまた頭の中で自分にダイアルすべきなのかもしれない。

【時間】12〜19時 【休】日月祝 【料金】入場無料 【問い合わせ】03-3642-4090 【交通】地下鉄 清澄白河駅より徒歩7分 【URL】http://www.tomiokoyamagallery.com/


“Ach,so!?=あっ、そう!?”2011 Part 2

2011.11.07 Vol.530

マキイマサルファインアーツ 11月11日(金)〜22日(火)

 日独交流150周年にあたる今年、日・独の作家を紹介する交流展を開催。展覧会のタイトルとなっている「Ach so あっ、そう」は、実はドイツ語と日本語の類似語。日本語では、それまで知らなかった何かに驚いた時などに「あっ、そう!」と言うが、ドイツ語でも、期せずして新しい知識を得た時に「Ach so!」と言う。日本とドイツ、まったく異なる文化を持つ2つの国で、奇しくも同じ表現が使われているのだ。そんな「Ach so あっ、そう」をキーワードにした展覧会。10月28日から11月8日まで開催されていたパート1に続き、11日からはパート2がスタート。出展作家は古池潤也、トルステン・パトリシュ・ブルッフら。

 未知の表現方法に出会い、これまでしたことのない経験や感動を体験できるコンテンポラリーアート。日独アートの新たな出会いで、たくさんの「あっ、そう!」を見つけることができるはず。

【時間】11〜19時(最終日は17時まで・金曜は20時まで) 【休】会期中無休 【料金】入場無料 【問い合わせ】03-3865-2211 【交通】JR総武線浅草橋駅 東口より徒歩2分 【URL】http://www.makiimasaru.com/


「Miya Ando’elements’」

2011.10.31 Vol.529

ギャラリー・ショウ・コンテンポリー・アート 開催中〜11月26日(土)

 刀鍛冶・安藤正勝の子孫という出自を持ち、鋼鉄を素材に制作を続けるMiya Ando(美夜・安藤)の個展。

 日本とロシアの血を引き、住職であった祖父を通して仏教に触れながら、北カリフォルニアで育ったMiya。彼女の持つ2つのルーツは、その作品の根底にも大きな影響を与えてきた。UC Berkeleyを経てイェール大学院に進み東南アジア仏教図像学修士課程で哲学と東洋美術を学んだMiyaは、より深く仏教的哲学を作品に反映させることとなる。いつしかMiyaの中で交わった2つのルーツは、鋼鉄という素材を通して、静かで深遠な空間を提示する作品を生み出していく。

 本展では“儚さ”についての思考をベースに、“elements”=土、水、空、火に触発された作品を発表。鋼鉄作品のインスタレーションによって瞑想的なスペースを作る。自然の脅威を目の当たりにした今、Miyaがかたどった静寂の中で、すべてのものの儚さ、そして儚いゆえの強さと美しさ、愛おしさを、感じることができるかもしれない。

【時間】11〜19時(土曜は17時まで) 【休】日祝 【料金】入場無料 【問い合わせ】03-3275-1008 【交通】JR 東京駅 八重洲口より徒歩1分 【URL】http://www.g-sho.com/


TARO LOVE 展 ~岡本太郎と14人の遺伝子~

2011.10.24 Vol.528

西武渋谷店 A館7F特設会場 10月25日(火)〜11月6日(日)

 岡本太郎生誕100年記念事業「TARO 100祭」の一環として開催される、岡本太郎へのオマージュ展。作品は西武渋谷店内のパブリックスペースなどに設置されており、来場者はマップを持って、店内に配置された14人のアーティストの作品を見て回るというユニークな形の展覧会。作品はさまざまな場所に設置されており、それぞれ店内空間と合致したインスタレーションとして楽しむことができるようになっているのも面白い。日本各地に点在する岡本太郎のパブリックアートのように、作品を探し、見て、考えて、何かを発見してもらいたい、パワーをもらって元気になってもらいたい、という趣旨で企画されたもの。参加するのは、会田誠、青山悟ら岡本太郎の遺伝子を受け継ぐ14人の作家たち。次世代アーティストたちの作品に、しっかりと引き継がれた岡本太郎のアートミーム(芸術遺伝子)を感じてみよう。

【時間】10〜20時(入場は閉場の30分前まで) 【休】会期中無休 【料金】500円 (A館7F特設会場のみ。特設会場以外に展示されている作品は店舗営業時間に鑑賞可能)高校生以下無料 【問い合わせ】西武渋谷店 03-3462-0111(大代表) 【交通】渋谷駅すぐ 【URL】http://www.artmeetslife.jp/


五月女ケイ子 開運展2011

2011.10.10 Vol.527

ラップネットシップ 10月21日(金)〜11月3日(木・祝)

 ゆる〜いのにインパクト満点のイラストで人気を博している五月女ケイ子が、3年10カ月ぶりとなる個展を開催。イラストレーター、コラムニスト、舞台女優など多彩な活動を繰り広げ、最近では、昔ばなしのパロディーの絵本「バカ昔ばなし」も話題に。

 そんな五月女は、2010年に長女を出産。あっという間に1歳数カ月になり、ようやく少し落ち着いてきたので、満を持しての展覧会開催となったとか。出産→開運ということで、展覧会開催が決定した今年初めの時点で『開運展』というタイトルが決定していたが、その後東日本大震災が発生。五月女は、自分の表現活動が少しでも“人々の幸せ”につながることができれば…と、新たなアイデアも盛り込んでの開催となった。

 展覧会では、開運をテーマとした新作絵画を発表するほか、チャリティーTシャツや開運グッズなども新しく作り、収益の一部を被災地に寄付する予定。さらに、写経ならぬ「写パカ」体験コーナーやイベントも計画中とのこと。笑う門には福来る!

【時間】12〜20時(最終日は18時まで) 【休】会期中無休 【料金】入場無料 【問い合わせ】03-5411-3330 【交通】地下鉄 明治神宮前駅 5番出口より徒歩2分 【URL】http://www.lapnet.jp


岡田好永人形展 phantom leaf

2011.10.03 Vol.526

ストライプハウスギャラリー 10月4日(火)〜15日(土)

 独創的な作品で知られる、人形作家・岡田好永の個展。

 その作品は“人形”というイメージの枠を超え、深いテーマ性を感じる立体作品として、鑑賞できるものが多い。今回、展覧会タイトルにもなっている『phantom leaf』は、高さ130センチ、幅70センチという大型のオブジェ。ユーモラスにのびる枝からは、不思議な葉や実が実り、愛らしい鳥がとまっている。一見童話的な世界が広がるが、気がつけばその実は、乳房や唇にも似て…。使われているのは、桐塑(とうそ)、布、針金という、創作人形でよく使用される素材。イメージにとらわれずさままざまな表現を持つ岡田にとって“人形”の形は無限。岡田の作品は、その形が人であれ、動物であれ、不思議な植物であれ、ひそかに息づいているのをはっきり感じることができるのだ。

【時間】11時〜18時30分 【休】日祝 【料金】入場無料 【問い合わせ】03-3405-8108 【交通】地下鉄六本木駅3番出口より徒歩4分。 【URL】http://striped-house.com


高松次郎 言葉ともの ―純化とトートロジー

2011.09.26 Vol.525

NADiff a/p/a/r/t 開催中〜10月30日(日)

 1960年代前半から日本現代美術を牽引してきた高松次郎(1936−98)に再び着目する展覧会。伝説的アート集団・ハイレッドセンターのメンバーとして前衛的な芸術活動により話題を集めた高松は、その一方で彼自身の文章・不在論とリンクする「影」シリーズなどで高い評価を得た。その後の思考を深めていった高松は1968年ごろを境にして、造形することの構造の分析、表象作業の解体へと進んでいく。没後15年を迎えて開催される本展では、高松のドローイング作品(60年代後半〜70年代前半)や複合体(写真作品のマルティプル、再制作)を展示。合わせて、この度刊行された光田由里著「高松次郎 言葉ともの」を紹介し、高松次郎の思考のありかを伝えながら、高松と会ったことのない世代の方たちが彼の仕事から何を受け取り得るかを探ってゆく。

【時間】12〜20時 【休】月曜(月曜が祝日の場合は翌日休み) 【料金】入場無料 【問い合わせ】03-3446-4977 【交通】JR 恵比寿駅から徒歩6分 【URL】http://www.nadiff.com


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