SearchSearch

写真の”スタイル”が共感を呼ぶ ブルース・オズボーン 写真展 ブルース・オズボーンと親子写真〜2014年『親子の日』に出会った親子〜

2014.08.31 Vol.625

 1980年代から、日本の親子を撮りつづけてきた写真家ブルース・オズボーン。毎年7月第4日曜日の“親子の日”に、100組の親子をスタジオに招待して撮影するイベントを続けており、本展では、2014年7月27日の“親子の日”に撮影した100組の親子写真を展示する。

 1980年に来日して以来、日本を拠点に活動を続ける彼のライフワークとなったのが、親子の写真。パンクの青年とその親を映した、ユーモラスで温かな作品などで話題を集め、2003年にはオズボーンの呼びかけで7月第4日曜日を“親子の日”とし、親子で向き合いコミュニケーションする1日にしようというソーシャルアクションをスタート。以来、有名人から一般の親子まで、さまざまな親子の一瞬をとらえてきた。“親子の日”10周年特別企画として製作を続けて来た映画『OYAKO』も今年完成し、各地で上映会を実施している。最も基本的で普遍的関係にして、同じものは1つとしてない親子の絆。普段はあまり意識していない家族への思いを、改めて思い起こさせてくれるはず。

写真の”スタイル”が共感を呼ぶ 『THE PORTRAITS』刊行記念 MEKURU presents HIROSHI NOMURA EXHIBITION『THE PORTRAITS』

2014.08.30 Vol.625

 昨年9月に52歳で急逝した写真家・野村浩司の、近年手掛けたポートレイトを収めた写真集『THE PORTRAITS』が一周忌に合わせ刊行されることを記念して、写真展を開催。貴重なオリジナルプリントの数々で、野村浩司のオリジナリティーあふれる世界を堪能できる。

 野村浩司は大阪芸術大学卒業後、フリーランスとして活動を開始。音楽雑誌の撮影を行ううちにアーティストから指名されるようになり、数多くのジャケット写真や雑誌、広告を手掛けてきた。なかでも知られているのがCDジャケット。サザンオールスターズやMr.Children、GLAY、スガシカオ、木村カエラ、Perfume、Superflyなど野村が手掛けたジャケットは600枚を超える。

 彼の作品は、一目見て野村浩司の作品だと分かるほどユニーク。おとぎの国に紛れ込んだような非現実な世界観、毒々しいまでのポップさ、ヴィヴィッドな色彩…まるで夢の中で見た世界が写真になって現れたよう。あふれ出る遊び心とユーモア、気持ちよさと気持ち悪さの絶妙なバランスは野村作品の真髄。会場では、写真集の先行販売も実施する他、展覧会オリジナルグッズも販売。

世界的に旬な海外作家に注目! JR展 8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Gallery 

2014.08.17 Vol.624

 パリとニューヨークを拠点に活動する注目のフランス人アーティスト・JRの展覧会。国際的な展覧会で高い評価を得、昨年はワタリウム美術館で個展を開催し、日本でも注目を集めたアーティスト。

 17歳ごろから屋外の建物などに写真を張る表現を始めたJRは、世界各地で弾圧や貧困、差別のもとで暮らす人々を撮影した巨大な写真を、現地の人たちと壁に張る活動を展開。2012年には、彼が世界的に行う『インサイドアウト・プロジェクト』の一環として、ポートレート撮影用のカメラと大型プリンターを装備した専用トラックで東北の被災地を巡回し、人々を撮影して街中に展示する活動を行った。世界中のストリートを誰もが鑑賞できる“美術館”に変えることによって、地域の問題を世界に提示し、新たなコミュニケーションを生み出していくJR。そこには多くの“気づき”がある。

 本展では、そんなJRのリトグラフ版画を展示。中にはデヴィッド・リンチとのコラボレーション作品もあり、プロジェクト作品とはまた違うJRのアートに親しむことができる展覧会となっている。

世界的に旬な海外作家に注目!レアンドロ・エルリッヒ展−Fragments of Illusion−

2014.08.17 Vol.624

 2000年にホイットニー・ビエンナーレでデビューして以来、国際的な注目を集め続ける作家、レアンドロ・エルリッヒの個展。

 日本では、金沢21世紀美術館に常設されている『スイミング・プール』で知っている人も多いはず。上から見ると水中をのぞいているような、下から見ると水上を見ているような、不思議な感覚を味わえるこの作品は、美術館の常設展示作品の中でも人気が高い。現在、同美術館で日本初個展を開催中のエルリッヒ。本展では、そんな彼の作品に、東京で出会うことができる。2006年の越後妻有アートトリエンナーレに出品した『妻有の家』や、越後妻有里山現代美術館[キナーレ]常設作品『トンネル』など、空間を使った大型の作品のイメージが強いエルリッヒ作品だが、今回の展覧会では、新作も含め、これまでとはまったく別の視点で作られた小さな作品を展示。作品の魅力をよりコンパクトに凝縮した、パーソナルなスタイルで展開する予定。ファンにとっても注目の機会となるはず。世代を超えて誰もが想像力を刺激される、不思議ながらも親しみやすいエルリッヒの世界を楽しんでみては。

リアルに、緻密に。画力に圧倒されるおすすめアート展

2014.08.02 Vol.623

Bunkamura25周年特別企画 だまし絵II 進化するだまし絵
Bunkamuraザ・ミュージアム 8月9日(土)〜10月5日(日)

 美術の歴史において、古くから親しまれてきたジャンル“だまし絵”のアートを堪能できるおススメの展覧会。

 2009年に開催された『だまし絵』展の続編となる本展では、多岐にわたり進化していく現代美術の展開にフィーチャー。古典的傑作を展示するプロローグに始まり、4つの手法ごとに合計5つに分けた構成で、現代の新しいだまし絵の数々を紹介。その進化する魅力に迫る。

 古典的作品では、ある絵の中に別の像を潜ませる“ダブル・イメージ”の傑作、アルチンボルドの『司書』も登場。実在の博学な人物を茶かし、その姿を積み重ねた本で表現したユーモア満点の作品だ。

 現代からは、“書き割り”の要領でリアルなアンプを表現したカズ・オオシロの『フェンダー・デラックス・リヴァーブ・アンプ2』や、鏡に映ると実像を結ぶ福田繁雄の『アンダーグランド・ピアノ』など、国内外の作品によりいろいろな“だまし絵”テクニックを楽しむことができる。

【時間】10〜19時(金土は21時まで。入館は閉館の30分前まで)【休】9/8のみ休館【料金】一般1500円、大学生1000円、中小生700円【問い合わせ】03-5770-8600(ハローダイヤル)【交通】JR、地下鉄他渋谷駅ハチ公口より徒歩7分【URL】http://www.damashie2.com

巨匠たちの根源に迫る!「岡本太郎の目玉」

2014.07.19 Vol.622

 巨匠・岡本太郎の“眼”をモチーフとした作品約50点が一堂に集結! 1996年に岡本太郎が84歳で亡くなるまで岡本太郎のアトリエ兼住居だった岡本太郎記念館。その存在が息づく空間で“岡本太郎の目玉”が命のパワーを放つ。

 静物や富士山を描かず、“いのち”を描き続けた岡本太郎。それゆえ、彼の多くの作品には顔がある。ことに晩年は顔、それも“眼”ばかりを描いていたという。それらの作品は荒っぽく未完成で、代表作とは言えないようなものばかり。一体なぜ、芸術家人生の総仕上げのときに、太郎は子供のような絵を描き続けたのか。そしてそれはなぜ“眼”でなければならなかったのか。

 本展では、目玉の作品で壁を埋め尽くし“眼”の発するパワーを体感できる空間も演出。岡本太郎が、宇宙と合体する穴としてとらえた“眼”に囲まれ、見つめられ、見つめ合いながら、命を描き続けた巨匠の思いに近づいてみては。

巨匠たちの根源に迫る!
「特別展 ガウディ×井上雄彦 −シンクロする創造の源泉−」

2014.07.19 Vol.622

 スペインを代表する建築家、アントニ・ガウディと日本を代表する漫画家・井上雄彦、それぞれ唯一無二の魅力を放つ2人によるコラボが実現!

 1882年の着工以来、今もなお建築中のサグラダ・ファミリアをはじめ、数々の独創的な作品で知られるガウディ。『SLAM DUNK』『バガボンド』などの人気作品を手掛け、近年は屏風絵など漫画の枠にとどまらない活動を行う井上。海外でもその作品の評価は高く、昨年には日本スペイン交流400周年の親善大使にも任命されている。そんな井上が、巨匠ガウディの偉業、そして人物像に独自のアプローチで迫る。

 本展では、ガウディの専門機関の監修のもと、自筆のスケッチや図面、大型の建築模型やガウディがデザインした家具など、貴重な資料約100点を紹介する。さらに、実際にバルセロナに滞在しインスピレーションを受けた井上が、描き下ろし作品約40点でガウディ・ワールドを展開。異色のコラボが生み出す化学反応を通して、両者の新たな魅力に出会えるはず。

若い感性とアートで触れ合う 絵画の在りか The Way of Painting

2014.07.06 Vol.621

 今注目の若手ペインター24人の近作、新作を中心に約120点を一挙紹介する展覧会。

 現代美術において、尽きることのない表現の可能性を秘めたジャンルである“絵画”。日本でも毎年、数多くの若手ペインターが排出されている。アニメやマンガなどのサブカルチャー表現や、氾濫するイメージが取り巻く現代においても、絵画という“古くて新しい”ジャンルに真摯に向き合いながら、独自の表現を模索するペインターも少なくない。

 本展では、2000年以降に活躍する24名の近作、新作合わせて約120点を一堂に展示。現代絵画の最新の動向を紹介するとともに、今日において絵画表現が持つ意味や本質を探る。また、会期中は出展作家たちによるアーティストトークも開催。トークで明かされる、絵画に込めた彼らの思いに迫る。

 現代絵画をテーマにした展覧会は意外と少なく、本展は、日本の若手ペインターの才能に触れつつ、絵画表現の楽しみを再発見できる機会となるはず。

若い感性とアートで触れ合う ワンダフル ワールド

2014.07.06 Vol.621

 これから始まる夏休みにぴったり、赤ちゃんから大人まで、親子で楽しむことができる展覧会がスタート。小さな子供を持つ親にとって、親子で美術鑑賞はなかなか難しいと考えがち。本展では、小さな子供の視覚世界を表現した作品や、作品に触れて遊びながら美術を鑑賞する作品が集合。子供も楽しめる展覧会となっている。

 会場には、子供たちの身近にあって興味の対象となりやすいモチーフ、フルーツや電車、鏡、動物、ブロックなどをアート作品にした、5人のアーティストによる体験&参加型展示が登場。非日常の世界に入り込んだ子供たちが、そこで出会うさまざまアートに、どんな反応を見せるのか。驚いたり、不思議に思ったり、面白がったり…子供たちの感覚を共有する楽しみも感じることができるはず。もしかしたら、子供のほうが構えることなく“現代アート”を楽しむことができるかも。また、体験型インスタレーションでは記念撮影もできるので、思い出に残る写真を撮ってみてはいかが。

日常生活から地球の環境問題まで! トイレのおもしろ企画展開催!

2014.07.06 Vol.621

 東京・お台場の日本科学未来館では、トイレとうんちを大真面目に考える企画展「トイレ?行っトイレ!~ボクらのうんちと地球のみらい」を開催。日常的に接しながら、考えることや語られることが少ないトイレに焦点をあてた子どもから大人まで楽しめる企画展だ。

 我々の生活に密着しているトイレは、日常の営みから、地球環境まで、あらゆる側面で生きることと関わっている。世界では約25億人がトイレを使えない環境にあるなか、同展では一人ひとりにとって“幸せなトイレ”とは何かをまじめに、そして愉快に考える。

 会場はプロローグからエピローグまで8つのエリアに分かれ、うんちやトイレの身近な問題から、下水処理、地球環境問題まで幅広く紹介、展示。上野動物園から提供された9種類の動物のうんちを観察して、どんな食生活をしているのか、体の中の構造がどうなっているかなどを知るコーナーや、粘土を使ってウンチを作るワークショップ(平日のみ)も。さらに、トイレの先にある世界が探検できるエリアでは、下水道の旅を体験。うんちのかぶりものをして、巨大便器のすべり台を降りると、そこは下水道の中。その水をきれいにし、海に流すまでの過程を、うんちになった気分で学ぶことができる。そのほか、未来の宇宙トイレや世界のトイレ事情、震災時のトイレ問題や地球環境におよぶまで、さまざまな角度からトイレとうんちを知ることができる。エピローグのエリアでは、13台の便器が「ありがトイレ」という歌を熱唱。“小さな穴からつながる地球、小さな穴からつながる命”という歌詞がトイレの先に人類の希望を見せてくれる。

ガウディ×井上雄彦 時空を超えた奇跡のコラボ

2014.07.05 Vol.621

 この夏もっとも注目の展覧会のひとつ『特別展 ガウディ×井上雄彦 −シンクロする創造の源泉−』が12日、六本木・森アーツセンターギャラリーでスタートする。日本中にバスケットボールブームを巻き起こした『SLAM DUNK』をはじめ、『バガボンド』『リアル』など、多くの人に愛される作品を発表する漫画家の井上雄彦と、サグラダ・ファミリアで有名なスペインを代表する建築家のアントニ・ガウディが、時空を越えて夢のコラボを実現する。井上は、墨絵や書といった新しい表現ジャンルに挑戦しているが、その表現をより深く追求するなかで、ガウディに対峙することなったという。

 展覧会では、ガウディの人間像とその物語を描く。ガウディ自筆のスケッチや図面、大型の建築模型、さらにはガウディがデザインした家具など貴重な資料約100件によってガウディ自身や彼の偉業を紹介するとともに、世界最大級ともいわれる手漉き和紙に挑んだ大作など、井上が書き下ろした約40点の作品も展示。さらに、3面スクリーンによる映像シアターも行われる。

 展覧会は、2013−2014日本スペイン交流400周年」の記念事業として行われるもの。井上は昨年12月、「日本スペイン交流400周年」の親善大使に任命されている。

 ローチケでは現在、同展の前売りチケットや井上が本展のために描き下ろしたキャラクターがデザインされた「越前和紙ブックカバー付チケット」(限定枚数での発売)などお得なチケットを発売中。展覧会がスタートすると当日料金での販売になる。

Copyrighted Image