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W杯をもっと楽しむために 自分ブラジル化計画 part.2

2014.05.11Vol.617未分類
 南米人は日本人の3倍肉を食べるというが、ブラジルでもやはり肉をよく食べる。ブラジル料理の代表格シュラスコが良い例だ。剣のようにも見える大きな串に肉を豪快に刺して焼き、食べる。お店では、焼きあがると串ごと運び、客の前でスライスしてサーブするエンターテインメント要素もあって、東京でも長きにわたって専門店が営業しているほど人気だ。 「塩、胡椒、そしてにんにく。味付けは至ってシンプルです。それを炭火の上でゆっくりと回転させながら焼いていきます。焼いているうちに肉の脂も落ちていくので、ヘルシーなんですよ」。そう話すのは、三軒茶屋の三角地帯にある「ブラジリアン食堂 BANCHO(バンチョー)1号店」の藤井さんだ。こだわりの炭火の上には、何本もの串がかけられ、それぞれゆっくり回転中。時おり、炭の上に落ちた脂がジュワッと音を立て、白い煙がもうもうとあがる。  シュラスコといっても、ビーフ、ポーク、チキン、それぞれさまざまな部位もあるから種類はバラエティーに富む。赤味を岩塩やガーリックソースで食べるステーキ、マリネした鶏のもも肉「フランゴ」、ガーリックソースにつけた豚バラ「ポルコ」、ブラジルのジューシーなソーセージ「リングイッサ」、さらにはパイナップルを焼いた「アバカシ」……。それぞれ、単品で注文することもできるが、こちらのお店ではおまかせの盛り合わせや食べ放題でいろいろな部位をいただくのがポピュラーなスタイルで、焼きあがった串が次々に運ばれてくる。離れた席で「わっ!」と華やいだ声が聞こえたらそれが次の串がやってくる合図だ。  一番人気を尋ねると、「やっぱり、ピッカーニャかな」。牛のお尻の先(ランプやイチボ)にあたる部分で、1頭から少ししか取れない希少な部位だ。スライスした断面から表れたきれいな赤色が、すでに満腹気味な胃を刺激。待ちきれずに口に運ぶと脂の甘さやお肉の味が口の中にぶわっと広がる。シュラスコならではの気持ち強めな塩味が肉そのものの味をしゃきっとさせているが、添えられたビネグレットソースを合わせると、酸味でさわやかな味わいになって、食が進む。 「ちゃんと下処理をして炭火でおいしく焼く、それだけなんです(笑)。そのシンプルさ、おおざっぱさがブラジル料理の魅力なんじゃないでしょうか」と、藤井さん。おいしさの手の内こそ教えてくれなかったが、それでもいいか。このおおざっぱさ、自分をブラジル化できちゃった?

W杯をもっと楽しむために 自分ブラジル化計画 part.1

2014.05.11Vol.617未分類
ブラジルで行われるワールドカップの開幕まで約1カ月。日本代表のメンバーも出揃い、ブラジルへの注目度もさらに上昇中だ。本番をより楽しむために、今から準備を始めてみては? 日本にいながら、現地の熱を自身に注入。外から、内から、そしてカウンターで、ブラジルを攻めてみると、当日の盛り上がりも自然と倍増するはず。

友香の素 vol.138

2014.05.11Vol.617黒谷友香「友香の素」
大阪出身の私。大阪から上京して、銀座線に初めて乗った時、「せまっ」と思ってしまった。実際、ウィキペディアによると、日本初の地下鉄として1927年に営業開始。当時は東洋唯一の地下鉄道というキャッチコピーが使われていたそう。そして、トンネルの断面が小さいので、車両自体も小さいとある。なるほどな〜。鉄道に歴史ありですわ。  さて、さて……。大阪といえば、お笑い! ということで、私は中川家さんの漫才が好きなのだが、そのなかでも特に好きなのが鉄道ネタ。弟の礼二さんは子供のころに車掌さんになりたかったそうで、毎日のように「出発進行〜」とやっていたらしい。なので、礼二さんの車掌さんのアナウンスは本物かと聞き違えるほどにコツをつかんでいる。私はその車掌さんネタを見るたびに笑ってしまうのだ。疲れた時に見ると元気になる(笑)。特に好きなのが大阪の淀屋橋から出ている京阪線の車掌さんアナウンスの真似。これが最高、一度京阪に乗ってみたいと思うくらいだ。  アナウンス聞いたくらいで実際乗ってみたいと思うか? もしや鉄子か? と言われると困るが、決して鉄子ではない。確かに新幹線も好きだけど。あ、ちなみに言うと、新幹線もたくさん種類はあるけれど、一番は東海道新幹線ね。あの白い車体に青のラインが清々しいし、どんどんデザインが良くなってる。前、走ってた500系は色も違うし、車体が丸過ぎて荷物を上に置きにくかったからあんまり…って、こんなに感想あるけれど決して鉄子ではないのだよ。(十分、プチ鉄子じゃん?!)そんなプチ鉄子の普段疑問に思うこと…車内で流れる次はどこそこ駅です。何々線はお乗り換え下さいっていうあのボイスは、人の声なの? 機械の声なの? 人の場合だと「これ実は僕(もしくは私)の声なんだ」とか思ってる人が確実にいるって事でしょ?! え、そんなこと気にした事ないって? やっぱり私、鉄子なのかしらん。

記念すべきライブ、記憶されるライブ「ROVO presents MDT FESTIVAL 2014 !!」

2014.05.11Vol.617LIVE
 勝井祐と山本精一を中心としたバンド、ROVO。バンドサウンドによるダンスミュージックシーンをその先駆者としてけん引してきた。その圧倒的な存在感で国内の大型フェスを盛り上げる彼らのサウンドは海外にも波及。英テクノユニット、SYSTEM7とコラボしたことでも話題となった。そんな彼らが継続的に行っているのが、日比谷野外大音楽堂で行うMDTフェスティバル。12年目を迎える今年は初めてワンマンでの開催。初の単体野音だけに記憶に残るライブになりそうだ。

世界観を味わう「ゴールドラッシュ」ザ・ロイヤル・コンセプト

2014.05.11Vol.617CD/MUSIC
 話題沸騰中のスウェーデンの新人が放つデビュー作。エレクトロ・ダンスロックに、郷愁を感じるようなメロディーライン、そしてお国柄ともいえるちょっとひねくれたところなど、ハートをグイッと掴まれてしまう。これまでにリリース一度聴いたら脳内でループするポップネスは中毒者続出の気配。収録曲は昨年のサマソニでチェック済みというような能動的な音楽ファンならおなじみの曲が軸。ボーナストラックも収録。今から聞く人も、既存のファンも十分満足し、ダンスできるアルバムだ。

世界観を味わう「シーザス」リリー・アレン

世界観を味わう「寝癖 」クリープハイプ

自分だけのユニットを作っちゃおう!「AKB48 ついに公式音ゲーでました。」

2014.05.11Vol.617GAME
 AKB48の楽曲で楽しむ“公式”リズムアクションゲームアプリがついに登場。タップとフリックだけの簡単操作で、誰でも楽しく遊べるゲームだ。  最高のライブをするために、ライブを行ったり、レッスンをさせたりしてメンバーを育成していくというもの。最初は遊べる楽曲は限定されているけれど、ゲームを進めながらランクアップしていくと、選択がぐっと広がっていく。ライブの会場も、AKB48劇場を始め、野外ライブ、ドームなど広がりが出てくる。  推しメンや好きなメンバーでグループを組んでスタートする。ライブ中(ゲーム中)に推しメンの声で応援コメントが流れたり、クリアーするとメンバーの歓びの声が聞けるのもうれしい。また、ランクアップすると、新たにメンバーが加わっていく。加わる際には、写真とメンバーの声で自己紹介がされるので、AKB48のメンバーを覚えたいというAKBビギナーにはとても役立つアプリでもある。  最終的にはお気に入りのメンバーをセンターにおいてライブ敢行! プロデューサー気分を味わおう!

KEYWORDでみるニュース

12万6720人

 新年恒例の一般参賀が1月2日、皇居で行われ、天皇、皇后両陛下や皇太子ご夫妻をはじめとする成年皇族方が宮殿「長和殿」のベランダに計5回立ち、手を振って応えられた。宮内庁によると、平成で最多だった6年(計8回で11万1700人)を上回る12万6720人の参賀者が訪れた。天皇陛下の譲位日が31年4月30日と決まってから初めての新年一般参賀で、国民の関心の高まりが要因とみられる。

39.4%

 平成29年の大みそかに放送された「第68回NHK紅白歌合戦」の第2部(午後9時から11時間45分)の関東地区平均視聴率が39.4%にとどまった。前年と比べて0.8ポイント減。二部制になった平成元年以降では3番目に低い数字。テレビ東京の「第50回!大晦日恒例 年忘れにっぽんの歌」が8.4%と大健闘。民放では日本テレビ系「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで! 大晦日年越しスペシャル!」が17.3%でトップ。

2万2764円

 平成29年最後の取引となる大納会を迎えた12月29日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は2万2764円94銭と、年末の終値としては3年末(2万2983円77銭)以来26年ぶりの高値水準となった。前年末の終値(1万9114円37戦)を3650円57戦(19.1%)上回っており、年間ベースでは6年連続の上昇。昭和53年~平成元年に12年連続で上昇して以来の長さで、バブル経済が崩壊して以降では最長となった。

口座維持手数料

 銀行口座の維持にかかる費用。海外の商業銀行はほぼ全て導入しており、「無料」は日本のみ。三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の3メガバンクが、日銀のマイナス金利政策で利益を出しにくくなったことから、この口座維持手数料を預金者から徴収できるか検討を始めた。平成30年度中にも結論を出すもよう。三井住友銀行子会社のSMBC信託銀行は、米国系シティバンク銀行が日本で手掛けていた個人向け事業を買収したのに伴い、27年から残高が一定額を下回ると、月2000円の口座維持手数料を徴収している。

世田谷一家殺害事件

 東京都世田谷区の住宅で平成12年12月、会社員、宮沢みきおさん=当時(44)=ら一家4人が殺害された事件の発生から昨年の12月30日で丸17年となった。事件は12年12月30日深夜に発生。宮沢さんと妻の泰子さん=当時(41)、長女のにいなちゃん=同(8)、長男の礼君=同(6)=の4人が自宅で殺害された。現場からは多くの遺留品が見つかり、犯人の指紋やDNA型も判明している。殺人事件の時効が廃止されたことから事件の捜査は継続中。情報提供は成城署捜査本部(TEL:03-3482-0110)まで。

見えなかったものが見えてくる 平成26年度東京都写真美術館コレクション展 スピリチュアル・ワールド

2014.05.11Vol.617ART
 東松照明、土門拳、横尾忠則ら、スピリチュアルな世界観を見つめた日本の写真家、美術家の作品を、3万点を超える東京都写真美術館のコレクションの中から選りすぐって紹介。  日本では古来、森羅万象に“八百万の神”が宿るとする信仰があった。人々は、目に見えないものや日常を超えたものの存在を感じとる感性、神仏を畏れ敬う意識、生きている者と死者の関わり合いを大切にする死生観とともに生きてきた。そんな、近代化の過程で失われていった非合理的なもののなかには、日常生活や現代社会の価値観にはない未来への手がかりが隠されているのかもしれない。現代社会に生きる我々が忘れてしまった、日本古来の感性やそこから生まれた豊かな文化を見つめ直す機会となるはず。

幸福はぼくを見つけてくれるかな? ─ 石川コレクション(岡山)からの10作家

2014.05.11Vol.617ART
 アートが人を引きつけるのは、色やかたちや素材といった目に見える“もの”の魅力だけではなく、その背後にある意味や考えが、見る人にさまざまな問いをもたらすからではないだろうか。本展は、そんな新たな問いや視点をもたらしてくれる作品に出会える展覧会。会場では、“誰もが感じることはあるが、見過ごしてしまうようなこと”をテーマにした作品を手掛ける10組のアーティストを紹介。コンセプチュアルな作品を多く収集するコレクター石川康晴氏のコレクションより、国際的に注目を集める10組のアーティスト、ミルチャ・カントル、オマー・ファスト、ペーター・フィッシュリ ダヴィッド・ヴァイス、ライアン・ガンダー、リアム・ギリック、ピエール・ユイグ、小泉明郎、グレン・ライゴン、島袋道浩、ヤン・ヴォーの作品が展示される。  都市と自然、個人のアイデンティティと歴史、アートとは何かという問いなど、作品ごとにアプローチはさまざま。しかし彼らの作品はいずれも、そこで語られる作家の個人的経験も、見る者が自身に置き換え深いレベルで共有することを可能にする。そしてそれは、新たな視点と問いをもたらしてくれる。

腕利き宣伝マンが猛プッシュ コレよ、コレ! 北澤雄一郎さん

2014.05.11Vol.617未分類
「5月18日から放送されるこの作品も、数々の社会問題を見つめた『パンドラ』や食品偽装問題を描いた『震える牛』のように、地上波ではなかなか扱えない“タブー”に切り込んだ作品なんです」と北澤さん。『モザイクジャパン』というタイトルから察するに、ひょっとして…?「AV業界に乗っ取られた田舎町を舞台にした、まったく新しい形の社会派エンターテインメントなんです。歴代の作品同様、WOWOWだからこそ描ける本気のドラマです。スタッフ、キャスト陣を見ていただければ一目瞭然ですよ。脚本はなんと『Woman』『最高の離婚』の坂元裕二さん。演出は映画『謝罪の王様』などの水田伸生さん。そして主演は映画『ふがいない僕は空を見た』の若手実力派俳優・永山絢斗さんです」。良質ドラマ間違いなしのメンツじゃないですか!「さらに面白いのが、この物語の根底に深い日本文化論が潜んでいることなんです。モザイクはあくまでその象徴であり一端です。“本当はダメなものでもOK”にしてしまうモザイクって一体何なのか。モザイクの向こうには何があるのか。はたまた何もないのか」。確かにモザイクって“曖昧さ”という日本文化を象徴しているような。「と言いつつ実は、あえて本作では一切モザイクをかけていないんです。どう見せているのか見せていないのか、ぜひそこもWOWOWで確認してみてください(笑)」。

気になる再演『スズナリで、中野の処女がイクッ』月刊「根本宗子」

2014.05.11Vol.617STAGE
 本紙の今年の最初の発行号で、今年最も活躍が期待される人としてインタビューした根本宗子。  1月に下北沢の駅前劇場で『夢も希望もなく。』を上演した後は、劇団競泳水着、虚構の劇団と女優としての出演が続き、本公演がお預け状態になっていたのだが、5月23〜25日という短期間ながらザ・スズナリでの公演が決定した。上演するのは、昨年、新宿ゴールデン街劇場で上演され、売り止めの回が続出した『中野の処女がイクッ』。  タイトルからは、ややよからぬ内容のお話を想像してしまいがちだが、お話はメイド喫茶の控室を舞台にそこに出入りする人間たちによって繰り広げられるさまざまな人間模様が描かれる。  集団の中でもマイペースを崩さない者、集団になじめない者、自分の意思とは裏腹に調整役に回ってしまう者など、思わず自分を投影してしまうようなさまざまな人物たちが登場。彼女たちの行動にイラっとさせられたり、ハラハラさせられたりするのだが、その一方で彼女たちの不安定な心の揺れについつい引き込まれる。
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日本相撲協会評議員会の池坊保子議長が理事を解任した貴乃花について「上司であり先輩でもある八角理事長が何度も携帯に電話してもまったく応答なく折り返しの電話をしなかった。著しく礼を欠いていたのではないか」(1月4日、臨時評議員会後の記者会見で)
→横綱の格は貴乃花のほうが北勝海より断然上だったけどな。

気になる再演『スズナリで、中野の処女がイクッ』月刊「根本宗子」

2014.05.11Vol.617STAGE
 本紙の今年の最初の発行号で、今年最も活躍が期待される人としてインタビューした根本宗子。  1月に下北沢の駅前劇場で『夢も希望もなく。』を上演した後は、劇団競泳水着、虚構の劇団と女優としての出演が続き、本公演がお預け状態になっていたのだが、5月23〜25日という短期間ながらザ・スズナリでの公演が決定した。上演するのは、昨年、新宿ゴールデン街劇場で上演され、売り止めの回が続出した『中野の処女がイクッ』。  タイトルからは、ややよからぬ内容のお話を想像してしまいがちだが、お話はメイド喫茶の控室を舞台にそこに出入りする人間たちによって繰り広げられるさまざまな人間模様が描かれる。  集団の中でもマイペースを崩さない者、集団になじめない者、自分の意思とは裏腹に調整役に回ってしまう者など、思わず自分を投影してしまうようなさまざまな人物たちが登場。彼女たちの行動にイラっとさせられたり、ハラハラさせられたりするのだが、その一方で彼女たちの不安定な心の揺れについつい引き込まれる。

気になる再演『関数ドミノ』イキウメ

2014.05.11Vol.617STAGE
 SF、オカルト、ホラーといったジャンルのエピソードを自由自在に操り、独特の世界を展開するイキウメ。  フィクションと分かってはいても、ついつい「今回の話は本当にあった話だっけ…?」とか「この現象自体はもともとあるんだったっけ…?」と観劇後に思わされてしまう。この“心の錯覚”を引き起こされてしまい、もうやみつきになってしまう人が多数。  今回上演する『関数ドミノ』は数多いイキウメの作品の中でも、特にそんなふうに思わされる作品だ。  物語は期間限定で万能の力を持つ「ドミノ」という存在を中心に繰り広げられる。世界はドミノというある特定の人間を中心に回っていて、ドミノが望めばあらゆる事象が起こり、それによって周囲の運命も微妙に調整されていくという。最初はドミノの存在を否定していた者たちも周りで起こるさまざまな出来事から徐々に信じざるを得ない状況となっていく。  会場を出た後に“心の錯覚”を早めに解消しないとやばい作品。

お前の人生も、破滅させてやる!『「ストーカー」は何を考えているか』

2014.05.11Vol.617【TOKYO HEADLINEの本棚】
 著者は、ストーカー問題をはじめDVなど、あらゆるハラスメント相談に対処するNPO法人「ヒューマニティ」の理事長で、これまで500人以上のストーキング加害者と向き合ってきた専門カウンセラー。ストーカーの心理と行動、思考パターン、危険度、実践的対応をこれまで手がけた事例とともに説明する。ストーカーをめぐるトラブルは年間2万件も起きているというが、殺人という最悪のケースに至るケースは後を絶たない。難しいのは、ストーカーは決して一括りには考えられないこと。人格も被害者と加害者の関係性も違うので、正解と言える対処法がない。また警察の対応もまちまちだ。厳しく対応しているところもあれば、民事不介入とばかりに逃げ腰のところもある。さらに、いったん収まったかに見える加害者の怒りや憎しみが、いつ何時牙を向いて襲って来るか分からないので、長期間にわたる緊張で、被害者のほうが精神的にボロボロになるケースも多い。同書では、具体的な対策や警察以外の民間相談所のこと、加害者をカウンセリングする必要性を説く。誰もが当事者になりうる問題だが、その闇は深い。

サラリーマンに贈るメンタル本を出版 小橋建太

野球解説者・工藤公康氏が「成長し続ける極意」を語る新刊『孤独を怖れない力』

2014.05.11Vol.617【TOKYO HEADLINEの本棚】
 名選手、必ずしも名監督にあらず」とはスポーツ界ではよく言われる言葉だ。同様に、名選手が引退後に解説者、評論家として必ずしも成功するとも限らない。名選手と呼ばれるような人は、戦術といったややこしいことを、その天賦の才能で超越した現役生活を送ってしまうからなのだろう。  前振りが長くなってしまったが、今回紹介する『孤独を怖れない力』を発表した工藤公康氏は名選手でありながら名解説者であるということに異論を唱える人はまずいないだろう。  工藤氏は2011年に48歳で引退。実に29年もの長きにわたりプロ野球のマウンドにたち続け224勝をあげた。その個人記録もさることながら、西武ライオンズで8度の日本一、FA移籍したダイエーホークス(現・福岡ソフトバンクホークス)、読売ジャイアンツでも日本一に貢献するなど“優勝請負人”ともいわれた。特に当時下位に低迷していたホークスでは自ら嫌われ役になりながらも選手たちの意識改革を行い、常勝チームに育て上げた。  現在は評論家の他に筑波大学大学院で「外科系スポーツ医学」を勉強中。常に学ぶ姿勢を忘れない。  そんな工藤氏が月刊誌『BIG tomorrow』に連載されたコラム『人生、一球入魂』を新たな書き下ろしも加えて書籍化した。  本書ではその現役生活を振り返り、個人もチームも成長し、結果を残し続けるための極意が綴られている。  48歳まで現役を続けるためには信じられないほどの肉体のトレーニングと強靭な精神力が必要。工藤氏はその現役生活の中でさまざまな経験をし、人と出会い、そのつど野球人として、社会人として大事ななにかに気づいていく。  いわゆる“自己啓発書”のジャンルになるのだが、実例というか行動が伴いすぎているだけに、その説得力たるや、他の追随を許さない。 『BIG tomorrow』は男性ビジネスマン向けの雑誌なので、女性は手に取りにくい。このコラムの存在を知っていた女性も少ないと思われるが、せっかく書籍化されたので、女性にも読んでもらいたい一冊。

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