【インタビュー】岩井秀人 「ハイバイ」が代表作『て』『夫婦』を同時上演

2018.07.19 Vol.Web Original
 劇作家で演出家、俳優の岩井秀人が主宰を務める劇団、「ハイバイ」が今年、結成15周年を迎えた。この節目の年に代表作である『て』と『夫婦』の2作品を8月に東京芸術劇場内の2つの劇場を使い同時上演する。この大きな企画を前にした岩井に話を聞いた。

【編集部オススメ舞台】ハイバイ『ヒッキー・ソトニデテミターノ』

2018.01.22 Vol.702
 作・演出を務める岩井秀人が、自身が引きこもっていたころのことを題材とした『ヒッキー・カンクーントルネード』を上演したのが2003年。今回の『ヒッキー・ソトニデテミターノ』はそれから約10年後、岩井がひきこもり自立支援団体を取材し、書かれた続編。初演は2012年にパルコ・プロデュースで吹越満主演で上演された。吹越が演じた登美男を今回は岩井自身が演じる。初演に引き続きキーとなる20年ひきこもっている男を古館寛治が演じ、初演ではその母だった役を父として猪股俊明が演じる。 「ひきこもり」だった過去を持つ登美男は現在、外に出るきっかけを作った「出張お姉さん」の黒木香織のアシスタントをしている。その現場で登美男は自分とは違うタイプの2人のひきこもりに出会う。黒木と登美男は2人を「一時預かり」としてひきこもりたちの寝泊まりする寮に入れるのだが…。  ちなみに「出張お姉さん」というのは自立支援団体に実際にいる「レンタルお兄さん」をモデルに岩井が生み出した設定。  本作は国内4都市を回った後、フランスのパリでも上演される。フランスでハイバイの世界観がどのように受け取られるのか。
ハイバイ『ヒッキー・ソトニデテミターノ』 【日時】2月9日(金)〜22日(木)(開演は9・14〜16・21日19時、10日18時、11・12・17・18日14時/18時、20日14時/19時、22日14時。13・19日休演。開場は開演20分前。当日券は開演40分前) 【会場】東京芸術劇場 シアターイースト(池袋) 【料金】前半割(2月9日〜2月12日)前売3500円、当日4000円/一般(2月14日〜2月22日)前売4000円、当日4500円/学生(前売・当日共)3000円(受付にて要証明)/高校生以下(前売・当日共)1000円(前売は東京芸術劇場窓口のみ販売、要証明) 【問い合わせ】ハイバイ(TEL:080-6562-4520=10〜20時 [HP]http://hi-bye.net/ ) 【作・演出】岩井秀人 【出演】岩井秀人、平原テツ、田村健太郎、チャン・リーメイ、能島瑞穂、高橋周平、藤谷理子、猪股俊明/古舘寛治

そうそう見られない企画 ハイバイ『ワレワレのモロモロ東京編』

2016.11.27 Vol.679
 今回の公演は「俳優が自分の身に起きたことを書き、演じる」という異色番外公演。  ハイバイはもともと主宰の岩井秀人が「自分がひどい目にあったこと」を中心に取材し、現実に起こっている「面白ひどいこと」を主な題材として作品を作ってきた。いわば「私小説」ならぬ「私演劇」。  ドラマは日常に転がっている、とはよく言うが、まさにそれを実際に行ってきたのが岩井の作品。  ゆえに題材は「ひきこもり」「家族」「夫婦」「不倫」など現実の社会問題とリンクするものが多かった。  そして岩井は2011年から全国の高校・大学・公共ホールなどで参加者が「自分で書いて、演じる」というワークショップを行い、そこで何本か作品を作ってきた。  本作はそのワークショップを起とし、俳優たちが実際に自分の身に起きたことを出し合い、それを岩井が構成・演出し一本の作品に仕上げたもの。  演劇というフィルターを通した時に、悲劇が喜劇に代わる時もあれば、その逆もしかり。演劇のダイナミックさを体験できる作品となりそうだ。  すでに前売り券は完売なのだが、当日券は毎回必ず出すとのことなので、ぜひチャレンジしたい。  15、16日には岩井のアフタートークもある。 ハイバイ『ワレワレのモロモロ東京編』 【日時】12月10日(土)?23日(金・祝)(開演は19時。17日(土)は14時の回あり。18日(日)と23日(金)は14時開演。月曜休演。開場は開演20分前。受付開始は開演40分前)【会場】アトリエヘリコプター(五反田)【料金】整理番号付自由席 前半割(10?16日)前売・当日共3300円/一般(17?23日)前売・当日共3800円、学生:前売・当日共2800円(受付にて要証明)【問い合わせ】ハイバイ(TEL:080-6562-4520 =10?20時 [HP] http://hi-bye.net/ )【構成・演出】岩井秀人【出演】荒川良々、池田亮、岩井秀人、上田遥、川面千晶、永井若葉、長友郁真、平原テツ、師岡広明

現代口語演劇の幅の広さを実感『おとこたち』ハイバイ

2016.03.15 Vol.662
 1月に新作公演『夫婦』の上演が終わったばかりのハイバイが2014年に上演された『おとこたち』を再演。全国6都市を回る。 『おとこたち』は作・演出の岩井秀人が元落語研究会のサラリーマン、紹介予定派遣で働く人、知人のがん治療などを取材し、それをもとに4人の男性の24歳〜82歳の人生を描いたもの。 「老い」「認知症」「人生の幸福度」「社会」というテーマが大きな反響を呼び、その後NHKの人気番組「クローズアップ現代」でも取り上げられたほど。  製薬会社の営業、居酒屋のバイト、俳優、紹介予定派遣社員の4人の男たちは定期的にカラオケボックスや飲み屋に集まり、互いの近況を語り合う仲。しかし時が経つにつれ、順調に歩む者、挫折する者、転落する者とそれぞれの人生は大きく変遷していく。  順調に越したことはないが、だからといって楽しいわけでもない。転落した者だけが手に入れる暗い輝きにシンパシーを感じる時もある。人生についていろいろと考えさせられる作品。  俳優としてサンプルの松井周が出演するのもちょっと気になる。

今年は春から池袋『夫婦』ハイバイ

2016.01.11 Vol.658
 作・演出の岩井秀人が描く作品は引き込もり、家族ゆえに起こるさまざまな問題、不倫愛などといった、人間関係の綾とかこじれから発生する物語が多い。  そのどれもが生々しく、時代をえぐるものになっているのは、引き込もりのように岩井自身で経験したことや、不倫のように体験者に綿密な取材を行った末に描かれたものだから。  そんな岩井が今回取り上げるのは「人生の仕舞い方」。これは一昨年、実父の死に直面し、その時に長年連れ添った母と父の知らなかった関係性を知ったことがきっかけ。悪かったはずの父と母の仲が、父の容態が悪くなるにつれて日々溶解していく。そんな様子を見て、他人だった夫婦がどのようにして始まって家族になり、そして別れることになるのか、といった多くの人が体験する現実を描こうと思ったという。  そんな夫婦の物語の半面、父は外科医であり、最新の手術を受けたにもかかわらず、医療ミス的な原因で死んでしまったことから、無念さややるせなさといったものを嫌でも感じさせる作品となっている。  最近は舞台ばかりでなくドラマ、映画などでもその個性をいかんなく発揮中の山内圭哉がハイバイ初登場。

目のつけどころが普通じゃない!!
ハイバイ『霊感少女ヒドミ』

2014.09.28 Vol.627
 本作は2005年にオムニバス形式の公演で上演され、2012年に再演された作品。舞台に白いパネルを立て、そこにプロジェクションマッピングで映像を投影し、俳優の演技と融合させるという手法を取っている。映像は映像作家のムーチョ村松が担当。  作・演出の岩井秀人は2012年の『ある女』で劇中の映像をムーチョに依頼。岩井はその映像を見て、『霊感少女ヒドミ』の再演を思いつき、その年に再演。そして今回は“完全版”といった位置づけとなる。  国道16号沿いのマンションに住むヒドミは胸の中に大きな空虚を抱え込んでいる女の子。なぜ自分がここに住んでいるのか分からない。そんなヒドミに念願の恋人ヨシヒロができるのだが、それを阻止しようとする地縛霊が現れる。  全国6都市を回り、東京では1日だけだが3Dプロジェクションマッピングに挑戦。香川では野外上演も試みるという。

この脚本にこの出演者。面白くなかったら、多分事故 ハイバイ『おとこたち』

2014.06.22 Vol.620
 作・演出の岩井秀人が取り上げる題材は家族の問題、夫婦の問題、引きこもり、といった日常、我々の身の回りでありそうなことばかり。しかし登場人物の自意識過剰っぷりやトラウマなどを、その独自の視点で引っ張り出すことによって、決して普通の話では終わらせない。ただ、舞台上では “喜劇”という形にして見せているので、その場ではついつい笑って終わってしまうのだが、あとからじわじわと考えさせられるモノが出てきて、ついついもう一回見たくなる。   今回は2012年に上演され、岸田國士戯曲賞を受賞した『ある女』以来、約2年ぶりとなる新作書き下ろし。  のんきな若者が社会に出てさまざまな困難にぶつかっていくさまを描く、青年期から老年期までの男性たちの群像劇。老老介護や貧困といった、「見ないふりをしていいのかな?」といった問題を取り上げ、舞台の上に乗せるという。  キャストを見ると、ダメな男を演じさせたらはまりそうな俳優ばかりでワクワクするのだが、ハイバイの作品では男が女を演じることも普通にあるので、幕が上がるまでは予断を許さない!?

STAGE ジャンルは違えど心を揺さぶられる作品たち

2013.05.13 Vol.591
ハイバイ『て』  演劇界の芥川賞ともいわれる「岸田國士戯曲賞」を受賞した岩井秀人が主宰する劇団、ハイバイが今年10周年を迎える。というわけでそれを記念して、伝説の作品と評価も高い『て』で全国6都市を回るツアーを行う。  本作は岩井自身の家族をモデルとした自伝的作品。祖母の認知症をきっかけに久々に集合した家族が、過去の関係を清算しきれず、さらに大爆発する様子を描いたスーパー家族劇。  わざわざ“スーパー”とうたうだけあって、家族間の感情の移ろいの描き方がハンパなく、笑っているつもりがいつしか目頭を熱くさせられる観客も多かった。  その脚本はもとより、「同じ時間を視点を変えて2周する」という予想外の演出も含め高いレベルで結実した作品だ。  21日、22日夜、25日夜、28日、30日昼には岩井自身によるアフタートークあり。
【日時】5月21日(火)〜6月2日(日)(開演は平日19時30分、土14時/18時、日14時。30日(木)は14時の回あり。月曜休演。開場は開演30分前。当日券は開演の1時間前)【会場】東京芸術劇場 シアターイースト(池袋)【料金】全席自由・整理番号付 前売(前半割 21〜26日)3000円、当日3500円/前売(28日以降)3300円、当日3500円/学生 前売・当日共2500円(受付で学生証呈示)、高校生以下 前売・当日共1000円(東京芸術劇場窓口のみ販売)【問い合わせ】quinada(TEL:080-6562-4520[劇団HP]http://hi-bye.net/)【作・演出】岩井秀人【出演】岩井秀人、上田遥、永井若葉、平原テツ/青野竜平、奥田洋平、佐久間麻由、高橋周平、富川一人、用松亮/小熊ヒデジ/猪股俊明

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