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コロナ禍に直面して1年―アートが記憶したもの、記録するもの「DOMANI・明日展2021 スペースが生まれる」

2021.01.30 Vol.737

 1998年にスタートした、文化庁の「新進芸術家海外研修制度」経験者を中心に構成するアニュアル展。例年、年の初めに国立新美術館で開催され、今年度で23回目を迎える。

 2020年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、一時は開催があやぶまれたものの、夏に初めてオンライン上で展開され、好評を得た。

 そんな「DOMANI・明日展」が今年は、感染対策のうえ再び会場でのリアルな展示を実施。過去10年間に各国で研修経験を持った7人の新進作家と、それ以前に研修を経て、現在アートシーンの最前線で活躍する竹村京・鬼頭健吾、袴田京太朗の作品を紹介。「2020年代」を迎えた日本のアクチュアル、かつ国際的に開かれた表現を浮かび上がらせる。

 本展のサブタイトル「スペースが生まれる」には、東日本大震災から丸10年を目前に、被災によって生じた空間/景観の余白と、コロナ禍のステイホームで体験した時間的余白を経て、改めて何が本当に大事なのかを考え直し未来と向き合おうという願いが込められている。

 国際的な移動や発表を前提に活動してきた作家たちが、長期にわたる閉塞状態のアートシーンに遭遇したなかで思考を重ねて作り上げた展覧会で、さまざまな“スペース”を感じて。

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