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実は知らないホテルの裏技—知らなかったら損しています

2016.08.24 Vol.673

 著者は「姉さん、事件です!」というセリフでおなじみの大ヒットドラマ「ホテル」のモデルになった、伝説のホテルマン。経営、サービスのプロであるのはもちろん、ゼロからホテルを作り上げ、それを世界が認める最高級グランドホテルに引き上げた人物だ。世界中探しても、そのようは経験を持つホテル経営者兼総支配人はいないという事からも、著者がどれだけホテルに精通しているかが分かる。イギリスの元首相ウィンストン・チャーチルが「その国の文化の水準を知るには、その国で最もいいホテルを見よ」と言ったというエピソードが書かれているが、ホテルは国の文化水準を反映し、本来の存在価値を表している。しかし、日本においても、海外においても、その国で最もいいホテルに泊まるという経験はなかなかできないもの。普段ビジネスホテルやシティホテルを利用している人は、高級ホテルに尻込みしてしまいがちだ。

 同書の中で、高級ホテルかそうでないかを簡単に判断する方法として紹介されているのが、「客室を一歩も出なくても、すべてが事足りるのが高級ホテル」で、「客室を出なければ寝る事しかできないのがその他のホテル」というもの。すなわち“必要なものがその場でそろうホテル”それが高級ホテルだと。チップの習慣がなく、サービスになれない日本人は、ホテルマンに対して、どこまでのサービスを要求していいものか気にしてしまう事がしばしばあるが、同書を読むと、かなりいろいろなお願いしても大丈夫だと分かる。しかも、遠慮する必要もないと。が、そこはこちらがプロの客としての振る舞いができる場合の話である。なんでもかんでもワガママを言い、上から目線で命令するのは、サービスを受ける以前に、人としてマナー違反だ。同書は、ホテルで快適な時間を過ごす裏ワザを教えてくれると同時に、利用者をプロの客へと導いている。プロの客はプロのホテルマンを育てる。ホテルという非日常の空間を、上手に使いこなすには、ホテルマンと客が同等にプロであることが必要なのだ。その上で、同書の裏技を駆使しホテルを使えたら、そこは自宅のようにくつろげる場所にもなり、とっておきのスペシャルな日を楽しむ場所にもなる。いいホテルを選ぶポイントやコンシェルジュとの接し方など、日本でも海外でも使える実用的な一冊。

御茶ノ水に”お茶”を楽しむカフェ&ホテル誕生

2014.08.03 Vol.623

 創業116年の老舗・龍名館が、創業地の御茶ノ水に、日本茶を“入れる”“食す”をコンセプトにしたレストラン〈GREEN TEA RESTAURANT 1899 OCHANOMIZU〉を新たにオープンさせた。

 カフェタイムには、お茶を入れる専属スタッフ“茶バリエ”が、厳選した10種類の茶葉それぞれに合わせた入れ方で日本茶を提供。2杯目からは自分で急須に注いでゆっくりと味わえる。使う茶碗は、棚に並べられた約50種類のなかから自分で好きなものを選ぶことができる。お茶を使ったメニューも豊富。カフェタイムには抹茶を使ったプリンなどのスイーツが、ディナータイムには抹茶味噌のソースをかけた肉料理などの“お茶料理”が揃う。早朝6時30分からオープンするので、お茶漬けなどの朝食利用もおすすめ。

 レストランの上階は、和をモチーフにした全9室の隠れ家ホテル〈ホテル龍名館御茶の水本店〉となっている。全室がスイートルーム(2人1室タイプ、一部屋5万2000〜8000円)で、京都の老舗旅館のような高級感ある和風のデザインをとりいれた、モダンでシックな雰囲気になっている。

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