ミュージカル 『ナイツ・テイル -騎士物語』ARENA LIVEの製作発表会見が3日、都内にて行われ、俳優の堂本光一、井上芳雄らキャストと脚本・演出のジョン・ケアードが登壇。堂本と井上がケアードとの再タッグに喜びを語った。
シェイクスピア最後の作品として知られる「二人の貴公子」(共作・ジョン・フレッチャー)を、ジョン・ケアード脚本・演出、堂本光一と井上芳雄の初タッグで舞台化。2018年に初演され、2020年にコンサート版、2021年に帝劇で再演。
ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの名誉アソシエイト・ディレクターであり『レ・ミゼラブル』日本初演や舞台『千と千尋の神隠し』を手がけた演出家ジョン・ケアードは「この作品には戦争という悪、環境保護、女性の社会的地位向上という3つのテーマが描かれており、今こそやる意義がある作品」と意気込み。
アーサイト役の堂本も「やればやるほど発見がある作品。悩むこともあるかもしれませんが、そういう環境に身を置けることが楽しみ」。パラモン役の井上も「それだけこの作品が力を持っているということ」と再演に気合十分。
6000人超のアリーナを備える東京ガーデンシアターに張りだし舞台を設け、かつてないスケールで繰り広げられるコンサート版。「演者にはずっと舞台上に居続けてもらう」と演者にはハードなプランを語るケアードに、堂本が「実はジョンは初演のときもそう言ってて、それをみんなで大反対した」と明かし会場も爆笑。音楽から振り付け、殺陣も力を入れると聞いた井上も「これもうほぼ本編になるんじゃ」とコンサート版にとどまらない内容に苦笑。
上演時間は約2時間半、休憩時間もほぼないという説明に堂本は「コンサートだから。コンサートは休憩ないから」と頼もしい一言。井上も「ミュージカルのコンサートバージョンをこれだけの規模でやることはあまりない。誰も見たことがないものになるのでは。でも、たくさんの人に見られるのはうれしいこと。人に見られたくてこの仕事をやっているので(笑)」と笑いを誘った。
壮大な挑戦に、ケアードと挑む喜びを語ったキャストたち。堂本が「以前、もし僕が期待通りでなかったら…と聞いたら、ジョンが“僕が光一とやると決めたんだから君にできないことなんてないんだよ”と言ってくれたことが印象深くて」と振り返ると、ケアードも「日本では、スターであることのプレッシャー、完璧でなければという孤独があると思う。日本は目上の人を敬うという素晴らしい文化があるけれど、スターもアンサンブルも家族のように支え合えばいい」と家族のようなカンパニーに胸を張った。
家族さながら笑い満載となった会見では、堂本が「他人の作品の気がしない」というケアード演出『千と千尋の神隠し』の話題も。帝国劇場で、ちょうど設営中だった『千と千尋の神隠し』のセットに「潜入した」という堂本。会見で度々、堂本の風呂好きをイジっていた井上が「この人“一番風呂”に入ったんです」と堂本がセットの風呂桶に入ったと暴露。千尋を演じた上白石も「突然、光一さんから風呂桶に入った写真が送られてきた(笑)」と明かし会場も大笑い。
また、囲み取材で長嶋茂雄氏の訃報について聞かれると、野球ファンの堂本は「自分にとってもヒーロー。人間性もチームを引っ張る指揮官としても心に残るものを見せてもらった。長嶋茂雄というヒーローは永久に生き続けると思う」と長嶋氏をしのんでいた。
この日の登壇者は堂本光一、井上芳雄、音月桂、上白石萌音、島田歌穂、宮川浩、大澄賢也、ジョン・ケアード(脚本・演出)、今井麻緒子(日本語脚本・歌詞)。
ミュージカル『ナイツ・テイル -騎士物語‐』 ARENA LIVEは8月2~10日、有明・東京ガーデンシアターにて全12回公演。