東京都医師会の尾﨑治夫会長は6月10日、都内で行われた定例記者会見で、新型コロナウイルスワクチンの助成について取り上げた。尾﨑会長は、新型コロナワクチンに対し「国は早々に定期接種に助成金は出さないと明言した」として「昨年(10月1⽇~今年3月31日)は接種1回あたり8300円の助成があった。およそ1万5000円の接種費用が、東京都や区市町村の補助によって2500~3000円程度の自己負担、高齢者に関してはインフルエンザとコロナ両方のワクチンを接種しても5000円ほどで接種していただけた」と言及。
現在中国、香港、台湾、東南アジアなどを中心に新型コロナウイルスの感染者数が急速に増加していることに触れ「変異株も新しい型に変わっている。それらの国々との行き来があるため、当然日本に新しい変異株が入ってきて、夏場や冬場に流行することが否定できない中で、国が早々と新型コロナワクチンに助成を出さないと言うのはおかしい」などと異議を唱えた。
尾﨑会長は改めて「コロナは終わったわけではない。特に高齢者や基礎疾患のある人にワクチンを接種していただきたい。入院患者さんや老健などの高齢者施設に入られている方は免疫が落ちており、そういう方にワクチンを接種してコロナから命を守ることが必要だ」として「都や区市町村に対しても、全く助成を行わないということであれば、都民を守るために補助をお願いしたいということを働きかけていきたい」と訴えた。