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小池百合子のMOTTAINAI 都知事選にかかる費用は約50億円。もったいない話です

2016.06.27 Vol.669

 舛添要一東京都知事が一連の騒動で辞任したかと思えば、イタリア・ローマでは初の女性市長が当選しました。そもそもこのローマ市長選は前市長の公費流用疑惑による辞任に伴うもの。前市長は市のクレジットカードで家族の食事代を支払っていたとして批判されました。その額2万ユーロ、約240万円でしょうか。

 舛添知事の場合、1万8000円のたまごサンドの領収書や正月のホテル三日月での宿泊費などが疑惑の焦点となりましたが、身近な話題と金額でテレビのワイドショーは大盛り上がり。ヒール役と化した舛添知事は自らの記者会見での強気発言で墓穴を掘ったかたちです。

 いつも「政治と金」でコケるわけですが、すべての議員が舛添さんのように公私混同が当たり前と思っているわけではありません。ちなみに私は公私の区別がつけにくい飲食費は一切計上しません。お金の問題に足をとられ、本来の政策実現が遠のいては無意味だからです。

 舛添氏も「東京防災ブック」という危機管理本をヒットさせたのに、自らの危機管理は十分ではなかった。才気あふれる人だけに、もったいない最後でした。

 それにしてもこの騒動で生じる都知事選にかかる費用は約50億円。それこそもったいない話です。これで任期途中に都知事が辞すのはこの4年間で3人目です。その都度突如として選挙戦に突入し、いつも最後に現れる「後出しジャンケン」の候補者が勝利を納める。この繰り返しです。政策論争などより、知名度合戦、人気投票です。

 人口1350万人の東京は国でいえば世界70位のジンバブエ並みです。13兆円にのぼる年間予算規模でインドネシアの国家予算に匹敵します。日本の税収の4割は東京が生み出し、日本経済のエンジンといえます。一方で、2025年には東京圏の高齢化は恐ろしいほどのスピードで進むとされ、若者の街のイメージからは想像もつかない介護難民問題が懸念されています。一国が抱える課題が山積しているうえに2020年の東京五輪が控えているわけです。

 東京オリンピック・パラリンピックは歴史的大事業ですが、開催期間はわずか40日程度の話です。まず都政への信頼を取り戻し、毎日の都民の生活をどう守り、どう希望が抱ける首都とするかが問われているのです。

 老若男女が希望を抱ける首都・東京にする。そのためにもしっかり取り組みたいものです。
(自民党衆議院議員)

東京都知事選で元厚生労働相の舛添氏が当選

2014.02.14 Vol.611

 猪瀬直樹前知事(67)の辞職に伴う東京都知事選は9日、投開票され、元厚生労働相の舛添要一氏(65)が約211万票を獲得し、元日弁連会長の宇都宮健児氏(67)=共産・社民推薦、元航空幕僚長の田母神俊雄氏(65)、元首相の細川護煕氏(76)らを破って初当選した。
 元首相や元閣僚、メディアでも話題を集める候補者が揃い、告示前は盛り上がりを見せていたが、本格的な政策論争が行われることがなかったことや、前日8日に降った記録的な大雪の影響もあって、最終投票率は過去3番目の低水準となる46.14%に留まり、前回(平成24年)を16.46ポイント下回った。
 そのなかで小泉純一郎元首相(72)の支援を受けた細川氏が「原発即ゼロ」を前面に打ち出し選挙戦を展開したが、思ったほど有権者には刺さらず、約96万票に留まり、同じく「脱原発」を掲げる宇都宮氏の後塵を拝する形となった。
 舛添氏は「東京を世界一の街にする」というスローガンのもと、五輪を契機とした街づくりを掲げ、厚労相の経験を強調して福祉・雇用対策の充実を訴えた。9日夜、当選確実の一報を受け「私以外の候補に投票した人からも『舛添に任せてよかった』というような都政を進めていきたい」と語った。今回の勝因について「ひたすら政策を訴え、どの候補よりも全域を回り、たくさんの有権者と会話した。これに尽きる」と語った。
 都知事として実現したい政策を問われると、「東京を世界一の街にする。福祉、防災、経済、2020年の東京五輪・パラリンピックを成功させる。これを着実にやっていきたい」と力を込めた。

都知事選2月9日投開票 問題山積の都政の舵取りは誰に任せればいいのか

2014.02.01 Vol.610

 猪瀬直樹前知事の辞職に伴い行われる東京都知事選。1月23日に告示され、新人16人が立候補。以来、都内各地で激しい選挙戦が繰り広げられている。
 猪瀬氏が辞職を表明したのが昨年12月19日。猪瀬氏は2012年末に行われた都知事選で史上最高の約434万票を獲得して都知事の座に就いた。昨年9月には2020年東京オリンピック・パラリンピックの招致に成功した。その人気と実績から、よもやこんなに早く都知事選が行われることになるとは誰も思っていなかっただけに、各陣営とも出馬に向け駆け足の準備となった。2020年東京五輪への対応や少子高齢化対策、脱原発などを争点はさまざま。2月9日に投開票が迫った選挙戦を探る!!

都知事選をどう見るか【鈴木寛の「2020年への篤行録」第3回】

2014.01.05 Vol.608

 あけましておめでとうございます。去年は東京オリンピック・パラリンピック招致に沸きました。本年もスポーツのビッグイベントが目白押しですね。まず来月のソチ五輪。フィギュアスケートの代表選考は大変な注目を集めました。個人的には、浅田真央選手の悲願の金メダルに期待を寄せています。そして6月にはブラジルでサッカーのW杯が開幕します。日本代表が一時勝てない時期が続きましたので不安の声も上がりましたが、11月にオランダ、ベルギーとの親善試合で結果を残したことで「反転攻勢」のムードです。予選グループの組み合わせも悪くはなく、初のベスト8以上の結果を残してほしいと思います。

 浮かれてばかりもいられません。東京オリンピック招致関連では、国立競技場の改築については、予算も含め昨年末に決着し、いよいよこの春から取り壊し、工事が始まります。問題は、組織委員会。2月に発足の予定でしたが、ご存じの通り、都知事の辞職により、立ち上がりに遅れが生じるのは必至です。そもそも招致決定後から悪い予感がしていました。いまだに組織委のトップである委員長が決まっていないのです。そもそも昨年11月にIOCのバッハ会長が来日した時点で委員長の内定者が出迎えねばなりませんでした。そうした中で、前知事の不適切な金銭授受が発覚。後はご存じの通りの展開です。国際的にも開催地としての名誉に傷が付いたことは大変遺憾に思います。

 都知事選は2月9日。ここ十数年、最後に出てきた候補が勝っているので、候補者が名乗りを上げるのが遅くなることが予想されるため、有力候補者が出そろうのは早くても今月中旬でしょう。国政選を凌駕するテレビ選挙なので知名度に焦点が当たりがちですが、オリンピック・パラリンピックを起爆剤に2020年代以降の東京の街づくり、人づくりをしていける実力のほどを私たち都民はしっかり吟味せねばなりません。たとえば高齢化。都の予測によると、オリンピック開催年には、4人に1人が高齢者となります。社会保障費の膨張を抑える中で介護や医療をどう拡充させるか、一人暮らしの高齢者を支えるコミュニティをどう醸成させるか……課題は山積しています。

 次期知事はオリンピックのホスト役を務める可能性が高そうです。それは同時に21世紀の東京の基盤を固める役目。今度の都知事選は近年まれにみる重要性があると思います。

(元文部科学副大臣・前参議院議員)

都知事選は猪瀬氏が約433万票で圧勝

2012.12.24 Vol.577

 石原慎太郎氏(80)辞職に伴う東京都知事選が16日投開票され、前副知事の猪瀬直樹氏(66)が433万8936票を獲得し初当選を果たした。国政選を含め、国内の選挙で個人が得た票数としては史上最高となった。これまでの最高は昭和46年の都知事選で美濃部亮吉氏が獲得した361万5299票だった。

 猪瀬氏は次点だった元日弁連会長の宇都宮健児氏(66)にも330万票以上の大差をつけた。猪瀬氏の得票率は67.35%で、都知事選では石原氏が平成15年に得た70.21%に次ぐ高さとなった。都知事選の確定投票率は62.60%。衆院選とのダブル選挙となった影響もあり、前回(57.80%)を4.8ポイント上回った。

 猪瀬氏は16日夜、「選ばれたのは改革をスピードアップしろという叱咤(しった)。だから万歳三唱はしません」と早くも臨戦態勢。「霞が関が作った規制を『東京モデル』を作って変える」と、副知事として進めた改革をさらに推し進める決意を示した。当選から一夜明けた17日には「434万票の民意が権力の正当性。その民意を受けて政策実行する。『改革をスピードアップしてやってくれ』というのが民意」と語り、過去最多得票の重みと票に込められた民意を強調し、「やるべきことはすぐに、ぶれないでやる」と決意を語った。

 その上で、「民意は一番尊重すべきもの。都知事として議会と話し合いするときも、僕が民意を代弁しているということを尊重していただきたい」と述べた。

 また、16日夜に当選を確実にした直後、自民党の安倍晋三総裁や公明党の山口那津男代表と電話で話したといい、「過去にない票数なので、国も民意を尊重していただく」とした。さらに、「自民や公明、日本維新の会、民主を含め、共産からも僕に投票した人がいた。改革を求める期待感を受け止め、それが東京の民意であると政府に代弁していく」と話した。

東京都知事選が迫る!自民、民主の出方は?

2011.03.07 Vol.500

 4月10日投開票の東京都知事選がそろそろ動き出した。先月の8日に共産党の元参議院議員の小池晃氏が、15日に外食大手「ワタミ」の前会長の渡辺美樹氏が出馬表明した。24日には、前宮崎県知事の東国原英夫氏が翌日の集会で出馬表明するという報道が流れたが、結局出馬表明はされなかった。

 さてみんなが気になる石原慎太郎現都知事なのだが、22日には自知事の長男で自民党の石原伸晃幹事長が有力支援者に語ったという形で不出馬の報道が流れた。またそのときには知事周辺が後継候補として神奈川県の松沢成文知事に出馬を打診したという話もセットで報道された。その松沢氏が1日に無所属での出馬を正式表明。となると石原氏の4選出馬はなくなったのか…。石原氏は1日、進退について「都議会の最終日(11日)にコメントしたい」と語った。

 次の焦点は民主党と自民党の動きとなる。民主は独自候補の擁立を探ってはいるが見通しは立たない。蓮舫行政刷新担当大臣の名前がマスコミを騒がせるが本人にはその意思は低そうだ。“石原氏に近い”といっても松沢氏は元民主党の衆議院議員。自民党もすんなり推薦というのにはちょっと抵抗がある。元民主党ということで、一見乗りやすそうな民主党だが、子ども手当で対立していたこともあり、こちらもすんなりとは行きそうにない。

 では渡辺氏や東国原氏に乗っかるのか? 先日の愛知県知事選と名古屋市長選で既成政党に「NO」が突きつけられた。昨今のこの流れをみると、独自候補を立てないとなると、その流れを容認しているともとられかねない。果たして両党の出方は…?

500号記念世論調査 誰が都知事にふさわしいか?ヘッドラインが大募集!

 TOKYO HEADLINEサイトで東京都知事選アンケートを実施中。都知事は誰がいいのかを募集しているのだ。東京エリア情報募集ページにアクセスして、ニュースの内容のところに、現時点での立候補者に限らず都知事にふさわしい人、その理由があるならあわせて書き込んで送信してほしい。締め切りは3月14日まで。
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