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都議選で都民ファーストの会が31議席を獲得し第1党に。自民は過去最低を更新。国民民主党は0から9。公明は36年ぶりの落選者

2025.06.24 Vol.Web Original

 参議院議員選挙の前哨戦ともいわれた東京都議会議員選挙が6月22日に投開票された。

 本来、地方自治と国政は分けて考えるべきなのだが、今回は直後に参院選が控えるとあって、どうしても国政を見据えた都民が多かったのか投票率は2021年の前回を5.20ポイント上回った。それでも47.59%と50%を割り込んだのは残念なところ。ちなみに過去最高は1959年の70.13%となっている。

 選挙の争点及びキーワードとしては第2党だった都民ファーストの会の特別顧問を務める小池百合子都知事の都政運営の評価、都議会自民党の政治資金問題、昨年の衆院選で躍進した国民民主党や昨年の都知事選で小池知事に次いで2位となった石丸伸二氏が立ち上げた再生の道の動向といったところ。

 現在3期目の小池都政は子育て支援や若者支援、出生率対策、防災対策、明治神宮外苑再開発問題などさまざまな問題に取り組んできたが、都議選で都民ファは31議席をキープし第1党に返り咲いた。今回は小池氏は積極的に応援演説を行うなどしたことから、この間の都政運営については都民は一定の評価を与えたといえよう。

 一方、自民党は前回の33から18議席に大幅減。その後、無所属で立候補して当選した3人を追加公認し21議席としたが第2党に転落した。この21という数字は前々回の8年前の23を下回る過去最低の数字。国政、都政両方での政治資金問題の影響が大きかったのは間違いなく、参院選に暗い影を落とした。

 国民民主党は0から9議席に躍進。玉木雄一郎代表は単独で会派を構成できる5議席を最低限、条例提出権のある11議席を目標に掲げたがそこには届かなかった。0から9議席は躍進とみる一方、18人を擁立しており半数が落選という見方もある。昨年11月の玉木代表の元グラビアアイドルとの不倫騒動、備蓄米放出時の「1年経ったら動物の餌」発言、参院選での山尾志桜里氏の公認とその後の公認取り消しのごたごたが響いたことは間違いない。同党が参院選に向けてどう立て直すのかは一つのキーポイントとなりそうだ、

 石丸氏が代表を務める再生の道は42人を擁立し全滅。もっとも「国民に広く政治参加を促す」というのが目標で党として具体的な公約は掲げず、そして当選が優先順位としては上ではないことから当選者が0であることについてもやむなしか。また1議席だった日本維新の会は議席を失った。その一方で参政党は4人擁立し3人が当選。初の議席を獲得した。

 参院選に向けての気になるトピックスとしては9回連続の全員当選を目指していた公明党が36年ぶりに落選者を出したことか。22人を擁立し21人当選は十分な数字ではあるのだが、党本部や支持母体・創価学会本部のある新宿区での落選に党内には衝撃が走っているという。

 なお参院選については7月3日公示・20日投開票となることが24日に発表された。

銭湯で東京の未来を考える! 東京都選管が都内61軒の銭湯でイベント「東京都議会銭湯」

2025.06.16 Vol.Web Original

 都内の銭湯で「東京都議会銭湯」が開催中だ。22日に投開票が行われる東京都議会選挙に合わせて、東京都選挙管理委員会と温泉情報サイト「ニフティ温泉」がタッグを組んで行っているコラボレーションイベントだ。

 都内61軒の銭湯が参加。旗艦店である、陽だまりの泉 萩の湯(台東区)、妙法湯(豊島区)では、期間中、館内に「東京都議会銭湯」のロゴやイラストが登場するほか、牛乳瓶を使用した投票BOXが設置され模擬投票も体験できる。

 19~22日の4日間限定で、旗艦店もしくは通常店の銭湯を利用すると、イベントオリジナルのてぬぐいと、風呂でも読める耐水使用の東京都議会議員銭湯のリーフレットが先着3870枚限定でプレゼントされる。

   20~22日には変わり湯も実施する。

 イベントは22日まで。定休日・休業日は店舗により異なる。

 

都民ファーストの会・荒木ちはる都議「障がいのある人たちの声なき声と届きにくい声に注目したい」《都議選2025 注目候補に聞く》

2025.06.11 Vol.Web Original

 6月13日に告示される東京都議会議員選挙(22日投開票)が近づいてきた。前回の都議選がコロナ対策や東京五輪といった分かりやすい争点があったが、今回の選挙は物価高対策など横並びになりそうで、一票を誰に投じるのが良いのか決めるまでに時間がかかりそうだ。注目の候補である、現役ママ議員となった荒木ちはる都議(都民ファーストの会 現職)は、次の4年は「声なき声と届きにくい声に注目したい」と語る。


不妊治療を経てママ議員に!NICUでの経験を都政に反映

 2017年に初当選。2021年に再選されるも、2期目は1年務めたあと参院選惜敗、小池都知事の秘書に。2024年補欠選挙に当選して都政に戻った。

「2期目は実現したい政策を多く予算化させていただきました。子育て支援であったり介護従事者の方々の処遇の改善であるとか、国でやらなければならないもので動いてないんですがこれらを動かしてきたと思っています。既に1期務めていた経験もあり政策実現もしやすく、区民の皆さんからの意見もいっぱいいただいての1年間でした。都政から離れていた2年間は小池都知事の秘書を務めつつ、不妊治療、そして出産・子育てさせて頂いた2年間ででした。

 荒木議員が経験してきた子育ての2年間と、東京都で作り上げた出産や子育てに関わる施策とは重なる部分が大いにある。

「自分の経験を踏まえて、その2023年に卵子凍結に係る費用の助成の制度、東京都特定不妊治療費(先進医療)助成事業の制度を作らせていただきました。不妊治療をして40歳で妊娠、41歳で出産の高齢出産です。2カ月半の早産で、生まれた時の子どもの体重が886グラムで超低出生体重児。4カ月、NICU(新生児集中治療室)に入っていました。都議に復活してからの1年は、NICUにいる赤ちゃんやそのご家族の支援を実現、予算化してきました。自分も当事者として同じような境遇のみなさんの声を集められましたし、それによって政策や予算を作りました。

 自分の子もNICUで人工呼吸器をつけていた期間があったので医療的ケアのお子さんや重度心身障がい児の皆さんの思いも様々な政策につなげています。自分の経験を踏まえて、役所とも具体的な事例をもって交渉できるようになったのは相当の強みです。病児保育の新しい制度なども経験や想いをもって、本当に使いやすい制度に設計できたのではないかと思います」

都営地下鉄の「子育て応援スペース」は子どもがいない世代にも好評

 利用者にとってはすでにおなじみの風景となったが、都営地下鉄の「子育て応援スペース」は初当選した荒木議員など都民ファーストの会が取り組んでいたものだ。

都営のすべての線で「子育て応援スペース」が導入されていて、車両の一部にミッフィー機関車トーマス、絵本のキャラクターなどの装飾をして、子どもを連れて、ベビーカーやベビーバギーで一緒に乗りやすい環境を作りました。ベビーカーやベビーバギーで電車に乗ると、ベビーカーをたため!って言われたり、舌打ちされたりという経験をされて、ベビーカーで子どもを連れてお出かけするのが嫌になってしまったという声をすごくたくさんいただいたんです。最初は難しいとのことで、女性専用車両ですら、いろんな批判が起きたからでも私は、批判が起きたらいいじゃないって思ったんです。批判されたらされたほうがと思って」

 都営地下鉄はあらゆる人たちが乗るので、子育てとは近しくないところにいる人の視界に「子育て応援スペース」が目に入ることで、もたらされるものは大きい。

「私は40歳まで独身で、毎日スーツで、国会に通い、都議会に仕事と家の往復のみのような生活で、よだれとかうんことか、おむつとかそんなものとは縁遠い生活をしてました。そういうなかで、地下鉄に乗った時、街を歩いていてもいいですが、そういう社会、生活があるんだってことを突きつけられること、そういう刺激を受けることは人間として大事だなと思うんです。

『子育て応援スペース』を設けたのは、もちろん子育てをしている方たちを支援したかったというのもありますが、社会で子育てしているんだということを広く伝えたかったというのもあります。社会には、大人も子どもも高齢者もいる。働いている人もいるし、子育て中の人もいれば、介護をしている人もいる。家族もいればシングルもいる。そういう人たちがみんないて社会が動いているんだよって、ひとつの形として表したかった」

 なんでもパーソナライズされる世の中。自分好みの情報は入ってきても、自分が進んで寄っていかないものに触れられるのは地下鉄や会社のような公共の空間ならではのことにもなっている。

「30代だった私は結婚する気もないし子ども産む気持ちもなかったけど、電車で子育ての状況を見て、そういうのもあるんだな、自分の人生ってどうするのか、など自分で判断したり、刺激や考える機会があること悪いことではないかなと。産む産まない、結婚するしないとかは自由だけれど。『子育てスペース』は、アンケート調査をしてみたら、子どもがいない世代の方々からも好評なんです

清原果耶がイメージキャラクター 6月22日投開票の東京都議会議員選挙

2025.05.29 Vol.Web Original

 俳優の清原果耶がイメージキャラクターを務めている令和7年東京都議会議員選挙の周知用動画『一票一票、東京はすすむ。』篇が公開中だ。

 動画は「一票一票、東京はすすむ。」をキャッチコピーに、清原が異なる背景や環境にある人たちとともに、東京の未来を見つめるというもの。一人ひとりが東京の未来を担うキーパーソンであるというメッセージや、想いを込めて一票を投じることで、理想の東京が形作られることを描いている。

 清原は「皆さんが見つめるその先にはどんな東京がありますか。思い描いた東京へ進んでいくために、それぞれの想いを込めて皆さんの選挙区の代表を選んでください」とコメントしている。

「勝者なき都議選」自公で過半数に届かず。都民ファは2議席差で第2党をキープ

2021.07.05 Vol.Web Original

投票率は前回を9ポイント下回る

 東京都議会議員選挙(定数127)が7月4日、投開票され、期日前投票は142万5192人と前回より約7万人増えたものの、最終的な投票率は42.39%と前回を約9ポイント下回った。

 前回大敗した自民党が8議席増やし、33議席で第1党となったが、選挙協力を結んだ公明党の23議席と合わせても過半数に届かず、“勝利”とは言い難い結果となった。4日夜のTOKYO MXの番組で自民党の鴨下一郎東京都連会長は「今回の選挙は誰が勝利者というのはない」と語った。

 一方、第1党だった都民ファーストの会は改選前の45議席から14議席減らし、31議席となったが、選挙戦序盤の予想では「10議席を割るか?」という見方もあっただけに、大きく巻き返した形となった。

 これには1日にテレワークで公務に復帰した特別顧問を務める小池百合子東京都知事の存在が大きかったといわれている。小池氏は2日に行った定例会見で「山積する課題に全力で取り組んでいく。どこかでバタッと倒れているかもしれないが、それも本望かもしれない」と語ったのだが、その「倒れても本望」発言が多くのメディアで取り上げられ、そして3日には激戦を展開中の選挙区を回ったことで都民ファに大きな追い風が吹いた。

 共産党は「五輪中止」を掲げ18から19に議席を増やし、立憲民主党も8から15にほぼ倍増と勢力を拡大。

 自公で過半数に届かず、都民ファも一定の勢力を維持したことから、今後の議会運営が不安定となるリスクが高まった。新型コロナ対策、財政再建に向け、課題は山積だが小池知事の手腕に注目が集まるところとなる。

 また今回の自民の33という数字は過去2番目に少ない議席数で、都議選が前哨戦ともいわれる衆議院議員選挙に向け、自民は厳しい局面に立たされた。

伊藤悠 東京都都議会議員: コロナ禍の都議は往診する町医者、 コロナで浮き彫りになった問題の解決がよりよい東京をつくる〈都議選2021〉

2021.06.11 Vol.Web Original

 2005年に初当選し都議会議員となった伊藤悠議員(都民ファーストの会)。途中、議員の職を離れた期間もあったが、現在3期目。当選時には想像することもなかったコロナ禍の東京で、精力的に活動を展開している。

 伊藤議員が政治を目指すようになったきっかけは中学校の時の体験だ。当時は学校が荒れていた時代で、落ち着いて仲間と切磋琢磨しながら勉強できる環境とは言えなかったという。同じ教室で机を並べているにも関わらず、勉強ができる生徒、できない生徒、「勉強できないから、いい仕事にもつけるわけがない」と将来をあきらめてしまっているかのような生徒ーーなぜこんな違いが出るのだろうと思ったという。「それが僕の社会に対する問題意識の芽生えでした」と語る。

 当時の伊藤議員が気づいたのは、塾に通っているのか、そうでないのかが、関係がありそうだということ。言い換えれば「教育格差」。それが伊藤議員の活動のドライブになっている。


「塾のない社会」をつくりたい。

 伊藤議員が掲げるのは「塾のない社会」の実現だ。その第一歩が『スタディ・アシスト』。公立中学校の中に塾を作って、塾に通わなくても希望の進学ができる公立学校を作りたいという試みで、伊藤議員が小池百合子都知事に提案し、立川市立中学校でスタートした。

「塾に行かなくてもいいように学校の中に塾を持ってくるという発想です。週に2日程度ですが、塾講師が学校で授業をします。経済的な問題で塾に行けない生徒たちはもちろんですが、塾に通う時間もなくなるし、学校の先生も塾と情報を共有できるとお言葉をいただいています」

 ただ『スタディ・アシスト』が行きわたるまでにはまだ少し時間がかかる。そのため、塾の費用をサポートする『スタディ・クーポン』も併用して、子どもたちの教育の格差をなくす方法を模索している。

 別のアプローチとして、「大学に行かなくてもいい選択肢」作りも活動のなかにある。都立工業高校改革がその例だ。

「今の企業経営者は、大学卒業資格ではなく優秀でスキルを身に付けている人を大事にしている」と伊藤議員。「最近の新卒の子たちは多くの人が奨学金の返済、借金を抱えて入社してくると聞きます。大学に行くには借金をしなきゃいけない状況になっているんですよね。それならば必ずしも大学に進学しなくてもいいんじゃないかと。例えば、ICTの技術だけを学べる学校があったら、”借金してまで大学進学”するほどの金額にはならないんじゃないかと思います」

 

浜辺美波が東京都議会議員選挙のイメージキャラクターに「自分の想いを一票に変えて」

2021.05.25 Vol.Web Original


 浜辺美波が7月4日の令和3年東京都議会議員選挙のイメージキャラクターを務めることになり、そのメインビジュアルが公開された。ポスターは6月4日から東京都及び区市町村関連施設などで順次掲出される。

 キャッチコピーは、『「今」の想いを、東京のエネルギーに。』で、若い人たちはもちろん、幅広い世代へ投票に行くことを呼びかける。

 浜辺は、「この1年で、皆さんが色々なことを考え、たくさんの悩みを抱えるようになったと思います。選挙という機会を通じて、ただ悩むだけではなく、自分のその想いを一票に変えて選挙会場へ足を運んでいただきたいです。その一票で何かが変わったり、自分の中の整理にもなると思うので、今一度自分と向き合って、投票に行ってもらえるとうれしいです」と、コメントを寄せている。

 東京都選挙管理委員会は、「コロナ禍で政治への関心が拡大している今だからこそ、全ての世代に対して、「選挙=自分の想い」を伝える手段であるというメッセージを発信していきます」としている。

 東京都選挙管理委員会では、投票所内での感染・まん延防止に取り組んだうえで選挙を実施するとともに、混雑緩和のため、期日前投票の利用も呼びかけている。

都民ファーストの会49議席の圧勝

2017.07.10 Vol.694

都民が新しい議会を要望! 都議選で自民が歴史的惨敗

 東京都議会議員選挙(定数127)が2日、投開票され、小池百合子都知事が代表を務める地域政党「都民ファーストの会」が49議席を獲得して第1党となった。選挙協力した公明党の23人なども含め、小池氏の支持勢力で過半数の79議席を獲得する圧勝だった。

 改選時57議席で第1党だった自民党は23議席と歴史的惨敗を喫した。この23という数字は平成21年に記録した38議席を大きく割り込むもの。学校法人「加計学園」の文書問題や、稲田朋美防衛相の失言など国政の問題が大きな逆風となった。

 都選挙管理委員会によると、確定投票率は51.27%で、前回の43.50%を7.77ポイント上回った。

 小池氏は2日夜、都内のホテルに設けた開票センターで「“古い議会を新しく”を標ぼうさせていただき、さまざまな新しい顔ぶれで戦わせていただいた。都民の皆様から東京大改革への期待を受けての結果だと考えております。今回の都議選、やはり都民目線で都政を一つ一つ語ったということに尽きるかと思います」と勝因を語った。

 また都民ファーストの会の議員に対しては「これから見える化する都政、都民に近い都政を築くためにも、都民ファーストの会を選んでよかったとそれぞれの地域で感じていただけるように選ばれた方々にはさらなる努力をしていただきたい」と要望した。

 かねてから噂される国政進出については 「私たちはあくまで都民ファーストの会。都民のために最大の努力をするということ。一部の業界団体ではなくて都民全体の利益をどうやって確保するか。そのことについて私は都知事として、選ばれた議員の皆さんは新しい議員としてそのことを共通の目標としてやっていきたい。今回の都議選の結果をどう考えるのかは今後、自民党が考えることだと思う」と話した。

 また自らが代表を務める勢力が第1党になったことで二元代表制への懸念を問われると「これまでがドンによる一元代表制だった。これでちゃんとした二元代表制が確立すると思っている」と話したが、一夜明けた3日、「二元代表制への懸念があることを想定し知事に専念する」として同日付で代表を退き、特別顧問に就任することを表明した。

都議選で都民ファーストの会の動向に注目集まる

2017.06.26 Vol.693

 東京都政は昨年8月の小池百合子東京都知事の誕生以降、かつてないほどのダイナミックな動きを見せてきた。多くの都民が都政について真剣に考えるようになり、金曜に行われる都知事の定例会見に大きな注目が集まるようになった。そんななか、今年は都政にとっては4年に1度の大イベントである都議選(6月23日告示、7月2日投開票)が行われる。

 今回の選挙の注目はとにもかくにも「都民ファーストの会」の動向だろう。都知事選中から自民党都議団を「ブラックボックス」と言い、対決の構図を作ってきた小池氏だが、都政の運営にあたっては議会の過半数を占める自民・公明は無視できない存在だ。改革を進めるためには同じ志を持った人を多く議会に送り込まなければいけない。そんな考えもあって昨年10月、小池氏は政経塾「希望の塾」を開校し、同志を募った。そういった流れの中でできたのが地域政党「都民ファーストの会」。同会には改革志向の強い都議たちもそれまで所属していた党を離れ身を投じるなど多くの人材が集まり、現職・元職・新人を合わせ50人(6月21日現在)を公認するまでの勢力となっている。

 昨年12月には都政においても自民党と長く協力体制を築いてきた公明党が自民と一線を引き、都民ファーストの会と選挙協力体制を構築するなど都政の勢力図に大きな変動が見られた。

 さて、今回の選挙後にはいったいどのような都議会が形成されるのか。

 争点となりそうな問題はさまざまあるが、最も目を引きやすいものはやはり築地市場の豊洲への移転問題か。

 自民都連が早期移設を公約に掲げれば、共産党は築地を主張。公明党は「早期に結論を出すことが大事で争点にはならない」との立場を取る中で、都民ファーストは5月23日に発表した公約でも移転の可否には触れていなかった。

 果たして告示前に方針が示されるのかと注目が集まる中、小池氏は20日、緊急の記者会見を開き、中央卸売市場を豊洲に移転する基本方針を表明した。一方、築地市場は「築地ブランドを守っていく」として、5年後をめどに市場機能を残した「食のテーマパーク」とする再開発を想定。築地に戻ることを希望する仲卸などの業者を支援し、豊洲・築地の両立を目指すとした。

 小池氏は会見で「築地と豊洲を両立させることが最も賢い使い道だ。単に移ると赤字が継続する」と指摘。「それを打破するためにも築地と豊洲をうまく活用することでダブルのプラスに持っていく」と強調した。

 他に東京都が抱える問題としては待機児童問題に代表される子育て支援政策、2020年オリンピック・パラリンピックの経費問題、議会改革といったものがあげられるが、子育て支援などは基本的にはどこの政党も前向きな案件。こういったものについては実現へのプロセスのリアルさが投票への大きなファクターとなりそうだ。

選挙はひとつの手段。投票は終わりではなく始まり 堀潤氏(NPO法人「8bitNews」代表)

2017.06.26 Vol.693

 東京都議会選挙は6月23日に告示され、7月2日に投開票される。昨年夏に小池百合子東京都知事が誕生して以来、都政に対する注目度はかつてないほど高い。そのなかで行われる都議選はどう読み解くべきか。ジャーナリストの堀潤氏に話を聞いた

東京都議選直前企画① 主要政党の重要政策をチェック

2017.06.19 Vol.692

 東京都政は昨年8月の小池百合子東京都知事の誕生以降、かつてないほどのダイナミックな動きを見せてきた。多くの都民が都政について真剣に考えるようになり、金曜に行われる都知事の定例会見に大きな注目が集まるようになった。そんななか、今年は都政にとっては4年に1度の大イベントである都議選(6月23日告示、7月2日投開票)が行われる。告示を前に、今回の選挙の争点や注目候補などを探っていく。

 今回の選挙の注目はとにもかくにも「都民ファーストの会」の動向だろう。都知事選中から自民党都議団を「ブラックボックス」と言い、対決の構図を作ってきた小池氏だが、都政の運営にあたっては議会の過半数を占める自民・公明は無視できない存在だ。改革を進めるためには同じ志を持った人を多く議会に送り込まなければいけない。そんな考えもあって昨年10月、小池氏は政経塾「希望の塾」を開校し、同志を募った。そういった流れの中でできたのが地域政党「都民ファーストの会」。同会には改革志向の強い都議たちもそれまで所属していた党を離れ身を投じるなど多くの人材が集まり、現職・元職・新人を合わせ48人(6月16日現在)を公認するまでの勢力となった。

 昨年12月には都政においても自民党と長く協力体制を築いてきた公明党が自民と一線を引き、都民ファーストの会と選挙協力体制を構築。今回の都議選は自民vs都民ファーストの会の図式に大きな注目が集まっている。

 今回は主要政党の主な政策を紹介する。(編集部調べ)

東京都議会自由民主党
重点政策
・豊洲市場(江東区)への早期移転
・2020年東京五輪・パラリンピックの施設整備の加速
・個人都民税の10%減税
・都内私立小・中学校の授業料の無償化 
・受動喫煙防止条例の制定 など

都議会公明党
重点政策
・「受動喫煙防止条例」の制定
・2020年東京五輪・パラリンピックの経費節減へ、大会組織委員会の経費透明化や議会のチェック体制を確立
・築地市場の豊洲移転の早期実現 など

民進党
重点政策
・待機児童がいる世帯への手当ての支給といった「子どもファースト」
・安心・応援「家賃補助」を創設
・「禁煙条例」を制定
・駅ホームドア100%設置へ
・安心の災害対策
・カジノにNO!
・密室型政治に終止符を打つ!

日本共産党東京都議会議員団
重点政策
・築地市場の豊洲移転中止
・2020年五輪の成功と費用節減
・保育園待機児解消と国民健康保険の負担軽減など暮らしと福祉を支える
・23区と多摩地域との格差解消
・35人学級の実現
・原発ゼロと予防重視の防災対策
・安倍首相の9条改憲を許さず横田基地を撤去する
・都議会・都政改革

都民ファーストの会
重点政策
・「格差」と「段差」をなくす
・都民の食の安全と安心を守る
・受動喫煙対策の実施
・女性とシニアの力をもっと活かす
・待機児童という言葉をなくす

都議会生活者ネットワーク
重点政策
・議会改革!都民の多様な声が届く、ひらかれた都政に
・きっぱり!生活者宣言 働きやすい暮らしのまち東京へ
・福祉優先のまち 待機児ゼロ! 女性、子ども、高齢者に もっとやさしく
・豊洲反対/原発ゼロ 食・住・エネルギー 安全・安心の東京
・オリンピック・パラリンピック 負の遺産を許さない!
・人と動物が共存できるまちをつくる

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