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25周年の1作目にふさわしい存在『百年の秘密』ナイロン100℃ 45th SESSION

2018.04.04 Vol.704

 ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)率いるナイロン100℃が今年、劇団結成25周年を迎えた。25年=四半世紀と聞くとその長さに驚くが、その間、色あせることなく常に日本の演劇界を引っ張ってきたナイロン100℃。作・演出のKERAはもちろん、その作品を深く理解し舞台上で表現する俳優たちも含めた“劇団力”は驚異的だ。

 本作は友情を結んだ2人の女性の半世紀にわたるそれぞれの人生を繊細な心理描写を交え描いたもの。2012年に初演され、再演を望む声が高かった作品だ。

 主軸となる2人の女性を犬山イヌコと峯村リエが演じる。

 この2人はみのすけ、三宅弘城らとともにナイロン100℃の前身である「劇団健康」のころからKERAとともに作品を作ってきた。まさに25周年の1作目にふさわしい存在。

 今年は本作に続き、7月には新作『睾丸』(仮題)が予定されている。2公演とも劇団員が一堂に会する。ナイロン100℃ファンには見逃せない2公演。

ナイロン100℃ 45th SESSION『百年の秘密』
【日時】4月7日(土)〜30日(月・休)(開演は火金18時30分、水14時、木19時。土は7日18時30分、14・21日・28日13時/18時30分。日は8日17時、15・22・29日13時。月は9・16・23日休演、30日13時開演。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前)
【会場】本多劇場(下北沢)
【料金】全席指定 前売・当日共6900円/学生割引券3400円(チケットぴあ前売のみ取り扱い。当日受付にて学生証提示)
【問い合わせ】キューブ(TEL:03-5485-2252=平日12〜18時 [HP] http://www.cubeinc.co.jp/ )
【作・演出】ケラリーノ・サンドロヴィッチ
【出演】犬山イヌコ、峯村リエ、みのすけ、大倉孝二、松永玲子、村岡希美、長田奈麻、廣川三憲、安澤千草、藤田秀世、猪俣三四郎、菊池明明、小園茉奈、木乃江祐希、伊与勢我無/萩原聖人、泉澤祐希、伊藤梨沙子、山西惇

2年ぶりの劇団公演 ナイロン100℃ 44th SESSION『ちょっと、まってください』

2017.11.15 Vol.700

 プロデュース公演でも引っ張りだこで、毎年コンスタントに作品を発表し続けているケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)。その名前を頻繁に目にすることからうっかりしていたが、ふと気が付くと、劇団公演は2年ぶり、劇団への新作書き下ろしは3年ぶりというからちょっとびっくり。

 今回は“乞食と金持ちの家族が入れ替わる”という奇想天外な“不条理喜劇”になるという。こう聞くと『王子と乞食』を連想する人も多いだろうが、それとは一線を画した物語になるらしい。

 KERA自身がやりたいことをやりたいだけやり、KERA作品を知り尽くした劇団員たちが自由自在に動き回る。そして客演の俳優たちはナイロン100℃という独特の世界の中で、よそでは見せたことのない顔を見せ——というのが劇団公演の醍醐味。ホームグラウンド“ならでは”の作品となりそうだ。

 客演の水野美紀はナイロン100℃には2度目の出演。出産もあり舞台は約1年ぶりで、今年初めての出演となる。

個性あふれるラインアップが楽しい最近の公共劇場 世田谷パブリックシアター+KERA・MAP #007『キネマと恋人』

2016.11.13 Vol.678

 国内外を問わず、また古典か新作かなどということにもとらわれず幅広い主催公演のラインアップを展開している世田谷パブリックシアター。

 今回初めてケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)を迎え、新作『キネマと恋人』をシアタートラムで上演する。

 本作はKERAが敬愛する映画監督、ウディ・アレンの映画『カイロの紫のバラ』にインスパイアされた作品。同作は映画館に通うことがささやかな楽しみの主婦が映画を見ていると、登場人物が突然語りかけ、さらにスクリーンから現実の世界に抜け出てしまい、映画館や映画業界を巻き込んだ大騒動が巻き起こるというファンタジックなお話。

 舞台では時代は映画同様に1930年代、設定を日本の架空の港町に置き換え、銀幕の俳優への女性の淡い恋心をめぐる騒動を描くロマンチックコメディーに仕立て上げる。

 銀幕の俳優を演じる妻夫木聡は初めてのKERA作品への出演。野田秀樹作品への立て続けの出演で、舞台俳優としても着実に成長を続ける妻夫木。今度はKERAのもとでどんな姿を見せてくれるのか。

世田谷パブリックシアター+KERA・MAP #007『キネマと恋人』
【日時】11月15日(火)?12月4日(日)(開演は月14時/19時、火水木金19時、土13時/18時、日13時。※16日(水)は14時の回あり。23日(水)は14時開演。1日(木)は14時の回あり。17・22・29日休演。開場は開演30分前)【会場】シアタートラム(三軒茶屋)【料金】全席指定 一般 7200円、プレビュー(15?16日)6700円/高校生以下 一般 3600円、プレビュー 3350円(世田谷パブリックシアターチケットセンター窓口&電話予約のみ取扱い、年齢確認できるものを要提示)/U24 一般 3600円、プレビュー 3350円( http://setagaya-pt.jp/tickets/howtobuy/u24.html 参照) 当日券あり【問い合わせ】世田谷パブリックシアターチケットセンター(TEL:03-5432-1515 [HP] https://setagaya-pt.jp/ )【台本・演出】 ケラリーノ・サンドロヴィッチ【出演】妻夫木聡、緒川たまき、ともさかりえ、三上市朗、佐藤誓、橋本淳、尾方宣久、廣川三憲、村岡希美、崎山莉奈、王下貴司、仁科幸、北川結、片山敦郎

舞台『ヴァンパイア騎士』に出演するカリスマ男装モデル・AKIRAに注目

2015.01.11 Vol.634

 出演者は全員女性で、イケメン男子役を男装女子が演じる異色の舞台『ヴァンパイア騎士』が1月21日から東京・博品館劇場で上演される。

 同作は月刊「LaLa」で2005年〜2013年まで連載された樋野まつりの人気少女漫画が原作。

 名門・黒主学園には一般生徒が通う普通科(デイ・クラス)と美形エリート集団・夜間部(ナイト・クラス)がある。ナイト・クラスに通う生徒たちは全員が吸血鬼。そして学園には過去に隠された真実があった。

 主人公の黒主優姫を乃木坂46の若月佑美、優姫の命の恩人でナイト・クラスの中心人物・玖蘭 枢をAKIRAが演じる。

 ちなみに男装女子とは女性が男性の格好をする現象。または、その格好をしている人を指す。最近では「男の子よりもカッコ良くてかわいい」「二次元以外で理想の男性」といった感じで10〜20代の女子を中心に注目を集めている。

 AKIRAは雑誌「KERA」ではこれまで10回表紙を飾るボーイズファッション(男装)のカリスマモデル。その一方ではアーティストとしても活動し、2010年6月、「上海万博」でのファッションショーへの出演を皮切りに、2013年7月にはフランスでの「JAPAN EXPO 2013」でオープニングアクトを務め、2014年3月にはアメリカ・ヒューストンの「ANIME MATSURI」と、海外のイベントにも多数出演している。またミュージシャンとしては昨年7月にメジャーデビューを果たし、今回の舞台では1月21日にリリースされる2ndシングル『キリエ・トロイメンの調べ』がテーマソングとなっている。

 ジャンルを超え、今年注目の存在だ。

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