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クラウドファンディングでぜんそくの子どもに新しい治療法を!

2018.01.12 Vol.Web Original

 インターネットで資金を集め、プロジェクト実行の支援をするクラウドファンディング。プロジェクトを立ち上げるのは、個人、団体、企業、自治体などで、社会貢献度の高いものから個人的なものまでその内容、動機、目的はさまざま。

 アメリカやイギリスでは、資金集めの方法として一般的なものになりつつあるが、日本ではまだ始まったばかり。2011年3月に、現在国内№1規模のクラウドファンディングサービス会社「READYFOR」がサービスを開始。当初の支援額は1000万円程度だったものが、2017年には累計55億円以上の支援額を誇る。

 同社がサポートするプロジェクトは、社会貢献から地域活性、アートやパフォーマンス、起業など多岐にわたり、現在(2017年1月)、約7500件以上のプロジェクトを掲載。ホームページではそれらのプロジェクトを見られ、普段なかなか知ることが出来ない今後成長する可能性のある製品やサービス、あるいは社会的意義の高い活動を簡単に探すことが可能だ。

 例えば、東京慈恵会医科大学附属第三病院小児科の勝沼俊雄教授による「ぜん息に悩む子どもへの薬の投与量を減らしたい!患者さんと家族のために研究を続けていく」( https://readyfor.jp/projects/difto )は、乳幼児ぜん息(1~4歳)を対象にした、新しい治療方法の臨床研究のためのプロジェクト。社会的意義と公益性は認められてはいるが計画が延びたことで、公的資金の提供が終了となったため、その継続にかかる資金を調達したいという。

 この研究のゴールが見えれば、子どもの約5%がかかっていると言われる小児ぜんそく治療の常識が劇的に変わるばかりか、副作用や親の負担の軽減、医療費コストの削減などの波及効果も期待できる。

 勝沼教授は「公的研究資金の提供が終了となったとき、全てを投げ出して諦めそうになりました。しかし、既に研究に参加してくれていたお子さんとそのご家族の貴重なお志を無に帰すという選択はしたくなく、研究を諦めることはできませんでした。研究をやり遂げて、ぜんそく児のご家族の時間を大切にしたい」とクラウドファンディングでプロジェクトを立ち上げた理由を語る。

 このように、クラウドファンディングは実行者、支援者にメリットがあるだけではなく、そのプロジェクトが成功することで多くの人の利益になるものも多い。クラウドファンディングのプログラムの中に、自分にもできる“何か”が見つかるかも。

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