KIDさんお別れ会で魔裟斗が「お疲れ様でした。KID、今までありがとう」

祭壇には中央に近年の写真、左に2001年の修斗でのプロデビュー戦での写真、右にはUFCでの写真が飾られた

「KRAZY BEE」選手代表の矢地祐介は最後は涙をこらえきれず
 9月18日に逝去した総合格闘家の山本“KID”徳郁選手の「お別れの会」が11月4日、都内の青山葬儀場で行われた。

 会にはゆかりの格闘家はもとよりスポーツ選手、アーティストら多くの参加者が訪れ、故人をしのんだ。

 弔辞では父親の山本郁榮氏が、「姉の美憂が幼いころに怒られてベランダに出された時に“お姉ちゃんを許してください”と懇願し、“ダメなら僕も一緒に出ます”とベランダへ出た思い出があります」などと幼いころのエピソードを語った。

 所属ジム「KRAZY BEE」の選手代表として弔辞を送った矢地祐介は15歳で前身である「KILLER BEE」に入会した時にKIDさんに「頑張れよ、いっぱい練習して強くなれよ」と声をかけてもらったこと。それからずっとKIDさんを追いかけてきたこと。そして今では大きな舞台で活躍するようになり、KIDさんとジムに恩返ししていこうと思った矢先の訃報に悔しい気持ちであることなどを語った。最後は嗚咽を漏らしながら「そっちに行った時には、またいろんなアドバイス、いろんなテクニックを教えてください」と声を振り絞った。

魔裟斗はお別れの会後に報道陣の取材でKIDさんの思い出を語った

魔裟斗「いつか2人で酒でも飲んで思い出を語る、というのが実現しなかったのが心残り」
 かつてKIDさんと戦った魔裟斗は「いつか2人で酒でも飲んで思い出を語る、というのが実現しなかったのが心残りです。KIDも新しい家族ができてこれからって時に病気になってしまって、本当に悔しかったと思います。これからは、KIDイズムを持った後輩たちが、KIDのファイトスタイル、魂を継承して、格闘技界を盛り上げてくれると思うので、あの世で見守ってあげてください。最後の最後まで現役選手、お疲れ様でした。KID、今までありがとう」と声をかけた。

山本アーセン

山本アーセン「観客わかせるから、その観客の声届けるから聞いててね」
 KIDさんの甥で格闘家の山本アーセンは2015年のプロデビュー時にKIDさんから受けた気遣いを明かしたうえで「やっと今、格闘技の楽しさとか分かってきたのに、いま逝ってもらっちゃキツいなあ…。まだ横にいて、一緒にやりたかったな。でもそのぶん、頑張るから。ノリに心配かけないように、怒られないように、2倍頑張って、観客わかせるから、その観客の声届けるから聞いててね。俺も絶対あきらめないから。最後の最後まで戦って、ノリさんとこにチャンピオンベルト巻いてそっちいくから、待っててね」と呼びかけた。