西原理恵子らが参加、依存症啓蒙イベント

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『ニッポンの(薬物)依存』(デーブ・スペクター×近藤恒夫著・生活文化出版)と『おサケについてのまじめな話』(西原理恵子×月乃光司著・小学館)の合同出版記念イベントが19日、東京・東中野の会場で開催された。
 同イベントは薬物やアルコールなどの「依存症」の正しい理解について社会的啓蒙を目的にしており、当日は立ち見もでるほど。
  登壇者は、『おサケ〜』の著者で、アルコール依存症のパートナーを持った漫画家の西原理恵子、アルコール依存症の父親を持った東ちづる、『ニッポンの〜』の著者で覚せい剤依存症から立ち直り、現在薬物依存症リハビリ施設「日本ダルク」代表・近藤恒夫、アルコール依存症・処方薬依存症を乗り越え詩人として活動する月乃光司の4名。
  西原は「結婚して6年間、夫のアルコール依存症に苦しめられた。離婚して依存症を治し帰ってきた彼を見て、依存症は病気だということを理解した。依存症の家族を持つ人は、病気に対する正しい知識を持つことが大切」と語った。また、近藤は「自助グループに参加することで、薬と縁が切れた。やめ続けていられるのもそういう人との出会いがあるから。だから刑務所に入れるのではなく、社会で更生させるシステムをつくるべき」と自分の経験から依存症患者の回復支援についての意見を述べた。
  全国で200万人と推測されるアルコール依存症、そしてほかの薬物依存症で苦しんでいる人やその家族が、依存症は病気だと言うことを正しく認識し、社会の誤解と偏見をなくすことが、治療への第一歩となる。