なでしこジャパン 五輪予選前に弱点露呈

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8月19日、国立競技場。なでしこジャパンのFW川澄は攻守に活躍(撮影・蔦野裕)

 東日本大震災復興支援チャリティーマッチ「なでしこジャパン(日本女子代表)vsなでしこリーグ選抜」の一戦が19日、東京・国立競技場で開催され、3−2でなでしこジャパンが辛勝した。午前中から大雨というあいにくの天気だったが、2万2049人の観衆が駆けつけた。

 なでしこジャパンは前半、ボールを支配し世界を制したパスサッカーで、15分にはDF近賀、18分にはFW川澄、23分にはMF阪口が立て続けにゴールを決め3−0で折り返す。

 後半はW杯決勝のレッドカードで次戦が出場停止となるDF岩清水に代えて、上尾野辺を投入するなど、出場機会の少ない選手を積極的に試したなでしこジャパンだったが、交代出場の選手が今一歩機能しない。コンビネーションが乱れ、反撃を許してしまう。

 一方、即席チームということもあり、前半は思うように攻撃パターンが作れなかったリーグ選抜は、後半には見違える動きを見せる。終了間際にはなでしこのDF矢野がPKを与えてしまい、試合は3−2で終了した。

 試合後の会見でリーグ選抜の星川監督は代表の弱点について「昨日集まって、パッと練習しただけのチームに、しっかりブロックを作られたら点数が取れない。実際、前半に崩されたのはあの失点シーン以外にはなかった。高い位置に入ったサイドバックの背後と、センターバックのスピードのなさというのは、なでしこジャパンのウイークポイント」としたうえで、この日の試合を「五輪予選に向けてはいいシミュレーションになったと思う」と語った。

 身内の手によって弱点を暴かれたなでしこジャパン。この日の結果に不安を感じる向きもあるが、佐々木監督は「今日もスライディングも、こちらのほうが多かった。ひたむきにやっていると思う。“ボールを動かすのがうまい”だとか“女子のバルセロナだ”とか、そんな思いではやらないつもり」と“対アジア”に向けての決意を語った。