高田純次インタビュー  テキトーにマジメに語る

『アジアHOTプレス!』でアジア諸国をぶらり

ミスターテキトーこと、高田純次がアジアに進出!? たくさんのアーティストや俳優たちが海外を目指す風潮に便乗ということなのか、高田は今、甚平姿でテキトーにアジア各国に出没中だ。アジアを旅して何を思う?

ph_inter0100.jpg

撮影:蔦野裕

 ミスターテキトーは予想通りにテキトーだった。インタビューは完全に相手ペース。メジャーリーグベースボールから老後まで語り、気づけば同席したメンバーで大笑い。最後には「あれ、この話で大丈夫だったかな」と、本人に心配されるほど、記者にもテキトーぶりが伝染。でもいい、楽しければ。

 話題は高田がアジアを旅する番組『アジアHOTプレス!』。一般的な観光地はほぼ訪れず、甚平姿で街をウロウロ。行き当たりばったりの旅で、駐在員や街で見かけたお嬢さんを捕まえて語らい、ディープなアジアをリポートする。

「楽しいよ。2泊4日、うち一泊は機内泊とかで、全然遊ばせてくれないんだけどね」

 さまざまな番組で、世界の国々を旅したが、こんなにテキトーなのは初めて。

「個人的に海外に出たのは、覚えている限り、1回家族でカナダに行っただけで、その他はみんな仕事。普通は企画がちゃんとあるし、観光地に行かない旅っていうのもないよね。僕はロケが好きだからいいけど、現地に行って撮影してそのまま帰るってスケジュールもすごい(笑)」

 バンコク、シンガポール、ベトナムとこれまで3カ国を訪れた。そのなかで、ミラクルな出会いもあった。

「2泊4日のスケジュールだから、所詮、僕も観光客目線だし、その国の本当のところはどうかなんて分からない。だけど、駐在員だとか何年も現地に住んでいる方に聞くことで、少し見えるところはあるね。例えば、バンコクは渋滞で有名で、住んでいる人はうまく解決できないかなって思ってる。その一方で、それがまたいいっていうのもあって、国もあえて渋滞を緩和することはしてないんじゃないか、っていう意見があったり。この間行ったベトナムではね、お父さんを訪ねてきたっていう日本人のお嬢さんに会ったんだけれど、彼女のお父さんは定年してから、ベトナム語を勉強したいって年に1カ月か2カ月ぐらいベトナムで暮らしてるっていうんですよ。その親父さん、こっちに家を買ったんじゃないかって話もあって、女でもいるんじゃないかってお母さんが心配しているんだそう。そりゃ娘も会いにくるよって(笑)。そういうのもいいな、自分もそうしようかって思うんだけど、かあちゃんをどうごまかすかが問題なんだよね。その親父は分からないけど、僕がベトナム語の勉強とかいっても説得力がない(笑)」

 映画よりも小説よりも奥深いリアルな人間のドラマを聞く。街を歩いて土地の風を自分の体で受け止める。そうするなかで、ミスターテキトーでも、真面目に考えたりすることもあるという。

「もう日本はどんどん追い抜かされちゃうなって、あの熱気を感じると思うね。ちょっと前までは、バンコクやベトナムにしゃれおつなビルがあるなんて想像し難かったけど、そういうのがどんどん建ってるし、シンガポールは、F1を誘致して、そのために2500室もあるホテルを建てて、自分の国にお金が落ちる仕組みを作っている。確かに貧富の差はあると思うよ。だけど、一般庶民はどんどんお金を使っていて、いい空気というか、そういう経済が回ってる感じがあるんだけれど、ベトナムの大型家電量販店では日本メーカーの名前はほとんど見なかったんだよね……。サムソンとかさ、他の国のものがバンバン売れてる」

「この調子じゃ、ねぇ」と、少々渋い顔を見せつつ、「そういうところを見てもらって、少しでも考えてもらえたらいいよね」といつになく真面目な表情を見せたが、もう心は次のロケ地・台湾に向かっているよう。

「すごく楽しみだよ。台湾は5回ぐらい行ったことがあるしね。取材のポイントが分かる? いやぁ、全然分からないよ。どこ行ったとかまったく覚えてないから。まあ、どこに行くにしてもそうなんだけどさ。だから、いいよ。毎回新鮮で」

 なんて、テキトーな。

(本紙・酒井紫野)

ph_inter0101.jpg

『アジアHOTプレス!』

BS12ch TwellVにて毎週土曜日21〜22時放送中
公式HP http://www.twellv.co.jp/event/asia/