伊勢谷×玉鉄×桃李が父親に ドラマ『尾根のかなたに~』

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 WOWOWのドラマWスペシャル『尾根のかなたに~父と息子の日航機墜落事故~』(WOWOWプライム、10月7日、14日午後10時)の試写会が4日、都内で開催され、伊勢谷友介、松坂桃李、玉山鉄二、そして緒形直人、石田ゆり子らがあいさつに立った。伊勢谷は「自分が死んだとして、残された人が前に向かって生きられるような精一杯の生き方をしていかなきゃならないと思った。心苦しい事故でしたが、みなさんに(その思いを)スクリーンを通じてお届けできたら」と、熱く語った。

 原作は門田隆将による同名のノンフィクション小説。ドラマではそれを前編と後編の2部構成にして放送する。登場する人物たちが「特別な人ではなく普通の人である」ことを見せたいという思いから、前編では犠牲になった父親やその家族の姿をていねいに描く。親しみのある父親と息子の関係や、ひまわりのように明るい家庭が、事故によって大きく変わっていく様には、胸を締め付けられそうだ。

 伊勢谷、松坂、玉山はそれぞれ異なるバックグラウンドを持つ役柄。伊勢谷は、父と同じ歯科医の道を進んだことで事故後は検死に協力するという難しい役。松坂は母親と妹を失い、そして玉山はひまわりのような父の遺志をまっとうしようとする。取り巻く状況や家庭の環境がことなる3者が、それぞれ考え、悩みながらも、絶望から立ち上がる様子が描かれる。

 ドラマ内では3人とも父親になる。玉山は撮影に入る数日前に実生活で父親になったこともあって、「不思議な感覚。想像しただけで心が敏感になった」。3人の男の子の父親を演じる松坂は「体力使うなって思いましたね。僕にも理想のオヤジ像があって、厳しくて......とか。でも、自分の父親は反対の人だし、僕も結婚したら(奥さんの)尻にしかれてしまうのかな......」と苦笑いだった。

 他共演は、玉山演じる上杉の父親役に緒形直人、母親役に石田ゆり子。さらに、伊勢谷演じる峰岸の父親に國村隼、その母親に余貴美子、松坂演じる小倉の両親に萩原聖人と広末涼子など。伊勢谷は「映画でもありえないキャスト! こういう場でお芝居をさせていただいて光栄」と目を輝かせていた。

 脚本は連続テレビ小説『おひさま』や『最後から二番目の恋』の岡田惠和。監督は『ホワイトアウト』『沈まぬ太陽』などの若松節朗。