鈴木寛の政策のツボ 第二十五回

五輪を東京で再定義する
 この原稿が世に出る頃には都議会議員選挙の結果が出ています。2020年オリンピック・パラリンピック招致は都政の重要課題の一つ。選挙戦中は、私の仲間を始め、多くの候補者が招致によって東京をどのような街にしたいか各自のビジョンを訴えていました。

 さて都議選の後は参議院選挙です。今度は私が、東京オリンピック・パラリンピックに懸ける思いを有権者の皆様に問いかける番になります。目に見える成果としては、インフラのリニューアル。さる5月23日、サッカーのオランダリーグに指導者として旅立つ元日本代表の藤田俊哉さんの壮行試合が国立競技場で開催され、私も運営のお手伝いを致しました。ジュビロ時代の盟友である中山雅史さんや名波浩さんを始め、三浦カズ選手、中田英寿さんら豪華メンバーが集結。観客動員も2万を数える大盛況でした。

 藤田さんが選手生活を締めくくった国立は来年で建て替えられます。今のピッチでJリーグ公認の引退試合を行うのは、おそらく藤田さんが最後でしょう。その意味でも記念すべきゲームとなりましたが、宇宙船を思わせる壮大なデザインの新スタジアム建設を後押ししたのは五輪構想。招致に成功すれば競技場一帯など新しい街づくりの起爆剤になります。

 しかし、東京オリンピックは幻に終わった1940年も含め“3度目”。21世紀型ともいえるような新鮮味が必要です。さらにIOC名誉委員の猪谷千春さんが近著『IOC オリンピックを動かす巨大組織』(新潮社)で「競技大会のあり方は見直していかなければ」とご指摘されたように、オリンピック・ムーブメントの再構築は世界的にも課題です。

 そこで、例えばオリンピックとパラリンピックの同時開催をIOCに提案するのはどうでしょうか。現行ルールでは不可能ですが、それぐらい斬新なアイデアを世界に打ち出すべきと本気で考えます。2020年招致に成功し、開催準備に携わる機会をいただければ、各国スポーツ界に築いたキーパーソンとの人脈やこれまでの経験をフル活用し、オリンピックの再定義をする決意です。
(元文部科学副大臣・参議院議員)