武尊が3階級制覇「戦いたい奴はK-1に来い。逃げも隠れもしない」【3・21 K-1】

武尊(左)は1回戦で最大の敵、スタウロスを撃破(撮影・蔦野裕)

武尊が第4代スーパー・フェザー級王座を獲得

 新生K-1史上最大の規模で開催された「K-1 WORLD GP ‪2018 JAPAN‬ ~K’FESTA.1~」(‪3月21日‬、埼玉・さいたまスーパーアリーナ・メインアリーナ)で行われた「K-1 WORLD GP 第4代スーパー・フェザー級王座決定トーナメント」で武尊が優勝。第4代王者に輝いた。

 武尊は1回戦第3試合で前王者の大雅を破ったスタウロス・エグザコスティディスと対戦。事実上の決勝戦ともいわれる試合となった。スタウロスは65kgでも試合をするなど体格的なハンディがあると思われた武尊だが、1Rから積極的に前に出るなど、パワー負けという印象はなし。1Rからハイスピードのバックスピンキック、ボディーブロー、ヒザ蹴り、前蹴り、ミドルキックといった攻撃でスタウロスのボディーを狙っていく。スタウロスも2Rには大雅を倒した左のパンチを何度もヒットさせるが武尊は倒れない。むしろ笑顔を浮かべ、積極的に打ち合いに臨んでいく。3Rも打ち合う場面では何度も左のパンチを食らった武尊だったが、ラウンド終盤にはパンチの連打であわやの場面も作る。スタウロスも応戦し、最後まで倒れず判定となったが、武尊が3-0の判定で最大の難敵を下した。

郷州(右)に武尊の左フックが炸裂(撮影・蔦野裕)

準決勝では郷州を一蹴

 準決勝は郷州征宜と対戦。郷州は1回戦同様、プレッシャーをかけパンチを振るいながら前へ。武尊もパンチで応戦し、序盤から打ち合いに。武尊が右フック、左フックで何度も郷州をふらつかせるが、タフな郷州は倒れない。しかし、終盤、武尊がロープに郷州を詰め、右、右、左、そしてトドメの右フックの4連打。たまらずダウンした郷州が立てずに武尊がKO勝利を収めた。

最後は右フックで小宮山をKO(撮影・蔦野裕)

決勝は小宮山から3度のダウンを奪いKO決着

 決勝の相手は小宮山工介。小宮山は1回戦でスアレック・ルークカムイをハイキック一発で1RKO、準決勝では卜部弘嵩を破り勢いに乗る皇治からバックスピンキックでダウンを奪った上で判定勝ちを収め、決勝に勝ち上がってきた。

 試合は距離をとっての蹴りに勝機を見出したい小宮山と至近距離でのパンチを狙う武尊という距離をめぐる攻防に。リングを広く使い武尊の周りを回っては蹴りを繰り出す小宮山に武尊はどんどんプレッシャーをかけ距離を潰していく。1Rこそ多彩な蹴りを見せた小宮山だが、2Rになると武尊のプレッシャーはどんどんきつくなりなかなか蹴りを出すことができない。なおも小宮山を追い詰める武尊は3R、右左とボディーブローを決めついにダウンを奪う。立ち上がった小宮山に今度は左ミドルをボディーに突き刺し2度目のダウン、なおも立ち上がってきた小宮山に最後は右フックを決め3度目のダウンを奪い、KO勝ちした。

武尊のセコンドには1回戦で敗れた卜部弘嵩の姿があった(撮影・蔦野裕)

武尊「現役中に地上波のゴールデンタイム放送を実現させたい」

 武尊は試合後、リング上で「今日はK-1 がこうやってさいたまスーパーアリーナのメインアリーナに戻ってこれて、超満員になってうれしい。今日からは“新生”はいらないと思うんで、K-1でお願いします。K-1は希望とか夢とか与えられるパワーがあるし、それだけの力があると思う。地上波のゴールデンタイム放送は僕が現役中にやりたいと思っていることなので、そのためにはたくさん応援しくれる人たちがいないとできません。応援してもらえるとうれしいです。ゴールデンタイムの実現に協力よろしくお願いします」とこの日のメインイベンターとして挨拶した。そして「僕と対戦したいっていう人はいっぱいいるし、やりたいっていう選手もいる。立ち技最高のリングはK-1なので、僕とやりたいならK-1に上がってきてください。逃げも隠れもしない。K-1が立ち技最高のリングです。K-1最高!」とアピールした。

最後は「K-1最高!」で締めた武尊(撮影・蔦野裕)
◇プレリミナリーファイト第1試合/K-1ライト級/3分3R
○佐野純平(3R2分10秒 KO)松村英明●

◇プレリミナリーファイト第2試合/K-1ウェルター級/3分3R
●加藤虎於奈(判定0-2 29-30、29-30、29-29)瑠久○

◇プレリミナリーファイト第3試合/K-1ライト級/3分3R
●原翔太(1R 1分23秒、KO)近藤魁成○

◇プレリミナリーファイト第4試合/K-1スーパー・フェザー級/3分3R
●闘士(1R 2分27秒、KO)覇家斗○

◇K-1 WORLD GP第4代スーパー・フェザー級王座決定トーナメント・リザーブファイト/3分3R・延長1R
●横山巧(判定0-2 29-29、30-29、29-29)大岩龍矢○

◇第1試合/K-1 WORLD GP第4代スーパー・フェザー級王座決定トーナメント・一回戦(1)/3分3R・延長1R
●卜部弘嵩(本戦0-1=29-30、29-29、29-29。延長0-3=9-10、9-10、9-10)皇治○

◇第2試合/K-1 WORLD GP第4代スーパー・フェザー級王座決定トーナメント・一回戦(2)/3分3R・延長1R
○小宮山工介(1R2分56秒、KO)スアレック・ルークカムイ●

◇第3試合/K-1 WORLD GP第4代スーパー・フェザー級王座決定トーナメント・一回戦(3)/3分3R・延長1R
○武尊(判定3-0=30-28、30-28、29-28)スタウロス・エグザコスティディスク●

◇第4試合/ K-1 WORLD GP第4代スーパー・フェザー級王座決定トーナメント・一回戦(4)/3分3R・延長1R
○郷州征宜(判定2-0=29-29、30-28、30-29)デニス・ウォーシック●

◇第5試合/K-1 WORLD GPウェルター級タイトルマッチ/3分3R・延長1R
○久保優太(判定3-0=30-29、30-29、30-28)メルシック・バダザリアン●

◇第6試合/K-1 WORLD GPヘビー級タイトルマッチ/3分3R・延長1R
●アントニオ・プラチバット(判定0-3=28-30、28-30、28-30)ロエル・マナート○

◇第7試合/スーパーファイト/K-1女子-50kg契約/3分3R・延長1R
○KANA(判定3-0=30-26、30-26、30-26)ポリナ・べトゥホーヴァ●

◇第8試合/スーパーファイト/K-1スーパー・バンタム級/3分3R・延長1R
○軍司泰斗(判定3-0=30-29、30-28、30-28)登坂匠●

◇第9試合/スーパーファイト/K-1スーパー・ライト級/3分3R・延長1R
○中澤純(判定0-2=29-28、28-28、29-28)左右田泰臣●

◇第10試合/K-1 WORLD GP第4代スーパー・フェザー級王座決定トーナメント・準決勝(1)/3分3R・延長1R
●皇治(判定0-3=27-30、27-30、27-29)小宮山工介○

◇第11試合/K-1 WORLD GP第4代スーパー・フェザー級王座決定トーナメント・準決勝(2)/3分3R・延長1R
○武尊(1R2分24秒、KO)郷州征宜●

◇第12試合/K-1 WORLD GPスーパー・ライト級タイトルマッチ/3分3R・延長1R
○野杁正明(3R2分57秒、KO)大和哲也●

◇第13試合/K-1 WORLD GPスーパー・ウェルター級タイトルマッチ/3分3R・延長1R
○チンギス・アラゾフ(2R23秒、KO)日菜太●

◇第14試合/スーパーファイト/K-1ウェルター級/3分3R・延長1R
○木村“フィリップ”ミノル(1R2分50秒、KO)平山迅●

◇第15試合/スーパーファイト/K-1ウェルター級/3分3R・延長1R
○城戸康裕(判定3-0=30-27、30-28、30-28)イッサム・チャディッド●

◇第16試合/スーパーファイト/K-1スーパー・ライト級/3分3R・延長1R
●ゲーオ・ウィラサクレック(2R2分18秒、KO)平本蓮○

◇第17試合/K-1 WORLD GPライト級タイトルマッチ/3分3R・延長1R
●ウェイ・ルイ(2R1分15秒、KO)卜部功也○

◇第18試合/K-1 WORLD GPスーパー・バンタム級タイトルマッチ/3分3R・延長1R
○武居由樹(1R1分27秒、KO)久保賢司●

◇第19試合/K-1 WORLD GP第4代スーパー・フェザー級王座決定トーナメント・決勝戦/3分3R・延長1R
●小宮山工介(3R2分2秒、KO)武尊○