山本美憂「リングに立つことがKIDの望んでいること」【9・30 RIZIN】

会見の最後は笑顔でファイティングポーズを取った山本美憂

「トレーニングはトレーニングで集中しなきゃいけない」
「RIZIN.13」(9月30日、埼玉・スーパーアリーナ)の全選手インタビューが28日、東京都内で開催された。

 大会直前の9月18日に弟である山本“KID”徳郁が急逝した山本美憂も会見に姿を見せた。

 美憂はコンディションについては「いろいろありましたが、トレーニングはトレーニングで集中しなきゃいけないということは小さいころから教わってきたので、それは大丈夫。あとは体調を万全にしてリングに上がるのみ」と話した。

 試合が行われないのでは?という憶測もあったが「自分がMMAをやっている目的や、なぜやっているのか、私たち家族やチームがひとつになってやっているので、みんなはどういう気持ちなのか、そして自分の一番の師匠は何というかを考えたら出るべきだと思った。リングに立つことが彼の望んでいることだし、今まで教えてくれたこと。以上!」と気丈に語った。

会見ではこみあげる場面もあった

「選手たちが愛情を持ってMMAを引っ張ってくれれば彼もきっと喜ぶ」
 今大会のメーンで戦う堀口恭司と那須川天心はともにKIDさんからの影響や憧れを口にする。多くの若い選手に支持され影響を与えてきたKIDさんについては「私も彼みたいになりたくて、彼に憧れてMMAを始めたので、みんなの気持ちがすごく分かるし、いろいろなところで愛されているのは家族としてすごくうれしいし、感謝の気持ちがあります。だからKIDが頑張って築いてきたことを若い選手たちが愛情を持って育ててMMAを引っ張ってくれれば彼もきっと喜ぶから…」と涙混じりに語った。

 美憂が現在練習拠点をグアムに置いていることについては「KIDの大好きなところがグアムだった。私はトレーニング状況とかは分からなかったんですが、KIDに付いて、沖縄にも行ったしグアムにもいった。で、行ってみたら練習環境が私にとってプラスだった。自分に足りないところをどんどん強くしてくれるところだった。幸せというか良かった」と話し、グアムと闘病中のKIDさんについては「のんびりしたところとか、人の温かさがある。(KIDさんにとって)兄弟のような人がいっぱいいたのと、人生の中での大親友がグアムにいて。その人と一緒にいたくて、その人が最後までずっとついてくれた」などと話した。

「テーマは女の子らしい…?」というファッションで現れたウィン

ウィンは美憂を破って「RENAと再戦したい」
 一方、美憂と対戦するウィンは再戦について「2人とも前回より強くなっていると思う・美憂は打撃が強くなったことを見せたいでしょうし、私はレスリングが強くなったことを見せたいわね」と話した。

 美憂については「いつも注目しています。RENAの試合をオファーの前から見ていて、ファイターとして成長していると思うし、ファイターは試合を重ねて成長するものよ」と評価。試合については「前回と同じ結果を出したいけど、試合ですから、どうなるかは分からない。そこが試合の楽しいところよね」と話した。

 KIDさんの死去については「対戦が決まってニュースを聞いて彼女が戦える状態か心配だったけど、彼女はプロのファイターだし、実際に受けてもらったので、良い試合をしたい」と話した。また自身もかつて試合の1カ月前に父を亡くしながらも試合をしたことを明かした。

 今後について「美憂に勝てたらRENAと再戦したい」と美憂を返り討ちにして、自らもRENAへのリベンジマッチをアピールした。