『スタンフォード式 最高の睡眠』西野教授が語る「睡眠のメカニズム」

「睡眠に関する生理機能を理解し、自分の睡眠を上手にサポートすればいい」と西野教授
 これ以上「睡眠負債」を積み重ねないために、まずは「睡眠のメカニズム」について紐解いてみよう。

西野「睡眠パターンは生体リズムと非常に密接に関係しています。睡眠調節には大きくふたつあって、ひとつは『ホメオスタシス(生体恒常性)』といって、長時間起きていると眠くなり、寝たら眠気が取れること。もうひとつは『日内リズム』で、『ホメオスタシス』では徹夜すると起きている時間に応じて眠気が増えていかないとおかしいけれど、実際は朝になると眠気がなくなる。『日内リズム』に重要なのが深部体温(体の内側の温度)で、深部体温は昼間は高くて夜は低くなります。そういった睡眠に関する生理機能を理解して、自分の睡眠を上手くサポートすればいいわけです」

 さらに、睡眠パターンも「睡眠の質」に関わってくるのだという。

西野「健康な睡眠パターンというのは、最初におおむね90分間の深い睡眠(ノンレム睡眠)が訪れ、その後に短いレム睡眠があって一周期。これが明け方までに4〜5回繰り返され、明け方には深い睡眠は出ずにレム睡眠が長くなり、起きる準備が始まります。睡眠のいろいろな機能を考えてどこを重要視するかというと、一番最初の深い睡眠が大切です」