除菌方法で話題の「次亜塩素酸水」違いはどこから生まれるの?【withコロナ】

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けた「緊急事態宣言」が解除され、一人ひとりが感染対策を行う「新しい生活様式」の日常生活が始まった。家庭や職場での除菌方法の選択肢として話題の「次亜塩素酸水」だが、さまざまな商品があって何を選べば良いか分からない消費者も多いだろう。多くの医療関連施設や地方自治体、保育園、学校などに導入実績のある高機能電解イオンミスト「IELU(イエル)」の開発・販売を行っている株式会社ワンテンスの永田寛明代表取締役CEOに、「次亜塩素酸水」の違いについて聞いた。
株式会社ワンテンスの永田寛明代表取締役CEO(撮影:蔦野裕)
 高機能電解イオンミスト「IELU」開発の経緯を教えてください。

永田寛明(以下、永田)「創業者三人のうち一人の父親が、電気分解によるイオン導入技術の研究者でした。その方が経営する会社がそれまでにない電気分解技術を保有しており、矢作直樹元教授と東京大学大学院医学系新領域創生学科と共に、当該技術を再生医療など医療・手術の現場に適用していくことを目的に共同研究がスタートいたしました。東京大学との共同研究を通じ、医療・手術の現場の水準に耐えうる安全性と、機能性を両立するまでの品質の担保および技術改善を達成し、多くの権威ある国際学会や世界フォーラムなどでその効果を発表してきました。

 東京大学を含め、多くの大学・研究機関との共同研究を通じて、電気分解効率に磨きをかけ、画期的な独自特許技術である電気分解技術『3室ダブルイン型電解システム』を開発したことで、さらに高純度の次亜塩素酸水の生成が可能になりました。

 過去の研究経緯より、『3室ダブルイン型電解システム』で生成した次亜塩素酸水のうち、pH6.0~6.5、有効塩素濃度20~25ppmの条件が機能性と安全性の最適バランスであることを見出し、この条件下で製品化したものが『IELU』となっております」

 「IELU」は高機能電解イオンミストとのことですが、その他の次亜塩素酸水と何が違うのでしょうか?

永田「次亜塩素酸の機能性と安全性を決めるのは、不純物の有無となります。『IELU』は食塩や電解質由来成分などの不純物を一切含まずに、高純度の次亜塩素酸水となっている、これが大きな違いとなります。

 一般的な次亜塩素酸水の製造方法は、撹拌混合製法や無角膜もしくは2室型の電気分解製法がありますが、これらの製造方法では化学的特性もしくは電解システムの構造的特性より、どうしても食塩や電解質成分などの不純物が生成水に含まれてしまいます。従前より、電気分解にて生成された次亜塩素酸水の殺菌効果は、薬品と比較した場合に安全性と殺菌性をあわせ持つ機能水として評価されていましたが、その製法由来の不純物の存在が人のいる空間での噴射や噴霧における健康被害や金属腐食などの原因になるとされ、汎用的な実用化にはいたってこなかった経緯がございます。

『IELU』の開発は、いかにこの不純物をゼロにするかの研究だったと言っても過言ではありません。約30年の研究を経て完成した独自特許技術『3室ダブルイン型電気分解システム』では、食塩や電解質由来成分などの不純物を一切含まずに、高純度の次亜塩素酸水が生成可能となります。高純度に生成できるから、塩素濃度が低濃度でも高い除菌機能を発揮すると同時に、体内に入っても安全という機能性と安全性を両立しています」

 「IELU」の安全性について詳しく教えてください。

永田「『IELU』は医療現場での使用を目的に開発されてきましたので、除菌機能はもちろん、特に安全性には十分な検証を行っております。清涼飲料水の規格基準もクリアしているうえ、医薬品・医療機器開発時の必須試験である細胞毒性試験(人体に入っても健康被害を及ぼさないことを確認する試験)までクリアしております。すなわち『IELU』は体に吹きかかっても、飲用しても、呼吸器・粘膜などから体内に入っても、安全ということが第三者調査機関および共同研究により実証されています」

 次亜塩素酸という成分自体に危険性はないということでしょうか?

永田「先ほどもお話した通り『IELU』は食塩や電解質由来成分などの不純物を一切含みませんので、その安全性は次亜塩素酸自体の安全性と見なすことができるかと存じます。当然、人体に安全な濃度以下であることが前提となります。過去に行った細胞毒性試験では、『IELU』を50ppmまで検査し、いずれもクリアしております。もっと高い塩素濃度でも細胞毒性試験をクリアするかもしれませんが、そこは検証していないため分かりません。純度の高い次亜塩素酸水ならば、少なくとも同等濃度までは人体に対して安全なのではないかと思われます」
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