旅行会社が作った高級食パン!?新宿御苑前で「夢みる生食パン おとぎ話」販売スタート

「一日目、2日目はぜひ生食で食べてください」と仁藤専務

 ここで、隣で静かに話を聞いていた椎葉卓光社長が登場。
 
 それにしても、旅行会社から食パン販売とはずいぶん思い切った業態変更ですね。

「コロナ禍になって、特に旅行業は何もやることがなくなりました。朝起きて、何をやったらいいのか分からない。そうすると身体だけでなく、頭の中まで疲弊してくるんです。でも、ゼロから新しいことをやるのは大変ですが、ひとつでも何かをやっていれば楽しくなる。それこそ『おとぎ話』みたいなものですよ。

 一気に売って一気に儲けられる商売じゃないけれど、今はコロナ禍で話題もない、希望もない、何もない時代ですから。それならば、食べるというのは人間にとって絶対必要なことですから、いいんじゃないかと。売れなかったら社員に現物を支給することもできますし(笑)、それは冗談ですけど、何かを作ったら自分の子どもになるんです。特に責任者はそうだと思いますので、いろいろなご意見をいただきますが、批判的な意見は右から左に流せと伝えています。いい意見を自分の中にとどめて、それを次のステップに生かせばいいんです」(椎葉社長)

「私どもはもともとBtoBの会社なんです。食パンは従来のお客様にもBtoBで販売していますので、販路をお客様に開拓していただくなど、そういった面では今までの仕事の延長線上にあるとも思います。たとえば住宅展示場や車のディーラーのフェアで配布いただくなど、店舗を持たなくても販路を広げられるのは、これまで仕事でお付き合いがあることの強みでもあります」(仁藤専務)

 出来上がったばかりの「夢みる生食パン おとぎ話」は確かに重みがあり、スライスするとパン生地の密度に驚く。生食でも口に広がるバターの香りと甘みが特長で、耳の部分まで甘くてやわらかく、3日目に冷凍した食パンをトーストにしてもふんわりもちもちだった。旅行会社が挑戦する新たな高級食パン「夢みる生食パン おとぎ話」は、21日より毎週月曜11時30分から新宿御苑前「cocochiyo cafe」にて数量限定で販売。