「”EXILE探しの旅“こそがEXILEなのかもしれない」EXILEが最新ツアー“WHAT IS EXILE”を笑顔で完遂! ATSUSHIとTETSUYAもサプライズで合流

「音楽は時に、時空をも超えていける存在だと思っています」ここで、シックな黒の衣装に着替えて1人再登場したSHOKICHIが、熱い音楽愛を語り始めた。
そして「時を戻しましょう。あの頃僕らが感じた青春を、あの頃僕らが感じたときめきを……今日、ここ神戸の地で呼び起こしたいと思います」と宣言し、「EXILE TRIBUTE」メドレーに突入。SHOKICHIが歌い始めた1曲目は、EXILEのルーツとなるダンスジャンルを冠した『New Jack Swing』。第一章のアルバム『ASIA』からのコアな選曲「Eastern Boyz’N Eastern Girlz」や「LET THE MUSIC PLAY」でも、STARTING MEMBERが変幻自在なダンスを繰り広げる。さらに、2005年にGLAYとのコラボで話題を呼んだロックチューン「SCREAM」には、NESMITHがGLAYのTAKUROから譲り受けたギターで参戦。人気曲ながらもなかなか披露が難しい楽曲だけに、会場は大盛り上がりだ。そこにEXILE随一の第一章ファンであろうTAKAHIROと、NESMITHが歌唱する『Carry On』が溢れ出し、全員で「Kiss You」「O’ver」へ。ドラマティックな「O’ver」のアウトロに合わせて、しなやかに舞い踊った砂田は、まるで夢の中にいるような恍惚とした表情を浮かべて天を見上げていた。
EXILEは、ダンスボーカルグループという枠を越えて幅広い活動をしてきたアーティストだ。その1つが俳優業。2014年に、EXILEの第四章メンバーとして、当時最年少の19歳だった佐藤が加入した時の衝撃は大きかった。あれから11年、『EXILE LIVE TOUR 2025 “WHAT IS EXILE”』のステージには、目を輝かせながら、“EXILE HISTORY”という名の光る本をめくる彼の姿があった。その本を高く掲げると、第一章のR&Bナンバー「STAY」を身体に纏ったケンチが登場。SHOKICHI、NESMITHのツインボーカルが熱を帯びる中、キャンドルをバックにケンチ、佐藤、奥田のレアなダンスコラボが実現した。続いて、松井、海沼、深堀、世界が流麗なダンスでエスコートした「ふたつの唇」は、TAKAHIROとATSUSHI(映像出演)が歌唱。パフォーマー陣は、ゴンドラに乗って後から合流したAKIRAと共に、深紅のチェアを用いたドラマティックな演出で魅了する。ATSUSHIの切なくも美しい声が最後のフレーズ〈闇に光れ/ふたつの唇〉をなぞり、AKIRAがチェアに腰を下ろすと、メンバーはふっと闇の中に溶け込んだ。
次の瞬間、ステージをパッと明るく照らしたのは、キラキラの“元祖王子様”スマイルで「“WHAT IS EXILE”という僕たちの新たな挑戦に集まっていただき、本当にありがとうございます」と話すTAKAHIRO。近年のEXILEのツアーには欠かせない最強のバンドメンバーと、TETSUYA・ATSUSHIの紹介をすると、TAKAHIRO、SHOKICHI、NESMITH・、ATSUSHI(映像出演)の4ボーカルで、第三章として初めて発表したアルバム『愛すべき未来へ』より、ATSUSHI作詞のラブソング「Angel」を歌い上げた。人気の高いラブバラード「ただ…逢いたくて」と「運命のヒト」は、TAKAHIRO1人で熱唱する。特に「運命のヒト」は、『EXILE VOCAL BATTLE AUDITION 2006 ~ASIAN DREAM~』の最終審査の地である日本武道館でTAKAHIROが歌唱し、彼のEXILE加入を決定したメモリアルな楽曲ということで、本公演におけるTAKAHIROのハイライトとなっていた。
荘厳なバラードブロックから一転、賑やかに始まったダンスショーケース『PERFORMER’S PRIDE』もまた、EXILEのツアーの醍醐味だろう。直前のLEDモニターには、NAOTO、NAOKI、GUN(岩田剛典)、ALAN(白濱亜嵐)といった、本公演には出演していないメンバーの名前も映し出され、全てのEXILEパフォーマーを代表する形で11人(松井、砂田、深堀、海沼、奥田、日髙、加納、佐藤、世界、ケンチ、AKIRA)が参戦した。アクロバットが武器のBALLISTIK BOYZを、同じくアクロバティックなソロダンスで迎え撃つのは、紳士的な振る舞いに定評のあるケンチ。この日は鍛え抜かれた上裸をアピールしながら、ワイルドな大人の魅力で観客を虜にしていた。AKIRAも後輩に囲まれる形でパフォーマンスしつつ、ベテラン勢の意地を見せるようにアグレッシブなダンスを披露。ソロパートの最後を担う“ダンスの申し子・世界”の身のこなしは、同じパフォーマーですら笑いが出るほど見事で、メンバーたちは大爆笑しながら見守る。その空気感は、かつてAKIRAやケンチが参加していたというクラブでのダンスバトルのようで、老若男女に愛される表舞台のEXILEと、その根底に脈打つアンダーグラウンドの魂が交差するようなブロックだった。
再びステージにTAKAHIRO、NESMITH、SHOKICHIの3ボーカルが現れると、早くも後半戦がスタート。出演者全員で「ALL NIGHT LONG」を歌い踊り、ラストに向けて加速していく。SHOKICHIが「みなさんの“願いの矢”を空高く飛ばしましょう!」と言い添えた「BOW & ARROWS」は、EXILEデビュー20周年を記念した企画『EXILE TRIBUTE』でTHE RAMPAGEがカバーしたキャッチーなアップチューンである。メンバーたちは歌いながら客席内を練り歩き、「E!X!I!L!E!」のコール&レスポンスで会場を1つに。ライブ定番曲「WON’T BE LONG」には、BALLISTIK BOYZの面々もボーカルやラップで新たな色を加えた。その一方、“WHAT IS EXILE”という新たな挑戦への前向きなメッセージを乗せた「EXIT」は、あえてEXILEに所属するメンバー7人のみで想いを伝える。NESMITHが「みなさん、EXILE歌ってますかー!?」と呼びかけ、シングル『EXIT』のカップリング曲「DIAMOND」へ。ATSUSHIが作詞を手掛けた「Pure」では、1つ1つの歌詞を宝物のように歌いながら、「10年後もみなさんとこうして、一緒に過ごしていますように……」と語り掛けるTAKAHIROに大きな拍手が贈られた。