GENERATIONS 佐野玲於が新曲「Magic Hour」で目指したもの「壊して、新しい表現を」

素敵な景色を見たときの特別な感じ
ーーでは、楽曲の世界観の話を。タイトルの『Magic Hour』は日の出直後であったり日没直前の時間に空が美しい色彩を見せてくれる時間のこと。この曲は、大事にしたいと思うかけがえのない瞬間、幸せと感じる瞬間、美しい瞬間を歌っていて……シアワセな楽曲ですね。
佐野玲於:海外に仕事で行ったりした時に、1人で日没を見たり、そういう写真を見た時に、今をどれだけ特別に感じられるかってすごく大事だなって思って。素敵な景色を見ると、いつかきっとこの景色を思い出すんだろうなって思うんです。だけど、その一方で、旅行に行っててもずっと携帯いじってる人もいますよね。あの時の光景が焼き付いててみたいな特別な感じを10年後とか20年後に120パーセント感じられている人って……今の時代、そんなにいないんじゃないかって。
この時間が長く続いたらいいなって思う時って、ちょこちょこあるんですよ。それがインスピレーションになって、こういう楽曲になった感じです。その結果、恋愛っぽくも聞こえるし、友達とだったり、 ライブに来てくれたお客さんと自分たち……何でもいいんですけど、そういうシチュエーションで考えられるように作りました。
ーーインスピレーションにつながったのはどこで見た日没?
佐野玲於:東南アジア……タイですね。でも去年はモルディブに行ったり、アメリカに行ったり、結構ヨーロッパにも行ったし、いろんなとこ行ってたんですよね。インスピレーションのもとはひとつじゃない。
ーー楽曲ができ歌も入って、最初にメンバーに聞いてもらった時の反応やリアクションを教えてください。
佐野玲於:この曲めっちゃかっこいいね!みたいな感じです。ダンサーは踊りやすいって思うだろうし、踊ってて気持ちいい曲なんじゃないかな。洋楽を聞いているメンバーってこういう楽曲が絶対好きだと思う。
ーー佐野さんは踊る人ですし、楽曲制作をするうえで、いろいろ気にすべきポイントがあると思いますが、ダンサーだからこそ感じる気持ち良さ、曲調や音の感じは、より重要になってきますか?
佐野玲於:J-POPってそもそも踊る曲ではないというか……そもそもダンスはブラックミュージック由来だから。絶対そっちの方が踊りやすいんですよ。ムードも作りやすいし。それは確実に言えることです。
一緒に成長してきた後輩に託したパフォーマンス
ーーパフォーマンスは、信頼されている後輩の方に頼んだそうですね。
佐野玲於:KAZ、KAZtheFIRE (Rht./Dr.SWAG)っていうダンサーです。ダンサーのRIEHATAとは昔から友達なんですけど、彼女の弟子みたいな。6年前、GENERATIONSの2回目のドームツアーのオープニング曲の振付けを、彼とKAITA(Rht.、RIEHATATOKYO)に頼んだんですよ。その時に「僕らアーティストの振付けするの初めてなんですよ!」って……今となっては日本のコレオグラフを支える 2人ですが、その時はまだ21、僕は23。それまでずっとRIEHATAにに頼んでたんですけど、あの時は新しい子に!みたいな感じで頼んだんですよね…ドームツアーという大きい仕事を20代前半のKAZとKAITA、そして自分で動かしている喜びがあったし、若い世代で変えていくぞ!みたいな気持ちもありました。
ーー佐野さんが考えるKAZさんの強み、コレオグラフの特徴みたいなところは?
佐野玲於:インパクトやバイブスを出すならKAITAなんですけど、ノリのなかにラインをしっかり出すんだったらKAZなんです。KAITAは赤、KAZは青、みたいな。今回の曲はヒップホップですけどおしゃれだったり色気も感じる楽曲で……青って。
ーーRIEHATAさんや、Rht.はGENERATIONSとともに歩んできたイメージもありますが、今回の「PRODUCE 6IX COLORS」楽曲の振付けにもかなり関わっていますね…中務裕太さんの「True or Doubt」と白濱亜嵐さんの「Two Steps Back」はMacotoさんでした。
佐野玲於:一緒に成長してきたと思ってるので。すごく頼りがいがあります。新しいものもあるし、安定感もあるし……両方あるっていうのは重要です。
ーーさて、楽曲のリリースと同時にリリックビデオも出ていきますね。
佐野玲於:景色、自然の美しさ、あとは男女の仲睦まじい感じ……楽曲の世界観を伝えるリリックビデオを作りました。なんかね、楽しい時間は儚くて短い、そういう世界観を楽しんでいただけるかなって思ってます。
ーー先ほど歌い方の部分で日本語だけど英語に聞こえるみたいなディレクションの話がありましたけど、佐野さんはこの楽曲を作りながら海外も意識していたということなんですか?
佐野玲於:それよりも言葉遊びですかね。あとは曲は洋楽でも、ちゃんと日本語も入ってくることで、日本人がやってる音楽にもなるので、そこに面白さもあるかなって。
ーー日本人が作ってることは、やっぱり主張したい?
佐野玲於:日本の素晴らしさもあるじゃないですか。そこはやっぱ掛け合わせて面白いって思うんですよ。