THE RAMPAGE 浦川翔平が世界にひとつだけのビアグラスを作る!最高の乾杯を目指して灼熱の工作〈BUZZらないとイヤー! 第104回〉

サングラス、腕カバー、軍手をつけたら、気持ちはガラス職人!

 デザインが固まったところで、隣の工房に移動。工房は明るくて天井が高く、ガレージのような空間です。ガラスを溶かす溶解炉、温度が下がったガラスを温めるグローリーホール、そして仕上がった作品をゆっくりと冷ましていく徐冷炉と3つの炉が並んでいて、その前には作業のためのベンチが置いてあります。

 溶解炉のなかは1200度と聞いていたので灼熱の暑さを想像していましたが、工房内は空調設備のおかげで少し暑いなと感じるぐらい。もちろん溶解炉の前に立ったり、どろどろのガラスを取り出した瞬間の体感温度はグーンと上昇します。

 さて、制作を始める前にシミュレーション! 初めから完成までの一連の流れの説明を受けながら、基本動作をエアで練習。軽い.通しリハーサルです。

 まずは、溶解炉から真っ赤でドロドロに溶けたガラスを吹き竿で巻き取って取り出し、息を吹き込んで膨らませて、形を整え、グラスの一層目となる「下玉」を作るところまで。ここまでで基本動作を学びます。

吹き竿の重さと炉の熱さを感じる

 翔平さんは吹き竿の感覚を確かめると「……思ったより重いですね」。

 ガラスを扱う上で大切な吹き竿をクルクルと回す動きや作業台でコロコロ転がす動きを練習します。ただ持っているだけだと柔らかいガラスは重みで下に落ちて行ってしまうそうです。

 中村さんの「では吹いてみましょうか」という声で吹き竿の端を口元に。真剣な顔で息を吹き込む翔平さんの姿に、「今はガラスがついていないから吹きにくいかもしれないですが音を出すような感覚で吹いてみてください……そう、そんな感じ! 本番では先端のガラスが丸く膨らんでいきますよ」と中村さん。

 翔平さんは、空っぽの吹き竿を作業台の上でコロコロと回転させながら、中村さんからの指示で、紙リン(濡れた新聞紙)、ジャック、ピンサー、パドルなど作業台にあるいろいろな道具を手に取ってリハーサルを続けます。ひとつまたひとつと教えてもらうことが増えて、少しずつ翔平さんの表情が曇りはじめます。「やることがいっぱいだ! 情報量が多すぎる!……相当頭に入ってない!」

ペットボトルを使い、吹き竿からグラスを“割り離す”ための節を作る作業をシミュレーション

 吹きガラスの作業は、大急ぎとはいわないものの、ある程度のスピードが要求されます。ガラスの温度が下がってしまうとガラスが固くなって作業が滞ってしまうからです。ひとつ手前の段階に戻って再挑戦というのは難しいんです。

 約10分ほどの “通しのリハーサル”は手ごたえがないまま終了。 ただ、この“通しのリハーサル”は作業を始めると徐々に効いてきます。

 中村さんに聞きながら作業を進めていけば大丈夫!と確認しあってスタートです。