洋服からサブカルまで昭和のエジプト柄ブームの謎に迫る池袋「やっぱりエジプトが好き♡」

 昭和元年から100年目にあたる昭和100年を迎えた今年2月、エジプトの王家の谷でツタンカーメン以来100年ぶりに古代エジプト王・トトメス2世の墓が発見された。古代エジプトがにわかに注目を集める中、昭和30~40年代の日本で古代エジプトをモチーフとしたデザインが大流行していたことをご存知だろうか?

上:古代オリエント博物館にて開催中の特別展「やっぱりエジプトが好き♡ 昭和のニッポンと古代のエジプト」/下:多種多様な図柄が配置された昭和30〜40年代の着物

 当時の日用品などを通し、日本におけるエジプト人気を解説する特別展「やっぱりエジプトが好き♡ 昭和のニッポンと古代のエジプト」が、9月26日~11月24日の期間、東京・池袋の古代オリエント博物館にて開催されている。

 北名古屋市歴史民俗資料館(昭和日常博物館)の所蔵品を含めた約200点のコレクションを紹介し、昭和30年~40年代を中心に日本に広がった “エジプト柄ブーム” を読み解くという同展。古代エジプトのモチーフがデザインされた布地、紙、陶磁器・ガラス、木、金属・革、サブカルチャーのアイテムを展示し、当時の日本人が憧れて熱狂し、生活にも取り入れた古代エジプトの魅力とその背景に迫る。

 日本でのエジプト人気の火付け役といえば、1965年(昭和40年)に東京国立博物館、京都市美術館、福岡県文化会館で開催された「ツタンカーメン展」。「黄金のマスク」をはじめ古代エジプトの秘宝45点を公開し、日本美術展史上最多記録の延べ290万人以上を動員した。展示の冒頭では日本で開催された主な古代エジプト展や、国内の主なエジプトコレクションを紹介する。

アンクを掲げて胸飾りをつけた女性が描かれた昭和50年代のブラウス(左)とヒエログリフが配置された昭和50年代のスカート
1 2 3 4 5>>>