THE RAMPAGE 浦川翔平が大手町で新感覚のキノコ狩り? Otemachi Oneでアートな休息 〈BUZZらないとイヤー! 第108回〉

 

菌糸、広がる、つながる、円を作る? これも“巡らせる糸”かも?(……無理やり)

 タイプが違う3種類のかわいらしいサイズのシルバーブロンズ像たちがそれぞれ円を作って、ガーデンの中に点在しています。ラッセルさんは、今回の展示で地面から宇宙へと広がる自然界や動植物の構造・現象、そのつながりを具現化したそうです。円形に並べられているのは、キノコの菌糸が放射線状に伸びてキノコが地面に現れる時に円形や弧を描くように広がっていく自然現象「フェアリーリング」から着想しているそうです。

《Hexenringe》(ヘキサンリング)は、キノコの形をモチーフにした作品です。7体のブロンズ像は小さなキノコの妖精にも見えてきて、コミックと抽象表現を融合させるモーリスさんの表現がより分かりやすい作品です。

「ではキノコ狩りしますかー!」

「ではキノコ狩りしますかー!」と翔平さん。ランチタイム後で、ガーデン内は人もまばら。芝生にゴロンと寝ころび、キノコたちにグーンと近寄って、カサの下を覗き込みます。パワームーブを決めるかのように体を手で支えて足をプルプルさせながら伸ばし、「顔は……ないのかっ!」。視線が集まってきたのをやんわりと感じますが、こんなふうに自由にアートと戯れられるのも、芝生の上で楽しめるパブリックアートだからでしょうね。

《Anstrato’s》(アンストラトス)は自分で描いたドローイングが元になっているそう。ラッセルさんの手法として、ドローイングをずらしコピー機で複写していく方法があり、そのなかで抽象的な模様が出来上がったそうです。そこから立体に起こされたブロンズ像たちは、世界の不思や、目に見えないもの、人の理解を超えた存在を表現しているそうです。

 

……ブロンズ像に見えてきた

 大きな彫刻を含めた4作品のなかに、小さな子どもたちが集まっていたのが《Ring of Saturn》という土星を顔に見立てた作品でした。

 ラッセルさんは、今回の展示を行うことになったきっかけを作った友人の、土星をモチーフにしたタトゥーからインスピレーションを得て、この作品を作ったそうです。

「HANDS UP」じゃなくて「HOLD UP」。翔平さんはブロンズ像たちに追い詰められて?

 土星の北極には地球2個分以上の直径という巨大な六角形の雲の模様があることで知られていますが、その六角形の雲が、最初に見た六角形の《You might not like it, but we’re all connected》と呼応します。実は自然の中にはたくさんの六角形が存在しているんです。雪の結晶、ハチの巣、虫の複眼……大型彫刻がなぜ六角形だったのかということにも、なんとなくではありますが、つながってきました。

 この形から土星をイメージするのには少し想像力が必要そうで、リングから飛び出た長い部分を見て、「これは何? なんだか地中の養分を吸っているみたい」と想像を膨らませていました。

なんだか形態模写できてる! いつも予想を超えていきますね……

 作品を鑑賞するのにはほとんど時間はかからないのですが、不思議なブロンズ像たちと同じ目線になってみたり、一緒に円を作ってみたりすると、思った以上に時間が過ぎて、とてつもなく良質な休憩ができたように思えてきました。「うん、もうちょっとやれるかも!……暑いけど!(笑)」。そういって、翔平さんはクッションから腰をあげました。

 さて、翔平さん、少しお話を聞かせてください。