恋愛リアリティショーを越えたヤンキー生き様リアリティーショー『ラヴ上等』ここに爆誕【ネタバレ有・ラヴ上等1〜4話】

【第2話】ヤンキーはなぜ、喧嘩っぱやいのか
第1話の後半で、意中のBabyからラブレターをもらうことができなかったヤンボー。男性メンバーの中では珍しい大学卒で、自らを“インテリヤクザ”と称するヤンボーだが、実は大麻取締法違反での逮捕歴もあるという。それどころか、他の女性メンバーからも好意の「○」をつけてもらえなかったということで、女性メンバーにもやかってしまう。
「手押し相撲で勝った人が気になる女性をデートに誘える」というプログラムでも、ミルクに負けてしまう。ちょっとしたことで殺意を剥き出しにしてしまうヤンボーは、アンガーマネジメントが不得意そうにも見える。悪の道を志したのも、その特性ゆえなのだろうか。
ちなみに本作では学校での共同生活に加えて、子ども食堂での夏祭りイベントを企画・実行していくというミッションも行っていく。ヤンキーとギャルが9人も集まって外を歩いていると、それだけで圧巻ではあるのだが、その反面子どもたちの前では、揃って優しい表情を見せているのも印象的だった。
大人同士だと一色触発のヤンボーも、子どもとの交流の中では見たことがないほど優しい表情を見せる。みなそれぞれに、自身の子ども時代と重ねて思い出すこともあるようだ。風貌からして派手なメンバーであるにも関わらず、子どもたちの方も彼らを怖がることなく接する。外見で人を判断してしまうのも、大人ならではの癖なのだということを改めて思い知らされる。
ヤンボーだけでなく、他のメンバーも子どもたちとの交流に積極的だ。少女時代、食べるものもなく道端に落ちていた海藻を拾って食べた経験もあるというBabyも「コミュニティづくり」には興味を示した。傍らでは粛々と恋の矢印も交錯しつつあるのだが、各人の人間性の方が気になってしまうのも「ラヴ上等」ならではの特徴だ。
社会で「真っ当に」生きてきたと思っている私たちは、ヤンキーの人柄を本当の意味で理解できていないはずなのだ。自分の人生で関わりのなかった人の価値観と、その理由を知れる……リアリティーショーには、そういった側面もある。

