『ラヴ上等』で、ヤンキーから学んだ、真面目ぶった私たちができなかったこと【ネタバレ有・ラヴ上等8話〜最終話】

 Netflixで配信中の新たな恋愛リアリティーショー『ラヴ上等』。日本におけるNetflix週間TOP10 (シリーズ)に 初登場で堂々の1位を獲得した。「ヤンキー×恋愛」をテーマに、日本の恋愛リアリティーに新たな一石を投じた同作も、今週の配信で最終話を迎えた。

 これまでの恋愛リアリティーショーとは全てが一線を画した同作。ヤンキーたちは共同生活の中で何を見出し、どう生きていくのか。

 

【第8話】ヤンキーはやっぱり「素直になれない」

 中盤回では共同生活やメンバーとの交流を通して、家族との関係を見直すことができたてかりん(21)。一途で惚れっぽいのがてかりんのいいところなのだが、今回はその素直さが裏目に出てしまった。

 登場当時は「てかりんがタイプ」と言っていたてんてん(27)だが、きぃーちゃん(23)にも気になっていることを告白。ホストという職業柄もあってか、他の女性メンバーにも優しいてんてんに、明らかな嫉妬心を滲ませた。

 それはそれとして、あも(28)とてんてんの「ネックレスお直し事件」には、視聴者の中でも賛否が沸いたようだ。あもが持つそもそもの女性らしさも助長して、ネックレスを直す2人の、パーソナルスペースは皆無……これには「100年の恋も冷める」「ほぼ浮気」といった意見も上がっていた。

 しかし、てんてんにはもちろん悪気がない。まだ付き合っていない段階にも関わらず、感情を抑えられず嫉妬してしまったてかりんがむしろ「若い」といった意見もあるだろう。

 ただ、てんてんとてかりんの話し合いが終始冷静だったところは、評価してあげたい。素直に「言ってくれてありがとう」と言えるてんてんも、伝えながら申し訳なくなってしまったてかりんも優しい人間ではあるのだが、てかりんが周囲に分かるほどのイライラを滲ませてしまったことは、歳上のてんてんの目にはどう映ったのだろうか。

 最終日を目前に控えた「校内放送での指名イベント」でも、きぃーちゃんを指名したてんてんに“虚無”を装ったてかりん。好きな人から袖にされる時、どうするのが正解なのだろうか。突っぱねてしまえば自分はラクだが、相手からすれば可愛げがない。

 結局、てんてんはきぃーちゃんを、そして二世はあもを指名。二世を諦めたくても諦められないといった様子のおとさん(22)も、ここでは悟り顔。しかし、このツーショットデートであもと二世が急接近。ラブ上等で一番のイチャイチャムードの中、とうとうキスまでしてしまう。

 付き合いたてのカップルかのようなムードを漂わせた2人だったが、二世の様子はどこか落ち着いているように見えた。あもを好きになるために、あえてキスしにいったように見えないこともない。結局「やっぱりあもが好き」といった言葉も出ないまま、個別インタビューでは唇の感触についてだけ言及していた。

 ここまでの生活でも、何度も「お母さんが好き」と言葉にしていた二世。家族への思いが強いからこそ、将来を考える恋人をどう選ぶかにも慎重になってしまうのかもしれない。

 そして、つーちゃん(30)とミルク(22)からW指名を受けたBaby(25)はミルクの元へ。中盤で意気消沈ムードだったミルクが、ここで復活する。しかし、兄貴分であるつーちゃんとのライバル関係は、ミルクにとって大きな変化といえるだろう。

 つーちゃんでなく、自分を選んでくれたことが自信に繋がったようにも見えたミルク。その後、つーちゃんがBabyにモーションをかけただけで、穴の空いた風船のように萎んでしまった。他人と比べているような状態で、自分の軸をブラさない、つーちゃんという強敵に立ち向かえるのか心配だ。

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