『UFC JAPAN 2013』公開計量 五味が見せた凄み

『UFC JAPAN 2013』(3月3日・さいたまスーパーアリーナ)の前日公開計量が2日、同会場で行われた。
 大会開催前の1週間を“ファイトウィーク”と名づけ、直前記者会見、公開練習、公開計量を開催するUFC。それも計量はファンクラブ会員や一般のファンにも公開されるとあって、いやがおうにも大会に向け雰囲気は盛り上がるばかりだ。
 計量は迫力のビートを刻む音楽をバックに、第1試合の青コーナー、イム・ヒョンギュからスタート。司会者のコールを受けるとステージに上がり、ウェアを脱いで体重計の上に乗る。リミット内が確認されると、それぞれ思い思いのポーズでファンにアピール。対戦相手の計量が終わると、今度は2人が相対し、“フェイス・トゥ・フェイス”。目と目で翌日の健闘を誓い合う。そんな光景が22人、11試合分ノンストップで続く。
 計量後のパフォーマンスも人それぞれ。さまざまなガッツポーズで自らの肉体を誇示する者、ファンへ手を振る者、ギリギリまで減量に手間取り不安げに体重計に乗った者はホッとしたような表情を一瞬見せながらも、即座に気持ちを入れ替え、相手とのにらみ合いに臨む。

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 にらみ合いもまた人それぞれ。くっつかんばかりに顔を近づけ、闘志満面でにらみつける者もいれば、健闘を誓い合うかのようにがっちり握手を交わし、ハグしあう者。
 そんななかで五味隆典は無表情のままステージに上がり、体重計に乗る。リミットクリア後も何事もなかったかのように静かに体重計を下りる。しかし対戦相手のディエゴ・サンチェスと向かい合った瞬間に気合の入ったにらみ合い。明日への秘めたる闘志を垣間見せた。
 減量苦の選手はパンツも脱ぎ全裸となって体重計に乗る。そのときはもちろんセコンドがタオルで壁をつくり客席には見えないようにするのだが、この日も何度かそういう光景が見られた。そのなかでただひとりリミットをクリアできなかったのが、このサンチェス。156ポンド(70.8キロ)を2ポンドオーバー(158ポンド=71.7キロ)。この後、規定時間以内に体重を落とすことができなかったが、五味の意向により、予定通りの階級で試合を実施することになった。五味は「良い試合をやりましょうという気持ちは変わらない。あってはいけないことだと思うけど、(サンチェス選手は)アウェイなので予定が狂ったのかもしれなしね。1キロくらいのオーバーでは、ハンディとは言いにくいし、気にしていない。日本のファンの前で良い試合を見せたいですね」とコメントした。

 マーク・ハントも独特な間で会場を沸かせる。しっかりファイティングポーズを取るステファン・ストルーブを前に、後ろに手を組んだまま歩み寄るや伸びをするなどリラックスポーズで翻弄した。