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阿佐ヶ谷スパイダースPresents『荒野に立つ』

2011.07.04 Vol.516
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 ロンドン留学からの帰国後、第1作となった『アンチクロックワイズ・ワンダーランド』では、その斬新な演出で、賛否両論巻き起こした長塚圭史。阿佐ヶ谷スパイダースとしては1年半ぶりとなる今回も新作書き下ろし。

『アンチクロックワイズ――』の後も、演出家として『タンゴ−TANGO−』『浮標』を手掛けた長塚。共通していえることは、新たなアイデアや手法を積極的に試み、かつてとは違った風景を舞台上に展開しているということ。今回も創作過程からこだわり抜いた作品となっている。

 実家に戻り地元のスーパーで働く朝緒はすっかり薄まってしまった高校時代の記憶の中、美雲のことを思い出す。彼女と何かをしたはずなのだが、思い出すことができない。あの夏の教室で何をしたのか…。時空を超え、なくした“目玉”を取り戻す旅に出る少女の冒険物語。

 出演者もスパイダースのメンバーの3人と、中村まこと以外はすべて初参加。小劇場で頭角を現す若い役者からベテランまでバラエティーに富んだ顔触れだ。

【日時】7月14日(木)〜31日(日)(開演は平日19時30分、土日13時/18時。火曜休演。18日(月)は15時開演。28日(木)は15時の回あり。31日(日)は13時の回のみ。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前から発売) 【会場】シアタートラム.(三軒茶屋) 【料金】全席指定 一般5800円/プレビュー公演(14、15日)4500円 【問い合わせ】ゴーチブラザーズ(TEL:03-3466-0944=平日11〜19時 〔HP〕http://asagayaspiders.net/) 【作・演出】長塚圭史 【出演】安藤聖、川村紗也、黒木華、斉藤めぐみ、佐藤みゆき、伊達暁、中村まこと、中村ゆり、中山祐一朗、長塚圭史、初音映莉子、平栗あつみ、福田転球、水野小論、横田栄司


サンプル『ゲヘナにて』

2011.06.27 Vol.515
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 昨年上演した『自慢の息子』で第55回岸田國士戯曲賞を受賞した松井周が主宰するサンプルの新作。受賞後第一作となる本作は、三鷹市芸術文化センターのこの時期の名物企画「太宰治作品をモチーフとした演劇」公演でもある。

 自分を太宰治の生まれ変わりだと信じている男は無理心中で一人だけ死なせてしまった恋人、母、妻が渾然一体となった「女神」の復活が近いことを周囲に説く。「女神」にすがらないと世界が滅亡する、と。しかし男の言うことを信じる者は誰もいなかった。男は至る所で「女神」のしるしを目の当たりにし、やがてそのしるしに導かれるようにゲヘナ(地獄)へ到着するのだった。

 前作はいわば境界線の内と外のお話だったが、今回はフィクションと現実の緩衝地帯ともいえる部分のお話。過去と未来の「間」、生と死の「間」、人と物の「間」、太宰治と私たちの「間」、舞台と観客の「間」など、さまざまな「間」をより意識した作品となる。

 1日にハイバイの岩井秀人、2日夜は映画監督で脚本家の古澤健、3日にはロロの三浦直之とのポストパフォーマンストークあり。

【日時】7月1日(金)〜10日(日)(開演は火〜金19時30分、土14時30分/19時、日14時30分。水は14時30分の回あり。開場は開演20分前。当日券は開演40分前から発売) 【会場】三鷹市芸術文化センター 星のホール(三鷹) 【料金】全席自由・整理番号付き 一般 前売り3000円、当日3500円/高校生以下(要学生証) 前売り当日とも1000円 【問い合わせ】サンプル(TEL:090-2903-8363=10〜20時 〔HP〕http://www.samplenet.org/) 【作・演出】松井周 【出演】辻美奈子、古舘寛治、古屋隆太、奥田洋平(以上サンプル・青年団)、野津あおい(サンプル)、渡辺香奈(青年団)、岩瀬亮、羽場睦子


乞局奇譚集2011『標本~蜂・蠅・蜻蛉・蝶~』

2011.06.20 Vol.514
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 誰もが実は内に秘めている暗闇の部分をくすぐる作品に、観劇後なんとも嫌な気分になりながらも、いつの間にかクセになる。その一種異様な登場人物たちに、シンクロする自分にいらだちながらも、そんな登場人物たちが気になって、また公演に足を運んでしまう…。胸を張っては勧められないが、リピーター率は高い劇団だ。

 今回はちょっと趣を変えた特別公演。

「乞局奇譚集2011」と題し、昆虫をモチーフとした短編集を上演する。

 本公演では「金網喫茶」「地下の下水道」といった一風変わったシチュエーションを舞台に「場」を描くことが多いのだが、こちらではより人間をクローズアップしたミニマムな世界を追求する。

 人間の持つ内面のあれやこれやが「よりクローズアップ」されちゃったら…と考えると、15歳未満入場不可というのもうなずける。

【日時】6月24日(金)〜30日(木)(開演は19時30分。土日火15時の回あり。開場は開演20分前。当日券は開演40分前から発売) 【会場】リトルモア地下(原宿) 【料金】日時指定・全席自由 予約2200 円、当日2500円/学生・喪服割引2000円(予約のみ。当日券なし)/プレビュー公演2000円(22日19時30分) 【問い合わせ】乞局(TEL:080-3096-8432 〔HP〕http://kotubone.com/) 【脚本・演出】下西啓正 【出演】石田潤一郎、岩本えり(以上乞局)、井上裕朗(箱庭円舞曲)、佐野陽一(サスペンデッズ)、島田桃依(青年団)、高尾祥子(東京乾電池)


新国立劇場演劇公演『雨』

2011.06.13 Vol.513
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 昨年急逝した井上ひさし氏の傑作『雨』を栗山民也の新演出で上演する。この作品は約35年前に書かれ、五月舎からこまつ座へと受け継がれ、今まで482ステージ、すべて木村光一の演出で上演された。今回は生前、井上氏が直々に栗山を指名したという。

 時代は江戸。東北は平畠の「紅屋」の婿である喜左衛門とうり二つと言われた金物拾いの徳は、喜左衛門になりすまして大金を手に入れようとする。しかし北上するうちに言葉(方言)の様子が変わってきたことに戸惑いを隠せない。喜左衛門のことを何一つ知らず、他人になりすますことなどできないとあきらめかけた徳だったが、結局記憶を失ったふりをして村人たちの輪に入っていくのだった。

 色と欲に目がくらんで東北へ旅立ち、他人になるために方言を会得し、やがて大きな謀略に飲み込まれていく男の姿を通じて“人間と言葉”“中央と地方”といった骨太なテーマを問う。

 徳に市川亀治郎、喜左衛門の妻・おたか役に永作博美。

【日時】〜6月29日(水)(開演は月水土日13時、火木13時/18時30分、金18時30分。15・22日休演。開場は開演30分前) 【会場】新国立劇場 中劇場(初台) 【料金】全席指定 S席7350円/A席5250円/B席3150円/Z席1500円(当日10時より劇場のみ) 【問い合わせ】新国立劇場ボックスオフィス(TEL:03-5352-9999 〔HP〕http://www.nntt.jac.go.jp/play/) 【作】井上ひさし 【演出】栗山民也 【出演】市川亀治郎、永作博美/梅沢昌代、たかお鷹、花王おさむ、山本龍二、山西惇、植本潤、酒向芳、金成均、石田圭祐、武岡淳一ほか


ONEOR8『ペノザネオッタ』

2011.06.06 Vol.512
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 自転車店、中華料理屋、幼稚園の職員室など、ありふれた日常的空間を舞台に、ごくありふれた登場人物たちが、ごくありふれた行動を繰り広げているだけなのに、いつのまにか激しく感情移入させられる。そんな作品を多く発表してきたONEOR8。

 作・演出の田村が向田邦子をリスペクトしているということもあるのか、家族関係、友人関係といった身近な存在を描くときの一種独特の凄みに魅入られる。

 今回はいじめられっ子だった男とその友人たちとの友情を中心に、その男と親との関係性にまで物語は進む。

 幼さゆえに結果も考えないままにしでかしてしまった罪とはいえない罪への後悔と、なくしてしまったものへの複雑な思い。そして残された者たちのやるせなさ…。そんな入り交じった複雑な感情が客席に押し寄せる。

 ノスタルジックな雰囲気を漂わせながらも現代への問題提起も含む作品。

【日時】6月18日(土)〜26日(日)(開演は18日18時30分、19・25日14時/18時30分、20〜24日19時30分、26日13時/17時。※23日は14時の回あり。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前から発売) 【会場】赤坂RED/THEATER(赤坂見附) 【料金】全席指定 前売3800円、当日4200円/18〜20日は前売3500円、当日3800円/学生割引 前売2500円、当日2800円(劇団のみ取扱い。学生証提示) 【問い合わせ】ONEOR8(TEL:080-6577-1399 〔HP〕http://www.oneor8.net/) 【作・演出】田村孝裕 【出演】恩田隆一、和田ひろこ、野本光一郎、冨田直美、伊藤俊輔/赤澤ムック(黒色綺譚カナリア派)、白州本樹、山口森広、広澤草、根本雅也、関口敦史/矢部太郎(カラテカ)


燐光群『推進派』

2011.05.30 Vol.511
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 東日本大震災、それに端を発する福島原発の一連の問題で青息吐息の日本政府。しかし3・11以前、政府の頭を悩ませていたのは米軍の普天間飛行場の移設問題だった。

 世間の目が東に向くなか、普天間問題は気付かれないように?ちょっとずつ動きを見せ始めている。

 2010年初頭、鳩山政権が沖縄の米軍普天間基地ヘリ部隊の移設予定地として徳之島の名を上げた。島民の6割が反対集会に集まり「反対」を叫んだ。しかし島民のなかには少数ながらも推進派・誘致派も存在した。反対派の中にも「隠れ推進派」がいるとも噂されるなか、公然と「推進派」を名乗る者もいた。そして5月末、日本政府の要望によって、島で海兵隊ヘリコプター部隊の訓練をすることを盛り込んだ日米共同声明が発表される。やがて「隠れ推進派」と「反対派」の対立が日増しにあらわになっていく。

 反対の人も推進の人も、そしてあんまり興味のなかった人も、もう一度基地の問題を見直したい。そして実は身近に転がっている「反対」と「推進」の対立という問題について深く考えたい。「現在」をまるごとつかみ取る坂手洋二が「今、この瞬間」を刻み込んだ作品。

【日時】6月8日(水)〜19日(日)(開演は平日19時、土14時/19時、日14時。※16日(木)は14時の回あり。開場は開演20分前。当日券は開演40分前から発売) 【会場】ザ・スズナリ(下北沢) 【料金】一般前売3600円、ペア前売6600円、当日4000円/大学・専門学校生2500円、高校生以下1500円 (学生券は前売・当日共通料金 受付で要学生証提示) 【問い合わせ】燐光群/(有)グッドフェローズ(TEL:03-3426-6294 〔HP〕http://rinkogun.com/) 【作・演出】坂手洋二 【出演】はしぐちしん、猪熊恒和、大西孝洋、中山マリ、鴨川てんし、川中健次郎、杉山英之、松岡洋子、樋尾麻衣子、安仁屋美峰、武山尚史、鈴木陽介、橋本浩明、桐畑理佳、横山展子、根兵さやか


表現・さわやか『15♥0 ~フィフティーン・ラブ~』

2011.05.23 Vol.510
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 最近ではドラマ『医龍』での木原毅彦役、『警部補矢部謙三』での秋葉原人役、NHKの『サラリーマンNEO』などでお茶の間でもすっかりおなじみの池田鉄洋(通称イケテツ)が主宰する苦笑系コントユニットの2011年の新作公演。

 今回は今までやってそうでやってなかった「恋愛コント」。8名のレギュラーメンバーがあうんの呼吸で、ただひたすらにくだらないオムニバスコントを繰り広げる…といっても、結構いろんな仕掛けがあったりもするから油断はできない。

 いつもマドンナ役といったポジションで女優さんが客演するのだが、今回は及川奈央が出演。映像、舞台、バラエティーなどなどマルチな活躍を見せる及川。イケテツと共演した『志村魂』などで、コントは経験済みといっても、「表現・さわやか」は志村けんが作り出す世界とは全くのアナザーワールド。及川がどんな面を見せてくれるのかも注目。

 どうにも難しそうな作品が注目されがちな昨今、あんまり考え込まないでただひたすらに笑いたい。

【日時】6月1日(水)〜12日(日)(開演は平日19時、土14時/19時、日14時。※9日(木)は14時の回あり。火曜休演。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前から発売) 【会場】駅前劇場(下北沢) 【料金】指定席 前売3900円、当日4200円/自由席 前売3500円、当日3800円(整理番号付自由席) 【問い合わせ】猫のホテル(TEL:080-3517-7033 〔HP〕http://h-sawayaka.com/) 【作・演出】池田鉄洋 【出演】佐藤真弓、いけだしん、村上航、岩本靖輝、菅原永二、池田鉄洋/伊藤明賢、佐藤貴史/及川奈央


ティーファクトリー「P.P.Pasolini’s PORCILE 『豚小屋』」

2011.05.16 Vol.509
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撮影:元田敬三

 昨年、第三エロチカ立ち上げ30周年を迎えた川村毅は、第三エロチカから続く『新宿八犬伝』の最終巻をはじめ多くの新作を発表。活発に活動した。今年も勢いそのまま、今回は、川村が少年期に多大な影響を受け、創作の原点ともいえるパゾリーニの戯曲の上演に挑む。

 パゾリーニといえば日本では『ソドムの市』といった作品で、映画監督として知られるところ。その謎の死も含めカルト的な人気を誇っている。あまり知られてはいないのだが、実は6本の代表的な戯曲を遺している。

 今回は日本では初めて『豚小屋』を上演。

 ナチスの残党の父を持つブルジョア階級の青年が生きる当時のドイツと、現代の青年がさまよう現代の東京の2つの物語が交錯して描かれる。

 川村作品にはいまや欠かせない存在となっている手塚とおるをはじめ役者陣も奇才が揃う。振付家・ダンサーとして活躍する伊藤キムが初めて俳優として舞台に立つのも興味深い。

【日時】5月20日(金)〜29日(日)(開演は月火金19時、水14時、土日14時/19時。29日(日)は14時の回のみ。木曜休演。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前から発売) 【会場】座・高円寺1(高円寺) 【料金】全席指定 4500円 【問い合わせ】ティーファクトリー(TEL:03-3344-3005 〔HP〕http://www.tfactory.jp/) 【作】ピエル・パオロ・パゾリーニ 【構成・演出】川村毅 【出演】手塚とおる、伊藤キム、河合杏南、笠木誠、福士惠二、大沼百合子、伊澤勉、柊アリス、中村崇


ナイロン100℃ 36th SESSION『黒い十人の女~version100℃~』

2011.05.09 Vol.508
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『黒い十人の女』は1961年に市川崑監督によって映画化された作品。生涯多くの映画を撮り、大衆的なものから実験的な作品まで多彩な作風を誇る市川作品の中でも、特に異色な作品。

 主人公はテレビプロデューサーの男。男は美しい妻を持ちながら9人の愛人たちとつきあっていた。その愛人たちは男が浮気者で、自分の他にも愛人がいるということには薄々感づいてはいるのだが、なぜか別れられないでいる。一方、そんな大胆なことをしていながら実は気の小さい男は、愛人たちが自分を殺そうとしていると思い込み始める。

 1997年にリバイバル上映された際も、多くのファンが駆けつけた。何度見ても色あせない、初めて見る最近のファンにも古さを感じさせない作品。

 この奇妙でスタイリッシュなフィルム・ノワールをKERAがどのように料理するのか興味深い。

【日時】5月20日(金)〜6月12日(日)(開演は火〜金18時30分、土13時/18時、日13時。※25日(水)、1日(水)は13時30分の回あり。8日(水)は13時30分の回のみ。21日(土)は18時の回のみ。22日(日)は18時の回あり。月曜休演。開場は開演30 分前。当日券は開演1 時間前から発売) 【会場】青山円形劇場(表参道) 【料金】全席指定 6900円(前売・当日共)/学生割引券4300円(前売のみ。チケットぴあのみ)【問い合わせ】キューブ 03-5485-8886(TEL:03-5485-8886=平日12〜18時 〔HP〕http://cubeinc.co.jp/   http://sillywalk.com/nylon/) 【オリジナル脚本】和田夏十(映画『黒い十人の女』市川崑監督) 【上演台本・演出】ケラリーノ・サンドロヴィッチ 【出演】峯村リエ、松永玲子、村岡希美、新谷真弓/みのすけ/中越典子、小林高鹿/緒川たまき 他


イキウメ『散歩する侵略者』

2011.04.25 Vol.507
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 作・演出の前川知大は昨年発表した『プランクトンの踊り場』で第14回鶴屋南北戯曲賞を受賞し、岸田戯曲賞でも最終選考にノミネートされた。

 SFをベースとしたストーリーで驚かせ、人間関係の細かい機微を乗せた会話劇で、時に欲望や喪失感といった“グッとくる”感覚に訴えるその作品世界はまさにオンリーワンの存在といえる。

 今回は劇団の代表作の再演。

 最近倦怠期気味の夫婦。妻は最近、旦那の人格が変わったように思える。実は「概念」を奪うという宇宙人に体を乗っ取られてしまっていたのだ。頻繁に散歩に出掛けるようになった旦那。その度に街では事件が起こる。そして多くの「概念」を奪った宇宙人は去り際、最後に妻からある「概念」を奪うのだが…。

 SF的な仕掛けに毎度のことながら「なるほど」と感心。そして思いもよらないラストシーンに胸を打たれる。

【日時】5月13日(金)〜29日(日)(開演は平日19時30分、土13時/18時、日13時。25日(水)は14時開演のみ。月曜休演。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前から発売) 【会場】シアタートラム(三軒茶屋) 【料金】全席指定 一般 前売4000円/当日4200円 【問い合わせ】イキウメ(TEL:03-3715-0940 〔HP〕http://www.ikiume.jp/) 【作・演出】前川知大 【出演】浜田信也、盛隆二、岩本幸子、伊勢佳世、森下創、窪田道聡、大窪人衛、加茂杏子/安井順平


黒色綺譚カナリア派番外公演『犬と花~早熟の枯れぬ少年期~』

2011.04.18 Vol.506
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 舞台を「携帯電話のない時代」「明治〜昭和初期」といった時代に設定し、主宰の赤澤のこだわりに満ちた演出のもと上演される作品は、最近の演劇界を見回してもかなりの異彩を放つ。そんな“こだわり”と“異質感”でオンリーワンの存在になりつつあるといっても過言ではない黒色綺譚カナリア派。

 そんな彼らにとって今回はかなり実験的な番外公演。第3回公演で上演された作品の再演となるのだが、若手俳優チームと中堅俳優チームに分かれ2つのバージョンで上演。演出も世代も作風も全くことなる演出家2人を起用するという。他の演出家が赤澤の戯曲を演出するとどうなるのか?など、さまざまな意味で興味深い公演となる。

 公演は各約75分で間に休憩を挟んでの2本連続公演となる。1公演のみの観劇も可能とのこと。

 24日(日)の17時30分からはトークショー、バンド演奏などの特別イベントも企画されている。

【日時】4月21日(木)〜5月2日(月)(開演は月〜金18時30分、土13時/18時30分、24日(日)、1日(日)は13時開演。29日(金)は13時の回あり。2日(月)は14時開演。25日休演。開場は開演20分前。当日券は開演30分前から発売) 【会場】OFF・OFFシアター(下北沢) 【料金】全席自由 前売・当日共「犬」or「花」チケット3000円/「犬花」セット券5000円(日時指定・枚数限定・前売のみ)。/「犬花イベント」券2000円(24日17時30分。入退場自由) 【問い合わせ】黒電話(TEL:090-8461-4699 〔HP〕http://www.kokusyoku.com) 【作】赤澤ムック〈犬編〉 【演出】谷賢一(DULL-COLORED POP) 【出演】牛水里美、芝原弘、升ノゾミ、井上みなみ(青年団)、渡辺六三志、山下由、松崎みゆき 〈花編〉 【演出】牛嶋みさを(鉄割アルバトロスケット) 【出演】赤澤ムック、山下恵、中里順子、夏目慎也(東京デスロック)、ほたる、板垣雄亮(殿様ランチ)、トースティー


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