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通信障害、虫、地下鉄ストップ…さまざまなトラブルを乗り越えた「大阪・関西万博」終了まであと1カ月

2025.09.13 Vol.Web Original

「大阪・関西万博」の閉会まで、約1カ月ほどとなった。

 始まる前は地元・関西でも盛り上がりに欠け、その成否が心配されていたのだが、8月11日には入場券の販売枚数が運営収支の損益分岐点となる1800万枚を超え、黒字のめどがついた。赤字分の補填についてはなし崩し的に国の税金が投入される恐れがあったことから、万博に興味がない層や開催に反対だった人たちも一安心といったところか。

 振り返るとさまざまな出来事があった万博。

 開幕日の4月13日には多くの入場者が利用する東ゲートでスマホがつながりにくいという状況が発生。入場の際に必要な入場チケットのQRコードの表示に時間がかかり、スムーズに入場できないという事象が起こった。

 これはスポーツ興行で多くのファンが集まり、みんなが一斉にスマホをいじった際などに起こる通信障害と同様の状態。多くの入場者に来てもらいたいのにそれをさばくだけの通信インフラが用意されていなかったという事態に先行きの不安さを感じさせたが、QRコードを事前にプリントアウトするかスクリーンショットに撮っておくことをアナウンス、そして各通信キャリアなどに携帯通信環境強化の協力要請を行い、翌日には移動型基地局が用意されるなど、迅速な対応で事なきを得た。

 5月には会場内でシオユスリカという蚊に似た虫が大量発生。人を刺したり、血を吸ったりという類の虫ではないものの、正直あまり気持ちのいいものではない。ただでさえ会場内の飲食物は高額なのに、その食べ物に群がられたら…と心配の種がまた一つ増えた格好となった。

 このシオユスリカは淡水と海水が混ざるエリアに生息する特性があり、大阪湾内の埋め立て地・夢洲は格好の住みかだった。こちらについては専門家や環境省に相談、殺虫剤の大手メーカーなどに協力を要請し、一時は収まったものの完全に駆除することはできず、一部ではまだ発生している。万博は「いのち輝く未来社会のデザイン」を理念に掲げ、テーマ事業の中には「宇宙・海洋・大地に宿るあらゆるいのちのつながりを感じ、共に守り育てる」という項目もあるので、やむなしと言えばやむなしか…。

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