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伊藤忠キッズパークがとにかくエクセレントすぎるので行ってみてほしい〈徳井健太の菩薩目線 第249回〉

2025.07.30 Vol.web Original

“サイコ”の異名を持つ平成ノブシコブシ・徳井健太が、世の中のあらゆる事象を生温かい目で見通す連載企画「徳井健太の菩薩目線」。第249回目は、伊藤忠の「キッズパーク」について、独自の梵鐘を鳴らす――。

 小さい子どもを育てている方なら分かると思うのですが、子どもと一緒に遊ぶといっても、安心して遊べる場所は意外に少ない。

 例えば、公園で遊ぶとしても、きちんと子どもを見張っていないと何をするか分からない。遊具があるということは、その遊具で怪我をする可能性もあるわけで、きちんと付き添っていないといけない。「子どもと遊ぶ」という言葉だけを切り取ると、なんだかとても牧歌的に思えるかもしれないけれど、実際には緊張感を伴うことだったりする。

 以前の『菩薩目線』で、新宿の「カラオケパセラ」が子連れ親子にとって素晴らしい場所だったと触れた。さほど負担がかかることもなく、子どもと一緒に遊べる楽しい空間。そんな場所を求めて、僕らはいろいろと出かけるけど、なかなか良い場所には巡り合えない。でも、ついに、一つの最高峰といっていい“楽園”を見つけてしまった。

 外苑前駅にほど近い、伊藤忠さんのキッズパーク。ここは一体、何なんでしょうか。伊藤忠さんの社員さんが利用する福利厚生的な場所なのか。仮にそうだとしても、まったく関係ない僕らも利用することができる。しかも、無料で。

 ボールプールがあって、ブロックや絵本もある。経験上、都内にあるこうした施設は、30分子ども300円、大人600円というイメージ。だけど、ここは混雑していなければ、子どもはいつまでも遊び続けられる。

 料金体系がしっかりしているキッズスペースは、商魂がたくましいというか、ビジネスライクというか、遊ぶ内容によっては課金システムが発生する。子どもファーストではなくて、お金ファーストだと分かると、一気に落胆してしまう。結局、子育てはお金で解決するしかないのだと。

 それは仕方のないことかもしれない。でも、それだけじゃないはず――。そんなことを思っていた僕らの目の前に広がる、圧倒的楽園。なんだ、あるじゃないか、やっぱり。

 積み木で遊んでいると、その積み木を放置したまま、子どもは次に関心を寄せてしまう。それを追いかけていくと、片づけられないから、なんだか申し訳ない気持ちになる。ところがここでは、スタッフさんが黒子のようにサッと完璧に片付けるだけでなく、アルコール除菌までやってしまう。信じられないくらい清潔で、安心で、こんな場所がこの世にあるのかと、僕らは小躍りした。

 外苑前駅という場所柄も面白い。利用客が多国籍で、ここで遊んでいるだけで国際交流をしているかのような雰囲気さえある。実際、僕が子どもと遊んでいると、突然、ネイティブな英語で話しかけられた。まったく国籍は違うけど、子育てをしている同じ境遇。聞き取れないのに、なんとなく話していることが分かるから不思議です。みんなに余裕があるからか、肩肘を張っていないのも心地よい。

 さらに目を丸くしたのが、スペースに併設されているカフェ。子どもの気持ちを知ろうといったコンセプトがあるようで、“子どもの感覚”を大人が学ぶことができるのだ。子どもはよく食べ物を残してしまう。だけど、子どもから見たメロンパンの大きさは、実はこれぐらいの量に見えている――そんなことを1杯300円ほどのアイスコーヒーを飲みながら知ることができるんです。

 フルフラットという点も素晴らしい。段差があると、走り回る子どもにとってはリスクがある。転んでしまう可能性があるから、僕らは子どもから目が離せない。カフェでくつろぐつもりが、むしろ疲れるなんてこともある。安心して子どもと時間を過ごせるように設計されている。端々から感じる、些細な配慮。そういうのが、うれしいんです。

 訪れる際は、事前に予約が必要だけど、興味のある方は行ってみてください。「そう! これ! こういう場所を求めていたんだよ!」という気持ちになること間違いなしです。

塩抜きダイエットからのご褒美南青山ランチからの伊藤忠キッズパーク〈徳井健太の菩薩目線 第248回〉

2025.07.20 Vol.web Original

“サイコ”の異名を持つ平成ノブシコブシ・徳井健太が、世の中のあらゆる事象を生温かい目で見通す連載企画「徳井健太の菩薩目線」。第248回目は、塩抜きダイエットについて、独自の梵鐘を鳴らす――。

 塩抜きダイエットの先に、楽園を見た。

 始まりは、「体を絞る」という奥さんの一言だった。良い機会だと思い、僕も一緒にすることにした。以前、「絶食ダイエット」なるものに挑戦したことがある。このときも、物は試しとばかりに僕も絶食してみた。僕は頑固な人間なので、「やらない」と決めたら、本当に「やらない」。そのため、かたくなに水分以外は体の中に摂り入れないようにした。ところが、奥さんは絶食ダイエットが相当キツかったようで、「違う方法で3日間ダイエットをしよう」ということになった。

 そこで選ばれたのが、「塩抜きダイエット」だ。塩抜きダイエットは、その名の通り、食事から塩分を極力減らし、体内の余分な水分を排出することを目指す。塩分は、体内に水分を溜め込む性質があるため、むくみにつながるという。塩分を抜くことで、短期間で体をシャープにできるというわけだ。

 とにかく塩分をカットする。そのために、僕は野菜スープを作ることにした。このスープだけを摂取して3日間を過ごす。もちろん、味付けに塩は加えない。野菜から出る、素材が持つ味だけで煮詰めていくのだ。

 ところが、これがかなり美味しくない。味の決め手となる調味料を極力省いたため、とにかく野菜の味しかしない。素材本来のうま味などと言うけれど、結局、塩や醤油があってはじめて素材本来のうま味などとのたまうことができるんです。絶食ダイエットの方が楽だと思うくらい、塩抜きダイエットはつらく、この世界には、塩分が含まれるものだらけだということを思い知った。

 その間、僕は仕事をしているから、楽屋には弁当がある。そのたびに、「塩抜きしているのでいらないです。すいません」と断る。俺は一体何をやっているんだろうと思った。なぜマッチョ系芸人でもないのに、こんな過酷なことをしているんだろう。二日目を過ぎたあたりで、さすがに野菜スープだけでやり過ごすには無理があると悟った。そこで、パッケージに塩分カットと表記されているサラダチキンを食べることにした。 塩抜きダイエットは、食事から塩分を“極力”減らせばいい。別にルール違反をしているわけじゃない。法の抜け道を通るだけ。それに、暑さが厳しいこの季節に、まったく塩分を取らないというのは体にも良くない。ありったけのごたくと共に、僕はサラダチキンを口の中に放り込んだ。驚いた――。

 めちゃくちゃしょっぱい。たった2日間なのに、まったく塩分を摂っていなかった僕の体は、塩分カットしているサラダチキンですら、衝撃的な塩味を感じるほど改造されていた。あまりにしょっぱくて、ひっくり返りそうになった。人間という生き物は、たった2日もあれば、感覚が狂わされるのだと感慨深かった。その甲斐があったのだろう。3日間で体重は4キロ落ちていた。

 塩抜きダイエットは水分は摂っていいから、期間中、僕はビールも飲んでいた。それにもかかわらず、4キロも落ちているのだから、かなり効果的に痩せられることは間違いない。ただし、ダイエットというよりも減量に近い感覚なので、かなりの覚悟も必要。それでも良ければ、お試しあれ。

 3日間やり切ったご褒美として、南青山でランチでも食べようという話になった。塩を抜いた後だから、何を食べてもおいしい。結局、ご馳走とは塩分なのだ。

 満足感を得た僕らは、子どもと一緒に遊べる場所を探そうということになった。ChatGPTに聞くと、外苑前にある伊藤忠さんが、「キッズパーク」という施設を有していると教えてくれた。事前に予約が必要だということで、とりあえず予約をして訪問することにした。

 僕は、この施設がどんな施設だかまったく分からない。「とりあえず行ってみるか」くらいの軽い気持ちで訪問したから、どんな遊具があるのか、どんな料金体系なのかは、行った先で確認しようと思った。受付に付くと、係の方から、「ご予約はされましたか?」と聞かれたので、「はい」と答える。当然、お金を払うものだと思っていたから、財布を取り出すと無料だという。無料?

 中に入ると……驚愕した。ここは楽園か。僕らは、ここを見つけるために、塩抜きダイエットをしていたのかと思った。何が素晴らしかったのか、次回に詳しく説明します。すべてのキッズがいる親御さん、楽園があったんです。

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