SearchSearch

蔦重プロデュース、幻の喜多川歌麿作品が約43年ぶりに再発見 特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」

2025.05.29 Vol.762

 現在放送中のNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」でもおなじみ「蔦重」こと蔦屋重三郎(1750~97)。貸本業から身を起こし、社会状況の変化をつぶさにとらえ、まさに江戸のメディア王となったその軌跡とともに、喜多川歌麿や東洲斎写楽など、彼が発掘した数々の才能を紹介する展覧会。

 会場では、彼が出版した「吉原細見」をはじめ洒落本、黄表紙などの他、名絵師たちの作品、蔦重ともゆかりが深い平賀源内作「エレキテル」などを展示。さらに「べらぼう」との連携で蔦重が活躍した頃の江戸の街へタイムトリップしたような空間も登場する。

 また今回、本展覧会に関連する調査の中で、蔦屋重三郎がプロデュースした喜多川歌麿作品の中でも特に重要と思われる作品「婦人相学十躰 ポッピンを吹く娘」が約43年ぶりに再発見され、5月20日から同展で特別公開することが決定。歌麿の「婦人相学十躰」は、その最初期のシリーズであり、中でも「ポッピンを吹く娘」は「十躰」「十品」両シリーズ名で出版された貴重な作例。貴重な機会をお見逃しなく。

「べらぼう」歌麿役・染谷将太が写楽の浮世絵ぬいぐるみを抱っこ

2025.01.27 Vol.web original

 

 俳優の染谷将太が27日、東京国立博物館の春の特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」の報道発表会に登壇。江戸の出版の世界に思いをはせた。

 江戸時代の傑出した出版業者である蔦重こと蔦屋重三郎(1750~97)の活動を通して、天明、寛政期を中心に江戸の多彩な文化を紹介する展覧会。 大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(NHK)のセットの展示や、主演・横浜流星による音声ガイドなども見どころ。

 現在放送中のドラマ「べらぼう」で喜多川歌麿役を演じる染谷。歌麿の実物浮世絵も鑑賞したといい「実際に初めて生で見て、本当にいたんだと身近に感じられました。遠い世界だったのに地続きというか、現代につながっているんだということを感じ感動しました」。

 蔦屋重三郎の印象は「人間力があってエネルギーにあふれた人」という染谷。一方、自身が演じる歌麿の印象は「人の痛みが分かる人なんじゃないかなと想像してます。人の気持ちと同調できるから、ああいう作品が作れるんじゃないかと。悲しみや悩みを抱えている人がモデルとして目の前にいたら、同じ感情を抱きながら筆を手にしていたんじゃないか、と。だからこそ内側からにじみ出る美を表現できた方なのかなと思います」と、繊細な美人画の数々を手がけた名絵師に思いをはせた。

 4月の展覧会に向け「江戸の絵や本という遠い世界に感じられていたものがきっと身近に感じられると思います。その文化は今も確実につながっている。自分も役者として表現ごとをしている中で、地続きに感じられると思うので自分もそれを楽しみたいと思います」と期待。

 最後は、展覧会オリジナルグッズとして作られた、東洲斎写楽の代表的な浮世絵「三代目大谷鬼次の江戸兵衛 」のぬいぐるみを手に思わず笑顔になっていた。

 特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」は4月22日から6月15日まで上野・東京国立博物館にて開催。

Copyrighted Image